投稿者：かんなぎ
■モニター環境・自己紹介
使用ラバー：KING-Pro（黒/48°/2.2mm）
卓球歴：9年
普段の使用用具
R：ディフェンスα（廃番）
F：NEW729-2 45度 2.2mm
B：トリプル･スピードチョップスポンジ
■第一印象
シート：シートはKINGと同一ですが、
King-Proのほうが表面の艶があり粘着力も強いです。
KINGはBREAK-PRO＋αほどの粘着だったのに対し、Proは水星2ほどのベタつきですね。
シートのつくりは729ORIGINと酷似しています。
King-Proのほうが若干トップシートが薄めに見え、軟らかめに感じるくらいでしょうか。
スポンジ：太陽PROによく似た色のパープルスポンジです。
48°ということもあってかなり硬そうなイメージでしたが実硬度はそれほどでもなく、
ORIGIN中軟と同じくらいかやや軟らかめに感じました。
SWORDのラバーにしては已打底の膜が厚く、
接着層のみを引っ張ってもプチプチ切れることなくピーッと剥がせます。
膜を剥がすとSWORDのラバーらしく凹凸のあるスポンジ表面。
重量：パッケージ込で79g、ラバー本体（166mm×167mm）が76g。
最近使用したラバーの中では最も重たいですね。APOLLO2の37°や金星2の38°よりも重たく、
単純計算では攻撃用シェーク片面あたり56gでした。KINGの42°と比較すると10gもの差です。
■試打
貼りたてはT-REXのようにポコンポコンした感覚です。
3日目を過ぎたあたりから打球感と球筋が鋭くなりだしますね。
硬度の割に非常にソフトかつクリアな打球感で、
軌道はフォア打ちの時点でもよく弧を描きます。スピードはORIGINよりも上。
攻撃技術全般
ドライブ：「潜在能力を引き出せない」というのがよくわかります。
ラバーの限界のボーダーラインが非常に高い位置にあるため、
もっと威力あるボールを出せるのに自分が意図的には踏み込んだことのないゾーンの
打球なので身体がついて行こうとしないといったイメージですね。
また、適当なスイングでもそれなりに良いボールが出てしまうというのも原因の一つでしょう。
ボールは非常に上方向への飛び出しが強いため大きく弧を描きますね。
水星2WRM特注以上の大きな弧線です。そのためドライブは安定感が抜群で、
打点が下がってもグイグイ持ち上げられるのが素晴らしいです。
擦っても食い込ませても問題ありませんが、
個人的には食い込ませる打法のほうが良い印象を感じました。
ヘキサーHDとはまた違った感じで硬いのによく食い込んで球を持ち、
特に下回転の持ち上げやすさはかなりものです。
スマッシュ：スマッシュを始めとするフラット系のミートに関しては中国ラバーらしさは少ないです
どちらかというとスレイバー･G2、ラピッドD.TecSといったクラスのラバーに近い感覚です。
しっかりミートした際は高い打球音でボールが弾け飛びますが、
若干ドライブスマッシュ気味の曲線的な打球のため一発で抜き去るのには難しいかというところ。
反面カウンタードライブ等の擦り気味のミートでは伸びある打球となり、
失速せず安定感高くと非常に良かったです。
守備技術全般
ブロック：ブロックですがORIGINによく似ていますね。止まり具合、
変化の付けやすさともに高レベルで、
ORIGINではスピードに難のあった押すブロックは威力がUPしています。
カット：安定感と回転量が最高クラスです。カットに関しては初級者から上級者まで
どういったプレイヤーにも対応しそうですね。
ドライブでも触れたソフトな食い込みの良さが薄いインパクトでも
ブチ当たったミートでも安定あるカットにしてくれ、
シートのグリップの良さがかなりの切れ味を生みだしています。
ドライブではかなり上方向への球の飛び出しと書きましたがカットではマーク5HPSのように
暴発することもなく、切れているのにふんわりとした球足のゆっくりとしたカットになりやすいです。
ですが、ナックルカットは少しやりにくいですね。
どうしても下回転が残ってしまう感じがあります。
チオカ選手やチェチニン選手のように粘り切り倒すカットマンにはお勧めです。
サービス・レシーブ・台上技術など
サービス：太陽PROのように微妙に食い込ませて擦る打ち方がピッタリです。
食い込ませてもサービスが小さく収まり、
むしろ薄く擦ろうとするとスリップしているような感覚があり回転量が望めない気がします。
ロングサービスの伸びはありますが、
ORIGINよりもバウンドは高めになりがちのため注意が必要です。
レシーブ：弱いタッチでの吸収力が高いですね。
普段の感覚だとストップがネットまで届かないことが多々ありました。
逆にそれを利用してストップに強く回転を切り込んで加えて行けます。
やや回転の影響を受ける感じですが中国ラバーの平均値といったところだと思います。
が、それを補う程のコントロール性があるため自在性は高いです。
チキータはかなりエグく曲がる球が出せますね。球持ちの具合がチキータにピッタリです。
■まとめ
限界性能は高いのに扱いづらくない万能粘着テンション。
適度に食い込む感じと強烈なグリップ性能、弾力があり高い水準での
安定性・回転力・反発力を鼎立しているラバーです。
とりわけ安定性は苦しい体勢でもラケットに当てさえすれば次の準備ができるほどで、
凡ミス・自滅の失点が減って試合に負けづらい一枚です。どんな体勢、
どんな打点でもとにかくしっかり繋ぐ粘り命のプレーを目指す方、
とにかく切れたカットを送り続け切り倒す戦法のカットマンへ。
