ラザントパワーグリップ



















投稿者:かんなぎ


0.モニター環境

使用ラバー:RASANT POWER GRIP(ブラック/1.9mm)

普段の使用用具
R:タマス製柳3枚合板
F:月PRO【已打底】40° 1.8mm
B:トリプル特注 薄


1.ざくっとレビュー
限りなく粘着チックな非粘着、アポロ2のスピン系テンション版。
抑えを犠牲にした代わりに切れ味アップの1Q。


2.第一印象

シート:まずパッと見ではラザント、ラザントターボよりも表面のツヤが抑えられています。硬度はターボより硬く、無印とどっこいどっこい。
引っ掛かりはラザントに比べ明らかに強く、また強く撫でても弱く撫でても同様にグリップする感触があるため薄く捉えた際のスリップが少なそうです。
粒形状はグリップよりも低く、無印より僅かに太いかほぼ同じに見えます。トップシートは無印より厚めです。

スポンジ:グリップよりかは細かめですが、ターボより遥かに粗い気泡が目に付きます。エボリューションMX-Pの粗めの個体と同じくらいですね。
相変わらずの蛍光グリーンで硬度はブルーファイアM1と同じくらいかやや硬め。

重量:パッケージ込みでは102g、ラバー本体(170mm×170mm)が75gで100平方センチあたり25.95g。
非常に重たく重量はオメガ5ツアー、エボリューションMX-Pとほぼ同じです。
無印、グリップと比較すると攻撃用シェーク片面あたりそれぞれ2g弱、3.5g増加。

反発力:40mmボールを150mm上方から落とした際の跳ね返りは108mm。
フィルムを貼った状態では121mm。
※あくまで参考値(フィルム無/有):ラザント→106mm/114mm、ラザントグリップ→92mm/114mm、エボリューションMX-P→104mm/122mm、オメガ5ツアー→103mm/114mm

軽打:打球感が思ったよりも硬くないです。中国ラバーのようにバチバチ弾ける感じは少なく、軽く食い込む球持ちの感触はオメガ5ツアーが似ていますね。
ターボで薄れたラザントらしいピキピキした打球感が復活しています。


3.攻撃技術全般
ドライブ系技術:8点
極端に擦り打ち寄りのラバーですね。ドイツラバーにありがちな固定観念は吹っ飛ばして使うべきでしょう。
ラザントターボより上方向の飛び出しで、スピードは落ちますがよく弧線を描きます。
球離れがちょっぴり遅くなったオメガツアーのような感触です。

フラット系技術:8点
硬さを活かしてひっ叩くのも容易なのが好印象でした。無印のように球を持ちすぎる事も少なく、小気味良く弾けます。
食い込ませると飛び出しがやや下方向になる印象で、ドライブとの球筋の差に注意が必要です。

カウンター:7点
カウンターは少々シビアです。
ラバー自体が硬いのでカウンターには向いていないこともないのですが、ドライブの回転量に左右されやすく角度・タッチに微妙な匙加減を必要とします。
ミートすると落ち気味、擦るとピュッと上に飛び出し気味。
球勘がピッタリと当てはまるプレイヤーとそうでないプレイヤーとでくっきり分かれる感じです。


4.守備技術全般
ブロック:7点
ブロックは力をロスし抜ける感触がありました。イメージよりも少しだけ球が遅いです。
ナックルになりやすいため、快帯になりやすい従来のRASANTシリーズと比べるとキャラクターが違いますね。ブルーファイアっぽいです。
外すブロックと言うよりかは相手に待たれるブロックと言った印象でした。特別抑えが利くと言うわけでもなかったので自分から変化を付け調整することが必須です。

カット:7点
キレが第一の特長ですね。回転量は1Qよりも上に感じました。
抑え、変化の量と判りづらさには1Qに軍配が上がります。ミートするカットの際に潰れる感触が少なく長めに飛び出してしまいます。
またナックルカットは少し浮き上がり、切ったカットの低い弾道と容易に見分けが付いてしまいます。
短期決戦で斬り倒すタイプには良い武器です。

ツッツキ:7点
カット同様キレは良いです。
が、やや硬度の割には浮いて伸びる感じです。


5.台上技術・サービス・レシーブ
サービス:8点
RASANTの1割増なキレです。長さを問わず抜群の回転量を安定して出せますね。
RASANTよりもロングサービスのバウンドが低めなのもGoodです。

台上技術・レシーブ:7点
そこまで回転の影響が大きいとは感じませんでしたが、流しに関しては回転を残しづらい印象がややありました。
自分から切ったり止めたりでボールを運ぶ必要があります。


6.おすすめラケット
重量を考えるとコンパクトなブレード、手元重心、軽量なラケットが好ましいです。
板厚が薄めのしなりやすいラケットが合わせるとしたらベターでしょう。
腕っぷしに自信のあるプレイヤーであれば厚手のラケット、アウター素材のラケットでドライブとミートのメリハリを大きく付けるのもアリです。


7.どんな人におすすめか
粘着テンションとスピン系テンションの中間的なラバーが欲しいけれど、ヴェガチャイナやスピンアートでは粘着寄りすぎると感じていた方。
硬いラバーで擦り打ち命!とことんループで攻めたいけれど、高弾性や粘着だと差し込まれやすくて早い展開が辛い‥という方。
VS401やアポロ2のような非粘着ラバー使用のカットマンでカットをブチ切りたい、けど後陣ドライブの伸びも欲しい方。


8.総合評価:8点
スピン系テンション黎明期の評判といえば、「重い」「引っ掛かる」「硬い(のに持つ)」でした。
色々と新製品が発売されていく中で、それらの要素を薄めて扱いやすさや万人向けな特性を向上させる流れがあったように感じます。
そんな中「万人向けじゃなくても高性能さを!」と言わんばかりにリリースされた1枚です。
正直言って誰もに勧められるラバーではありませんが、合う人にはこの上なく頼れる相棒になります。
こだわり派メーカーの、こだわりたい人の為のラバーです。


9.備考
アポロ2でも見られた現象ですが、シートのくもりが早いです。
グリップ力は週3時間×3を2ヶ月使用で2割低下未満といったところ。RASANT turboよりも引っ掛かりの低下は遅いです。