ヘルキャット













投稿者:ぬりかべ
der-materialspezialist社 HELLCAT(黒・OX)
 ※幻守L中国式(裏面は太陽PRO極薄ブルースポンジ)

1.ざくっとレビュー
 粒高と表ソフト(変化系・スピード系)の性質を併せ持ち、攻撃時には弾み、守備時には低弾性になる、中〜上級者向け万能型変化系ラバー。

2.第一印象
 重量は、パッケージ込みで49g→カット前24g→カット後16g。大きめのラケットに貼っていることを考えると、一枚ラバーとしては標準的かやや軽めといえます(別の変化系のOXは、普通の中国式に貼って18gでした)。
 粒の形状は太めの円柱+台形。台形部分はごくわずかで、粒の大きさは変化系表としてはやや大きめであるように思います。シートは硬めで太いため、ブロック時に粒が倒れることはまずないでしょう。球突きをしてみると思いのほか弾まず、ブロックがしやすそうな印象を受けました。

※以下の点数は、すべて「粒高として」の点数です。(HELLCATは表ではありますが…)
3.攻撃技術
 プッシュ 9点
 ドライブ 8.5点
 スマッシュ 9.5点
 球突きの段階では「あまり威力は出ないかな」と思っていたのですが、プッシュのスピードは抜群です。下回転に対して粒高と同じようにプッシュが打てるうえに、粒高と違って上回転に対して粒が倒れないため、ループドライブに対するカウンタープッシュも簡単に打てます。ナックルにも強く、「プッシュが打ちにくい」というボールがないのが大きな長所ですね。また、強く弾けば相手の回転を残して返るため、弾道の変化もまずまずです。
 ドライブでは、球離れは早いものの、シートの摩擦力が高いので、シートで擦る感覚のある人にはかなり打ちやすいかと思います。粒高と違って弾道がある程度弧線になるので、台から離れたり打点を落としたりしてもまずまず威力のあるボールが打てます。
 スマッシュに関しても抜群の性能を持っていますね。粒が硬くて変形しないので、板で打つ感じがあり、弾いて打つ選手にはかなり使いやすいかと思います。普通に打つと球質はどナックルになるのに、摩擦力があるので前進回転をかけて軌道を安定させることもできます。表ソフトほどのスピードはありませんが、粒高の球質のいやらしさと、表ソフトの安定感を併せ持っているように思います。

4.守備技術
 ブロック 8点
 ツッツキ 8点
 カット  8.5点
 ブロック時はかなり低弾性になります。ボールの発射角が粒高より高いので、粒と同じ感覚で打つとオーバーすることが多いのですが、粒の時よりも少し角度を抑えると粒とほぼ同じように入ります(10分程度の練習で慣れるレベルです)。当てるだけのブロックではボールが急激に失速して遅く短いボールになり、押すと高速ナックルで深いボールが入るため、ブロックの緩急は容易につけられます。カット性ショートはさほどかからず、粒高と同じようにネットミスをさせるのは難しいかともいますが、高速ナックルブロックとの併用でかなり効果を発揮します。そのため、練習相手は「ブロックが伸びたり止まったり、微妙にかかったりしてあわせづらい」とこぼしていました。ブロックで自分から変化をつけられるタイプがこのラバーを使うと、かなりいやらしい卓球ができそうです。ただ、当てるブロックだけでは、はじめのうちは通用しても球質に慣れられたらあっさり打ち返されるように思います。このラバーの真価を発揮させるには、ブロックを使い分ける技術があることが前提かと思います。
 ツッツキは、低弾性かつ回転の影響を受けにくいので極薄ラバーと同じ感覚で打つことができ、安定感は抜群です。回転量はさほどありません(粒高よりはかかります)が、粒の硬さの影響で「切る・切らない」のメリハリがつけやすく、さらにスピードも出せるので、ボールの速さと回転の変化で相手を揺さぶることができそうです。
 カットは自分は本職ではないのですが、打っていて「これはカットマンでも使えるのでは?」と思いチームのカットマンに使わせたところ、ボールのスピードや回転の影響を受けにくく、彼が「ラケットの真ん中に当てさえすれば返る」と言うほどに安定感がありました。また、(自分がカット打ちをしたのですが)弾道が低いうえに、切れる・切れないの変化がナチュラルに出ているため、たいへん打ちにくく感じました。彼は、HELLCATへの乗り換えを検討しています。
 守備技術に関しては、変化をつけにいかなければ「安定感があり、コントロールが良い」にとどまりますが、変化をつける技術のある選手が使うとものすごい性能を発揮しますね。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 台上技術 8.5点
 レシーブ 7.5点
 サーブ  7点
 粒高と比較すると粒が大きいぶん、当てるだけでは相手の回転の影響を若干受けやすく、レシーブ時には粒高よりラケット角度に気を付ける必要があります。しかし、弾けば回転の影響をほとんど無視でき、しかも相手の回転を少し残して返るので、安定感も変化も良好です。弱く打てば短く返せるので、コースと緩急で相手を揺さぶるタイプにはかなり使いやすいかと思います。
 台上技術では、抜群に良かったのがリフト。球離れが早いために相手の回転の影響をほとんど無視でき、サーブの回転を残して揺れたり落ちたり曲がったりと不規則な変化が出ます。極薄の打ちやすさと粒高の変化を併せ持っているように感じました。フリックでは、球離れの早さを生かして弾くと威力・安定感ともに高いように思いました。ストップは、ほとんど切れないものの低く短く抑えることができるので、プッシュやツッツキとの併用で威力を発揮しそうです。
 サーブの回転量は「変化系表としてはかかるが、スピード系表にはやや劣る」という程度ですが、スピードは出せるので、ツッツキと同様に速さと回転の変化で相手を惑わせてチャンスメイク、ということはできそうです。1試合で何本も出せるサーブではありませんが、試合終盤で使うと効果を発揮しそうです。

6.お勧め構成
 守備力が高いラバーではありますが、高速ナックルの威力や攻撃力の高さとのバランスを考えると、ある程度弾みのあるラケットに貼ると良いかと思います。極守よりは幻守や幻守Lとの相性がよさそうですね。高速ナックルの威力を高めるために、ローズウッドや和の極み(蒼・煉)と組み合わせても良いかと思います。自分から強い回転をかけられるラバーではないので、回転系テンションか粘着ラバーと合わせたいところです。

7.どんな人にお勧めか
 まずお勧めしたいのが、変化系表ユーザー。次に、攻撃もする粒高ユーザーですね。バック面が粒高あるいは表のカットマンが使っても良いともいます。
 コントロール性能が高く、相手の回転の影響を受けにくいため、初級者にも使いやすいとは思いますが、値段を考えるとあまりお勧めできません。自分から球質や緩急の変化をつけられる中級者以上が使って初めて真価を発揮するのではないかと思います。

8. 総合評価
 粒高ペンや守備重視のシェーク異質ならば、自分から変化をつけることができる中〜上級者であれば、8.5点をつけてよいかと思います。さらに積極的に攻撃を仕掛けるタイプであれば9〜9.5点をつけてよいでしょう。表や粒で切る技量を持っているカットマンも9点をつけてよいかと思います。
 粒ユーザーでもとことん切るタイプや粒の自然な変化に任せるタイプ、表ソフトユーザーでもスピードにこだわるタイプには7〜7.5点、粒や表の初級ユーザーには7点といったところでしょうか。

9. その他
 粒ユーザーのうち「攻撃力があり」「自分から変化をつけられる」中〜上級者、または変化系表ユーザーに向くとなると…使い手はけっこう限定されますね。
打ち始めたばかりの頃は安定感とプッシュスピード以外は特筆する性能を持っていないように感じましたが、色々と試してみたら「これはできない、やりにくい」という技術がありません。万能型なのですが、粒とも表とも分類できない、「優等生なのに変態的」なラバーです。このラバーを使いこなすためにもっと攻撃の練習をしよう、と思えるぐらい気に入りました。
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