インフィニティVPS-V








投稿者:バルサミコ
インフィニティVPS-V ST 
【自己紹介】
前回和の極み煉のレビューをしました。
今回は私が所有するラケットの中で「最強ラケット」と呼んでいるインフィニティVPS-Vについてレビューしていきます。

【かんたんレビュー】
バランスの取れた「かなり」弾む五枚合板。プレイスタイルとして弾きを多用するタイプで弾み、球持ちが欲しい方にオススメ。
弾性が強く、球持ちほどほどに弾道がするどいためラバーの相性を気にする必要がある。
弾道が低めのラバーを使う人にはおすすめし辛い。普段使ってて弾道が十分に確保できてる方でラバーを変えずに全体的に低めに変えたい方にオススメできる。
壊れやすいため、寿命が長いラケットとはいえない。ラケットの破損に神経質な方は購入を控えた方がいいかもしれない。

【詳細レビュー】
(概要)
中国若手の一番星ファンのモデルとされるのがインフィニティ。実際はグリップだけの付け替え…?なんて言われるけれども実際は高性能そのもの。
五枚合板ながら6.0mmと厚めの板厚、目が粗く手に吸い付くような太目のグリップながら平均重量は82g前半と軽めの設計。

○○○○使用時用具○○○○
R インフィニティVPS V ST
F NEOテンキョク3
B オメガVプロ
○○○○○○○○○○○○○

●フォア系技術(注目)
インフィニティ最大の特徴がフォア。中打から強打に至るまで「えっ?これ五枚?」と驚く程の弾みで弾いた時の球離れは十分に早く、その一方でかけた際の球持ちもまずまずあり使いやすい。
球離れの速さと弾性の高さから力を使わずとも楽々とボールを飛ばすことができる。というのも普段キョウヒョウユーザーである私がテンキョクと合わせているからか、弾いた時の飛距離にしろ、かけた時の飛距離にしろ放物線の頂点がネットよりもかなり後ろに行くためオーバーミスを連発する。しかし、放物線の弾道は決して高いというわけではなく、ごく一般的な程度からやや下くらいでかつスピーディーなボールが出る。最初は慣れずミスしたボールを眺めて感動してはいたものの基本的には鋭いボールを出せる。面に慣れてくれば台を刺すような鋭いボールを打つことは可能だった。
ドライブに関しての回転量はどうかといえばループに関しては適度な球持ちがありかけやすかったが、スピードドライブに関してはテンキョクだとラケットとラバー共に普段よりも球離れが早いせいか、勢いのあるボールは出せるが回転量の確保はできなかった。
試験的にキョウヒョウを貼った際の相性は絶妙であり、飛距離も台に収まる程度でスピードドライブもキョウヒョウの球持ちの高さから鋭く回転量のあるボールが出せた。ただ、テンキョクの時のようなスピードは出せなかったため一長一短か。キョウヒョウ時は多少没個性的になってしまったが、軽めで弱タッチの感覚がある意味では他のALC、五枚とは差別化できていたように感じる。
カウンターに関してはキョウヒョウ、テンキョクの両方においても弾きを意識すれば強いボールが出すことができた。また、弾きの良さからフラット系強打もやりやすい。
ブロックに関してもまた弾きの良さが生き、非常にやりやすい。低弾道よりの特性も相まって低く連打され辛いボールも出しやすかった。

●バック系技術
ほぼフォアと同じ評価であり弾きにしろかけるにしろ絶妙にやりやすいのだが、七枚合板ばりの弾み、弾道であるため、普通の五枚と思って買うと痛い目にあうかもしれない。
バックでフラットするとわかるが、他の五枚と比べると低弾道であるため、自分から低めのボールから展開をしやすい。他の弾性の高いラケットを使用した時よりも低いボールで相手を後手に追い込み展開の制圧がしやすく、またプッシュ系ブロックから先手に代わるような展開を作りやすい。ただ一点、非球持ち系のラケットの宿命であり天敵であるナックル系の深いボールに関しては、何気なく返すとネットにひっかかるケースが少なくなく、ナックルに対するかけ癖が必要。ただラケットが軽めなためかけやすくその弱点も多少は克服しやすいか。

●サーブ系
とりわけ目立った性能はなく、一般的である。普通のサーブは普通に出せる。
強いていうなら弾きが良いためロングサーブやスピードサーブは比較的しやすい。

●レシーブ系
弱いタッチであれば短く返せるためストップ、ツッツキ系の技術でやりづらさはないが特筆すべき性能はない。感覚の無い人が急にできるようになるといった性能ではない。
ただ弾き系の技術に関しては五枚合板にしては弾ける方であるためフリックはしやすかった。
 
●考察
このラケットと他のラケットを比べてこのラケットの売りと思える点は以下の通り。
・軽量の五枚合板
・五枚合板らしい球持ち
・五枚にしては弾ける
・五枚にしては、というよりALCより飛ぶ
・五枚にしては弾道が低い
こう並べてみるとわかるのだがどことなく七枚合板のような性能がある。
それ故に立ち位置としては五枚合板と七枚の間くらいか、という印象であるが、強いて他との優位性を上げるとするならば軽くて飛ぶ、という点か。実際打った感じとしてはティモボルALCよりも弾む。ただ弾むのだが、中打、軽打共に飛距離を抑えるのが簡単であり、アウター系と比べると台上系がやりやすいため実践的なラケットと評価できる。アウター系でありがちなストップが浮く、ツッツキが切れる前に飛んでいくといったことは比較的少ない。
昨今のWRM社のラケットや上級者のラケット選びでは単に弾むラケットよりも球持ちを重視したインナー系の素材ラケット、球持ち系七枚、弾む五枚などが候補に挙がってくるように思える。プラボールにおける球持ちのいいラケットが良いというのは言い換えればかけやすく球離れのタイミングが早くないということ。つまりは今の流行りは台上等もしやすい、いわば実践的なラケットとも言える。
試合に出てみていざ中高生と試合をすると、「一発の威力や対上回転の勝負には強いが、その高性能さ故に台上処理、ブロックが不安定でツッツキに対してドライブしかできない」タイプに限って扱いきれない素材系のハイエンドモデル使用者だったなんてことがざらにみられる。レベルとしては県大会出れてちょっと勝てる位のレベル以下だとは思うのだが、そういったレベルで性能が高いからといいものを持つとなると、実際に試合の六割を占めるような差し合いの場面でラケットの性能においてけぼりを食らい、失点するケースが増えてしまう。まず凄そうだからと素材系のラケットを使うのではなくて、弾みにメリハリのある合板系ラケット(インフィニティや和の極み煉、またこれからWRM社で販売されるOSP社の木材合板ラケットetc)で感覚を磨いていった方が試合で勝てる選手になるであろう。そういう意味でもインフィニティはこれから上手くなるための登竜門としてオススメできる逸品である。
こう書くと良さげなラケットに見えてくるが、何度も書くようだが非常に弾むラケットである。最初に使えばいつもの感覚でフルスイングすればオーバーミスなり、弾道の低さからネットミスなり多発する。五枚でそういった感覚な為慣れることができなければフォームも崩れるし、ラケットに合うラバーも大分選ばなければならない。
またラケットの性能からして、自分の理想の卓球像としてボールの弾道を高くして一撃性のあるボールよりもチョリチョリしたいといった方には極めてオススメできない。
一発のある卓球、ボールの質を低くし緩急をつけたい等やりたい卓球のイメージがある方にお勧めしたい。

●●要注意●●
インフィニティは上板が極めて脆くできているため、すぐにはげる。ファインジップを使ってラバーを貼って剥がすだけでべろべろ木材が取れてくる。一度ぶつけただけでも相当に損傷しやすい。
スティガラケットにはよくニスを塗るようになんて言われているが塗らない限りは必ず壊れるのが宿命と思った方が良い。