オフチャロフオリジナル















投稿者:ザーシー
オフチャロフオリジナルセンゾーカーボン-ST(DONIC)

◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
・使用ラバー
テナジー05
テナジー64
ラザントパワーグリップ
ラザントグリップ
アクーダブルーP1ターボ
アクーダブルーP2

・比較ラケット
ワルドナーセンゾーカーボン JO Shape
ワルドナーセンゾーウルトラカーボン JO Shape
オフチャロフセンゾー
ティモボルALC
ゲルゲリーα
プリモラッツカーボン
インナーフォースT5000

◆第一印象
先日行われたリオデジャネイロオリンピック卓球男子団体戦で銅メダルを獲得したドイツチームのエースプレイヤーがオフチャロフ選手です。
ヨーロッパ最強クラスの実力を誇るオフチャロフ選手はベテラントッププレイヤーのティモボル選手とドイツチームの2枚看板として様々な国際試合で活躍しています。
中国や日本などのアジアのトップ選手にも同等以上のプレーで勝利するその姿からは、かつてヨーロッパが卓球界を牽引していた時代を彷彿させ、再び卓球界におけるヨーロッパ復権を期待させる世界的トッププレイヤーです。
そんなオフチャロフ選手が現在使用していると思われるラケットが今回レビューするオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンです(2016年8月現在、違っていたら申し訳ありません)

オフチャロフ選手は幼少の頃からワルドナー選手に憧れ、長らくワルドナーセンゾーカーボンを愛用していたそうです。
しかしプラボール化の影響によりさらなる弾みとボールの威力を必要としたオフチャロフ選手はワルドナーセンゾーカーボンの打球感や安定性はそのままに弾みと威力を向上させたラケットを求めました。
その要望に応えるべく開発されたラケットがオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンです。
一際目を引くのはその独特な合板構成で木材6枚+薄型カーボン2枚の合計8枚合板です。
卓球用ラケットは3、5、7枚合板やそこに特殊素材を2、4枚加えた何れも奇数合板が主流ですが、オフチャロフオリジナルセンゾーカーボンは偶数合板で非常に珍しい合板構成のラケットです。
奇数合板のラケットは中心材に1枚の厚めの板を配置していますが、偶数合板のオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンは2枚の板を貼り合わせて中心材にすることで1枚板の中心材よりもスウィートスポットを大きくして弾みを向上させ、さらに今までにない特殊な接着段階を経ることによって強度を上げることに成功しました。
またセンゾーV1システムを搭載することにより弾みとコントロール性能を向上させています。
 
◆攻撃系技術
ボールの弾みとソフトな打球感をここまで両立したカーボンラケットは初めてです。
木材ラケットのような軟らかい打球感ながら、ラリーでは相手ボールに力負けせず多少下げられてしまっても相手コートにボールをしっかりと打ち込むことが可能です。
一般的に弾みの強さを求めると打球感がハードな7枚合板や従来のカーボンラケットに辿りつきます。
逆にソフトな打球感を求めると5枚合板などの弾みがそこまで強くはないラケットに辿りつきます。
そこで弾みの強さとソフトな打球感の両方を求めるとティモボルALCのようなアリレートカーボンなどの繊維を組み合わせた特殊素材ラケットや、インナーフォースシリーズなどのインナー特殊素材ラケットに辿りつきます。
ノングルー化やプラボール化によってその使用者層はプロアマ問わずどんどん増えており現代の主流となっています。
今回レビューするオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンの優れている点はアウターカーボンラケットながら強い弾みとソフトな打球感を両立していることです。
オフチャロフオリジナルセンゾーカーボンは極薄カーボンをアウターに配置していますが、ゲルゲリーαやプリモラッツカーボンなどの従来の厚さのカーボンを搭載したラケットと同等の弾みを誇ります。
中〜後陣からガンガン相手コートにドライブを打ち込むことが可能で非常に威力の大きいボールを打つことが出来ます。
そんな強力な球威を誇るオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンですが、アウターカーボンラケットとは思えないほど打球感がソフトで使いやすいです。
オフチャロフ選手が以前使用していたワルドナーセンゾーカーボンはインナーに極薄カーボンを搭載したインナー特殊素材ラケットでやや強めの弾みとソフトな打球感が特徴でした。
またしっかりとボールを掴むことができ、ボールに強力な回転をかけることが可能でした。
オフチャロフオリジナルセンゾーカーボンはまさにワルドナーセンゾーカーボンのソフトで心地よい打球感はそのままに弾みを大きくアップさせ、プラボールでも強力なボールを打つことができるラケットです。
例えるならワルドナーセンゾーウルトラカーボンとほぼ同等の威力を誇りながら、ワルドナーセンゾーカーボンのようなソフトな打球感で使いやすいを両立しているラケットです。
この弾みの強さとソフトな打球感の両立の秘密が偶数合板によるものだとするならこれは素晴らしい技術だと思います。

◆守備系技術
ソフトな打球感と操作性の高さにより相手の強打を正確に相手コートに返球することができます。
アウターカーボンラケットながらしっかりとボールを掴むのでラケット表面でボールを落とすことなく落ち着いた返球が可能です。
またロビングなどの下がった位置からの粘りもこのラケットの優れている点です。
弾みが強いのでそこまで力み過ぎなくても相手コートにボールを返すことができます。
また弾みが強いので中陣からでも強力なカウンターを打つことが可能です。
ワルドナーセンゾーカーボンはプラボールではやや後陣で粘る時にやや苦しく感じましたが、オフチャロフオリジナルセンゾーカーボンは後陣での弾みの強さがウリのラケットだと思います。
 
◆台上
カーボンラケットながら操作性が良く台上プレーには全体的に安定感がありました。
ストップはアウター特殊素材ラケットとは思えないほど止めやすかったです。
ツッツキも前後の揺さぶりが可能で、さながらワルドナーセンゾーカーボンのような安定性を誇ります。
またフリックやチキータは弾みが強く、相手サーブに合わせることがやや難しかったですが、普段特殊素材ラケットでプレーしている方にはそこまで違和感なく使いこなせると思います。

◆サーブ、レシーブ
弾みが強いのでスピン系ショートサーブはやや回転をかけることが難しく感じました。
スピードの速いロングサーブで大きく崩して浮いたボールを打ち込むことの方が得意だと思います。
レシーブはストップやツッツキなどは安定しますが、フリックやチキータなどはやや飛び出してしまい難しいです。
また面の向きを少しでも誤ると直線的な弾道でネットに引っかかってしまうので注意が必要です。

◆おすすめプレーヤー、ラケット構成
プラボール化によって安定性のあるラケットに使いやすさだけでなく威力やスピードを求める方におすすめです。
偶数6枚合板、極薄カーボン、センゾーV1によって威力と安定性を両立したオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンは「強い弾み×ソフトな打球感」という近年流行している性能のラケットです。
強い弾みとソフトな打球感は本来であれば相反する特徴ですが、うまく両立しているオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンはまさにトップ選手用に開発された高性能ラケットという印象です。
ここまで高性能のラケットは各社かなり高額なものが多いなか、オフチャロフオリジナルセンゾーカーボンはトップ選手モデルのラケットとしては非常にリーズナブルなのでぜひ試して頂きたいです。

◆まとめ
プラボール化によって用具の変更を余儀なくされた選手は大勢おり、各選手ごとにプラボール化への対策は異なっています。
オフチャロフ選手は長らく使っていたラケットに近い性能ながら威力を増したラケットを使うという選択をし、その要望を実現したのがオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンでした。
今回はオフチャロフオリジナルセンゾーカーボンとワルドナーセンゾーカーボンを比較しましたが、同じ選手がプラボール以前、以降に使用したラケットを比べることで選手が何を求めて用具を変更したのか新たな発見が見つかるかもしれません。