インテンシティNCT



























投稿者:ザーシー
 インテンシティNCT中国式(STIGA)

◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
・使用ラバー
省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ39度
キョウヒョウ8
キョウヒョウ3-50
テンキョク3-60
テンキョクNEO3
テンキョクNEO2
スピンアート
テナジー05
テナジー64
テナジー25
ラザントパワーグリップ
ラザントグリップ

・比較ラケット
インテンシティカーボン
オフェンシブウッドNCT
エバンホルツNCT V
ローズウッドNCT V
インフィニティVPS V
クリッパーウッド
キョウヒョウ皓
王皓(ニッタク製)
馬琳エキストラオフェンシブ
吉田海偉
インナーフォースZLC

◆第一印象
インテンシティNCTはスティガの木材5枚合板ラケットです。
先日のリオオリンピックで日本代表の最大の壁として立ち塞がり、団体戦優勝に貢献した最強中国の現代表メンバーの一人、許義手の使用ラケットとして有名です。
許義手は今では非常に少なくなったペンホルダーの使用者であり多くのトップ選手の中でもその存在感が際立っています。
またサウスポーでもある為、その特徴がペンホルダー特有のプレースタイルに更なる独自性を加えています。

ペンドライブ型に不可欠である俊敏なフットワークと長い手足を使ったスイングによって、ペンホルダーながらシェークハンドの選手以上に広い守備範囲を誇ります。
また大きく打点を落とした位置から放たれるドライブは相手選手に地面へボールが落下したかのように錯覚させ、ネットの上スレスレに強烈な回転がかかったボールが飛んでくる為非常に脅威になるそうです。
また裏面ラバーを駆使した両ハンドでの台上プレーはシェークハンド以上に威力あるボールを放ちます。

ペンホルダーがどんどん減少していく現代の卓球界において独自のプレーでその逆を行き、最強中国の代表の一角として君臨する許義手が長らく愛用しているラケットがインテンシティNCTです。

上板にはややハードな木材を使用し玉を突くとカンカンと高い音が鳴ります。
グリップは横に広がった平べったい形状でグリップエンドは楕円ではなく角が丸まった長方形になっています。
また許義手が使用しているインテンシティNCTにはレンズにオリジナルのデザインが施されています。
以前そのデザインのレンズが装着されたラケットが限定モデルとして発売されましたが、サウスポーの許義手が実際に使用しているモデルはレンズの向きが左手用に逆向きになっています。

◆攻撃系技術
基本打ちではカンカンと高い音がなりながらも決して飛び過ぎることはなくコントロールしやすいです。
馬琳エキストラオフェンシブと同じくらいの弾みと打球感で同じ国の新旧のペンホルダー使いである許義手と馬琳選手では、やはりラケットに求める性能は似ているのだと思いました。
また両面にラバーを貼っていても重すぎると感じることはなく非常に操作がしやすい重量です。
ドライブではボールがラバーにしっかり食い込んで回転がかけやすいと感じました。
数年前から流行している高級木材ラケットには弾みを強くすることを意識して特殊な木材を使用するあまり、ボールの食い込みが悪くなってしまって従来の木材ラケットよりも回転がかけにくいものもあります。
しかしインテンシティNCTは従来の木材ラケットよりも弾みながら非常に回転がかけやすい点が特徴的でした。
材質だけでなくブレード形状や厚さ、重量なども回転のかけやすさに影響していると思われます。
回転がかけやすく操作性が良いので裏面ドライブもやりやすかったです。
ペンホルダーの両面にラバーを貼った両ハンドプレーにこれから挑戦する方にも使いやすいラケットだと感じました。
トップ選手が使用するラケットでここまで使いやすいラケットは珍しいです。
しかし使いやすい分、他の選手が使用するモデルのラケットに比べると弾みが弱いのでスイングなどの自らの力でボールの威力を上げていく必要があると感じました。
 
◆守備系技術
フォアとバックの両方の弾みのバランスが良いです。
両面にラバーを貼ってブロックした場合、どちらこ一方がブロックしやすくもう片方では返球しにくいことがありますが、インテンシティNCTは両面とも返球しやすかったです。
カウンターも操作性の良さが発揮されフォアとバックの両方でやりやすかったです。
しかし相手の球威を抑えて打ち返すにはある程度の速いスイングが必要だと感じました。
ブロックやカウンターでこれ以上相手の球威を抑えるには、エバンホルツNCTやクリッパーウッドなど、ラケットを重くしたり、インテンシティカーボンなどの弾むラケットを使用しなければなりません。
その重くて操作性が悪くなったり、弾み過ぎてコントロールが難しくなったりします。
自らの力で球威を抑え込める方にはインテンシティNCTの操作性や弾みのバランスは魅力的です。

◆台上
台上プレーはインテンシティNCTが最も光るプレーの一つです。
両面にラバーを貼っても重量が絶妙で操作性が良いため両ハンドでの台上プレーがやりやすいです。
特にチキータはドライブと同様にしっかりとボールを掴んで回転がかかり非常に強力です。
ペンホルダーの裏面チキータを習得するには最適なラケットだと感じました。
許義手はフォアチキータなる驚異的な技術を駆使するそうですが、そこにもやはりインテンシティNCTの操作性の良さと両ハンドのバランスの良さが影響してるのではと素人目に感じてしまいます。

◆サーブ、レシーブ
スピン系のサーブが非常に回転がかけやすく強力です。
キョウヒョウやテンキョクなどスポンジが硬い中国製粘着ラバーは回転がかかる一方で硬いスポンジに上手くボールを食い込ませるのが難しいです。
しかしインテンシティNCTは硬いラバーでもボールがしっかりと食い込み回転をかけることが可能です。
裏面ラバーでのサーブも回転がかけやすいのでサーブのバリエーションを増やしたい方にもおすすめです。
レシーブでは台上でのチキータやフリックなどの攻めの技術がやりやすかったです。
操作性の良さがレシーブでの幅広い範囲の返球に役立つので、ペンホルダーの難点の一つであるレシーブに自信を持てることは非常に大きな利点だと思います。

◆おすすめプレーヤー、ラケット構成
裏面にラバーを貼った両ハンドプレーに適していると思います。
重量が絶妙で操作性が良くフォアバックの両方での弾みや回転のバランスが取れているため、台上やサーブレシーブなど幅広い範囲をカバー出来ます。
もっと強い弾みや相手の球威に負けない重量が欲しい場合は特殊素材や硬くて重いラケットを選択肢にすることも良いですが、自らの力である程度のパワーを出すことができるプレーヤーにはインテンシティNCTの操作性の高さは非常に魅力的な点だと思います。
今回は中国式ペンホルダーでの試打でしたがこの操作性の良さと両ハンドでのバランスの良さは、恐らくシェークハンドでも発揮されると思います。

◆まとめ
一昔前のトップ選手モデルのラケットは基本打ちのボールですら吹っ飛んでいく強烈な弾みや、両面にラバーを貼った場合に振り抜けないほどの重量など、とても素人には扱えないような性能により使いこなすには大きな壁がありました。
この使いにくさと飛び抜けた性能によって万人には真似できない唯一無二のプレーが確立されていると私は個人的に感じていましが、現代のトップ選手は非常に使いやすいラケットを選んでいることに驚きました。
ルールが変わりプレーが多様化していく中でチキータなどの様々な技術が開発されていく現代の卓球界では、飛び抜けた1つの性能が光るラケットよりも、幅広い範囲の技術を可能にするラケットが求められているのではと思いました。
許義手のような操作性の良いラケットを選び両ハンドでの様々な技術を習得することで勝ちを目指すプレースタイルに取り組む一方で、柳承敏選手のように10mm檜単板日本式ペンホルダーをオールフォアでブンブン振り回すペンドラに挑戦してみたくなる気持ちも捨てきれずにいる今日この頃です。