エボリューションEL-S












投稿者:ザーシー
エボリューションEL-S(TIBHAR)

◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
・使用ラバー
エボリューションEL-S 1.9mm

・使用ラケット
吉田海偉
柳承敏G-MAX
キョウヒョウ皓
幻守-中国式
ガレイディアリボルバーR
オフチャロフオリジナルセンゾーカーボン-ST
松下浩二-ST,
極守2-ST

◆第一印象
エボリューションEL-SはTIBHARから発売されているスピン系テンション裏ソフトラバーです。
エボリューションシリーズはTIBHARの看板ラバーで、スポンジ硬度が異なりその硬度に合わせてトップシートがやや調整がされている正統派スピン系テンションのエボリューションMX-P、EL-P、FX-Pという3種類の「P」シリーズ。
そして「P」シリーズよりも回転性能をより重視し中国ラバーにも似た独特の打球感を持つエボリューションMX-Sを合わせた4種類が発売されていました。
そこに今回エボリューションEL-S、FX-Sという新たに2種類が加わりエボリューションシリーズは6種類になりました。
EL-SとFX-Sはどちらも「S」シリーズとなるものの、MX-Sとは違ったより気泡の粗いスポンジを採用し、新しいラバーとして発売されました。
今回レビューするエボリューションEL-Sは硬度としては中間の45度のスポンジを搭載しています。
実際にスポンジを触ると45度の硬度でありながら弾力が強く、より硬めのスポンジのように感じます。
新採用のスポンジの大きな気泡がより強い弾力を生み出しているように感じます。
トップシートも色の濁りが濃くマットな仕上がりとなっています。
私の記憶では10年以上前の卓球王国で広告を見て以来、誌上でその名を見ることがなかったTIBHARが、この度11年ぶりにカラー広告を出したことでも話題となったラバーだけに期待値は自ずと高くなってしまいます。

◆攻撃系技術
・基本打ち
45度のミディアムスポンジを搭載している中間硬度のラバーながら、打球感はやや硬めに感じます。
MX-Sと同様に「S」シリーズは硬めのトップシートを搭載しているので中間硬度のスポンジでもラバー全体としてはやや硬めの打球感になるようです。
しかしグリップ力が強いトップシートがボールをしっかりと掴むのでコントロールがしやすいです。
MX-PとMX-Sを比較した場合、MX-Pは正統派で使いやすく、MX-Sは回転性能重視にしたことによる微妙な癖があり独特な球筋になるラバーだと思いました。
しかしEL-Sの打球感や球筋はMX-Sほどの癖はなく、「P」シリーズにも似た正統派のスピン系テンションのものに近いと感じました。
中間硬度かつ気泡が大きいスポンジを搭載することにより使いやすさが大きく向上しているように感じました。
 
・ドライブ
シートのグリップ力が強く強烈な回転がかかります。
シートが硬い為、従来のミディアムスポンジを搭載したラバーよりもミートドライブはより強いインパクトで、しっかりとボールをラバーに食い込ませる必要がありますが、放たれたボールは強いドライブ回転がかかり非常に強力です。
擦るドライブはMX-S同様に高く弧線を描いた強烈な回転のドライブボールになります。
しかしMX-Sのような中国製粘着ラバーのような打ち方ではなく、正統派のスピン系テンションと同じ打ち方でドライブを打つことが可能です。
また好印象だったのはペンホルダーの裏面ドライブで強い回転がかかりながらもしっかりと食い込ませることで安定性も生まれるので非常に好印象でした。
また日本式ペンや異質ペンの裏ソフトは、フォアハンド、バックハンド、バック裏面、(珍しいですがフォア裏面)といった様々な技術を1枚の裏ソフトでカバーしなければならないのでラバー選びはとても難しいです。
しかしエボリューションEL-Sはフォアハンドでの強い回転とスピードを維持しながら、バックハンドや裏面での使いやすさを両立しているので非常にポテンシャルが高いラバーだと思いました。
例えるなら裏面やバックもやりやすくなったテナジー05といったところかなと思います。
テナジーの値上がりにより他メーカーのスピン系テンションラバーからポストテナジーを探すユーザーが増えました。
またそれに応える形でメーカーもスピン系テンション裏ソフトを続々とリリースしました。
しかしテナジーの牙城は簡単に崩れることはなく、その高い性能と並ぶラバーを見つけることは難しいと思われました。
エボリューションMX-Pはグリップ力は強く高性能なラバーではあるものの、発売されてからある程度の時間が経過しスピン系テンション裏ソフトの性能が全体的に向上したため、特に回転性能の面でMX-Pの性能が大きく優れているような印象は薄くなってきたように感じます。
またMX-SはMX-Pよりも強いスピンがかかり回転性能は高いものの中国性粘着ラバーのような独特の癖によって使い手の好みを選ぶ印象がありました。
しかしMX-Sのような回転性能を誇りながら、より使いやすいエボリューションEL-Sはポストテナジーとして自信を持っておすすめできるラバーだと思います。
個人的にはテナジー05のようなスピン系テンションの中でも特に回転性能が高いラバーを意識して開発されたラバーだと感じました。

・スマッシュ
シートがしっかりとボールを掴むことでスマッシュボールが非常にコントロールしやすいと感じました。
ミディアムスポンジを搭載したラバーはハードスポンジ
のラバーよりもスマッシュのテンポが少し遅れるような印象がありますが、エボリューションEL-Sは硬めのシートとやや軟らかめのスポンジを組み合わせることにより、ラバーが一瞬ボールを掴んですぐ投げるようなコントロールと威力を両立したスマッシュを打つことが可能です。

◆守備系技術
・ブロック
当てるだけのブロックは相手ボールの回転をもろに受けやすく注意が必要です。
相手の球威を上手く抑えることは可能なので、回転にさえ気を付ければ守備用ラケットとの組み合わせでも使えると思いました。

・カウンター
カウンターはMX-S同様に硬めで強い回転がかかるシートによって相手ボールを上回る威力で打ち返すことが可能です。
MX-Sよりも軟らかく打ちやすいので、安定性が上がりよりコントロール性能の高いカウンターを打つことが可能です。

・ロビング
MX-Sと同様により回転重視のスピン系テンションなので大きく下げられるとロビングで粘ることはあまり向いていないとい思います。
しかしMX-Sのような中国ラバーに似た飛距離の出しにくさではなく、あくまでもテナジー05などのスピン系テンションとしての難しさなのでそこまでロビングがシビアになることはないです。
下げられても飛距離が出せる分MX-SよりもEL-Sの方がカバーできる範囲が広いと思います。

・カット
MX-Sはほぼ粘着ラバーでのカットに近いものがありましたが、EL-Sはスピン系テンションラバーと中国製粘着ラバーの中間のような打球感です。
テナジー64などのややスピード重視のスピン系テンションではカットが難しく、テナジー05のような回転重視のスピン系テンションでのカットが適している方におすすめです。
特にカットマンの裏ソフトラバーはカットと攻撃の両方をカバーする必要があるのでラバー選びは慎重になります。
エボリューションEL-Sはカットが良く切れ、相手のボールの勢いを抑えることが可能です。
中国製粘着ラバーではなくあくまでスピン系テンションを使うカットマンに適していると思います。
◆台上系、サーブ、レシーブ
・ストップ、ツッツキ
ガッツリと切れたツッツキはそれだけで相手のミスを誘うことができるほど強力な回転がかかります。
ストップも止めやすいので、ツッツキとストップに関してはMX-Sのように中国ラバーに似ていると感じました。

・ショート、プッシュ
食い込ませることによりボールをしっかり掴んで打つことが可能です。
弱いインパクトだとMX-Sのようにボールを落とすことはないものの、棒球になってしまい相手に打ち込まれてしまいます。
素早いスイングで強くインパクトすることを心がけたいです。

・フリック、チキータ
ラバーの引っかかりが強いのでフリックは思った以上にコントロールがしやすく安定性が高いです。
チキータはテナジー05やラザントパワーグリップに並ぶほど強い回転がかかり非常に強力です。
相手の姿勢を大きく崩し台上からのゲームの主導権を握ることが可能です。

・サーブ
サーブは粘着ラバーやテナジー05のような回転重視のスピン系テンションと同様に回転がかけやすく尚且つ強くかかるので、光る性能の1つだと思います。
ロングサーブはややインパクトの強さが求められますが
スピードも出るのでとても強力です。

・レシーブ
台上でのプレーはMX-SよりもEL-Sの方が安定性が高くミスが少ないです。
特にツッツキとチキータはかなり強い回転がかかりそれだけで得点することが可能です。
台上レシーブからの4球目攻撃への流れが一番やりやすいと感じました。

◆おすすめプレーヤー・ラケット構成
ポストテナジー05を探している方におすすめできるラバーだと思います。
MX-Sは高い回転性能を誇る反面、独特の癖があり正統派スピン系テンションというよりも中国製粘着ラバーに近い打球感で使い手を選びました。 
しかしEL-SはMX-Sのような高い回転性能を誇りながらも安定性がプラスされ、癖もそこまで気にならないのでテナジー05やラザントパワーグリップのような正統派スピン系テンションとして多くの方におすすめできるラバーだと思います。

◆まとめ
エボリューションシリーズの「S」シリーズの新作は回転重視ながらMX-Sの癖や独特の打球感を軽減し、より万人受けするラバーだと思います。
MX-Sが中国ラバーならEL-Sはテナジー05を意識したラバーだと感じました。
「TIBHARのラバーってあまり慣れない。」
「バタフライのラバーじゃなければ不安。」
「テナジーほど回転はかからなさそう」
こういった先入観を捨て、新しい選択肢を試すことがポストテナジーまでの第一歩だと思います。
他メーカーのスピン系テンションの性能の底上げを実感しました。