投稿者：烏賊
使用ラケット：
ティモボルZLC、王道02
【最初に】
VICTASのモニター当選して一足先に試せて光栄に思います。性能は高く、簡単に言うならば打感薄めの1Qと言った所。実際の打感の厚さは平均程度なのですが、特殊素材のZLCに合わせても食い込みすぎて板で弾きすぎると言う程では無く、十分実用的な打感です。王道02に張り替えた所打感自体は丁度良くなったのですが、しなりで持ってラバーの性能で持ってと持ちすぎ感が無きにしも非ず。そこら辺は個々人の好みでしょうか。正直な所モニターラバーのレビューを書くのもどうかなと思ったのですが、VICTASに返送するxlsがあまり書き込めなかった為、もっと書きたいと言う欲求に駆られてしまいました。
【軽打】
軽く打って結構な威力で飛ぶ、柔らか目のラバーにありがちな飛び出し具合です。打った瞬間はあれ何か薄いかも？ と思わなくもないのですが実際に続けて打ってると何ら問題は無く、ある程度簡単に一定以上のスピードが出せるラバーに思えます。そこら辺は柔らかさや食い込みやすさのアシストがあってでしょうが、パワープレイヤーとしては一定以上の威力にならない事で不満を感じるかもしれません。フォアバック両面良好に使えるのですが、高品質のラバーにありがちな上に飛び出す感覚があり、バックは様子見で軽く打つと浮きやすいです。
【ドライブ】
各種ドライブ特に問題無く、不得意も無さそうです。打感が薄く弾性に限界がある事もあってパワードライブの威力は比較的近い所に限界がありますが、スピード、スピンの調整がしやすいです。下回転の持ち上がりも悪くは無く、最近のハイテンションラバーとしては平均的位でしょうか。球持ち感と絶妙な弾き出し具合で、安定して下回転を持ち上げることが出来ます。
ドライブの弾道としてはほぼ直線的な物の、決して安定感が悪いわけでは無いと言える程度には弧線もあり、前陣から中陣でしっかり攻撃できるバランスです。このドライブの回転がかかる瞬間の感覚、柔らか目のシートでしっかりかける感覚が1Qと似た印象を受けました。
【台上技術】
柔らか目、食い込みがいいと来ると特殊素材に張るとツッツキが浮きやすくなってしまうのですが、王道02ですと現実的な範囲に収まりました。ツッツキの回転量はとても多く、真下を擦るようにすると飛びすぎず強回転で安定した物になりました。意外と相手の強い回転にしっかりツッツキをしてもコントロール性が良く、ツッツキは高バランスと言えると思います。フリックも弾くことで回転の影響をしっかり押さえられますが、逆を言えば軽いタッチで当ててしまうと食い込みやすさで影響を受けやすいです。その為ストップは最近の高性能なハイテンションラバーとしては平均的です。シートとスポンジの作りが絶妙なため、チキータや台上ドライブのやり易さがかなりの物です。通常台上ドライブと言うとバックが主となりがちですが、V＞01はフォアでもかなりの打ちやすさです。その為三回目の練習で台上ドライブにハマって台にぶつけて先端を破くなんてミスもありましたが、相手のフォア前サーブもドンドン狙って行けます。
【サーブ】
打感薄めの1Qと言う感想を持つ程にシートとスポンジの合わさった感触がいいため、回転をかけると言う事においてはかなり好感触です。その中でも下回転サーブは適当に売っていても結構切れるので、ネット際を狙う事に集中しても結構切れたサーブになり易いです。ただ、RASANTやTARGETのようにシート自体の引っかかりが強いうと言うわけでも無いので、ある程度食い込ませて打つようにした方がいいでしょう。
【フラット打ち】
可もなく不可も無くですが、恐らく組み合わせるラケットとインパクトの強さ次第かと思います。それを言うと全てが全てその要素が大きく絡んできますが、ティモボルZLCと王道02では勿論ティモボルZLCの方がやり易く感じますし、角度打ちはぶっ飛び加減の調整の問題で王道02の方がやり易く感じます。決してやり辛くは無く、かと言って咄嗟にやってタッチが軽くなってしまうと落ちやすいと言う事で可もなく不可も無くと言う評価にさせて頂きます。
【特殊素材ラケットでカット】
本業では無い物の、松下元プロが社長のVICTASの攻撃ラバーだけに打たざるを得ません。既にある人のブログで物凄く切れると書いてあったので回転量は疑いを持っていませんでしたが、特殊素材ラケットにおいて分厚くすくうカットが可能で、しかも勝手に下回転がかかる印象です。基本的に弾むのでカットをする場合は擦り気味で調整するのですが、このラバーは拾う時の力加減だけ気を付ければ拾うだけである程度下回転がかかってしまう印象です。中陣でネットミスした時も、やや擦り気味ではある物の分厚く当ててもなお、強烈な回転でネットを駆け下り猛烈な速度で戻ってくる程でした。VICTASとしては初の攻撃用ハイテンションラバーと言うふれこみで宣伝していますが、どう考えてもカットマン向けのラバーに思えてなりません。
【まとめ】
攻撃用ラバーとして使うのであれば前中陣両ハンド、ドライブ型でパワー型じゃないけど軽いスウィングで威力を出したい人向けかと思います。決して硬くは無く、しかし柔らかすぎないと言う絶妙な硬度、シートとスポンジの相性、木材合板でも特殊素材でも使いやすい範囲の打感の厚さ。攻撃用ハイテンションラバーとしては広くに愛され評価されるラバーを目指したなと感じさせるラバーでした。パワードライブの威力には少々不満もありましたが、王道02でのパワードライブは少々球を持ちすぎはするものの好感度は高く、組み合わせ次第で何でも出来てしまいそうに感じます。
カット用ラバーとしては本職では無いのであまり突っ込んだことは言えませんが、カットの切れ味と安定性、後からでも攻撃できる飛距離と威力。攻守共に安定感の高い物ではないでしょうか。
お勧め出来る組み合わせは、ほぼ全体的に何でも行けると思います。価格も定価が5000円程だったはずなので、小売店で割引が入ると4000円前後と言った所でしょうか。それでこの性能ならかなりいいと思います。テナジーがどちらかと言うとパワーやインパクトが強く無いと性能が発揮されないラバーですが、その点V＞01なら比較的簡単に威力の有る球が出せますし扱いやすいので、日本メーカーのハイテンションラバーとしてはスタンダードな一枚となると思います。個人的にはハード版を出してもらいたいのですが、1Qっぽくなるだけな気も・・・
