和の極煉












投稿者:ぬりかべ

andro社 和の極み-煉- 中国式レビュー
 ※表面は、はじめはPREDATOR(黒OX)を使っていたのですが、途中からHELLCAT(黒、OX)に貼り替えました。裏面は輝龍(赤2.0mm)を使用しました。

1.ざくっとレビュー
 和の極み-蒼-と同じく「つかみ」と「弾み」を高いレベルで備えながらも、より弾みを強化した、攻撃選手向きラケット。

2.第一印象
 合板構成は、一番外がかなり薄く、その内側もやや薄め。真ん中の3枚は標準的な厚さですね。この構成が、7枚で6.7mmという薄さを実現しているのでしょう。外板が茶色、グリップが白でたいへんカッコいいデザインとなっています。生徒にラケットを見せたところ、次々に「先生、これちょうだい!」ととんでもないことを言ってきました。今までに新品のラケットを見せたことは何度もありますが、ここまで食いつきが良かったのは初めてです。『ラバーを貼るのがもったいない…』と思うほどの美しさです。
 ラケット重量は82g。ブレードの大きさは、定規で測ってみたところ158×150程度。一般的なシェークのブレードの大きさと同程度ですが、中国式のラケットとしてはやや小さめ。他社のラケットに比べると、グリップ付近のブレードがやや大きいように思います(卵型)。和の極み・蒼(以下『蒼』と記載)と比べると、約3〜4%ほど面積が小さい計算になります。ラバー重量は、輝龍(グリップから1.5cm離して貼っています)が40g、PREDATORが14gでした。
 球突きをすると「コン」と高い音が鳴り、よく弾みます。打球感は弾みのわりに軟らかく、つかむような感覚がありました。「自動的に跳んでいく」というよりも、「飛ばそうと思えばしっかり飛んでくれる」という印象を受けました。

※技術によっては粒のみ、裏のみ、粒裏両方で試打しています。
3.攻撃技術
 スマッシュ・プッシュ 9.5点(粒)8.5点(裏)
 ドライブ 9点(裏)
攻撃全般で感じたのは、
・初速が出るうえに、減速が少なく飛距離が出る。
・弾みが良いわりにつかむ感覚があるので、コントロール性能も高い。
ということ。「弾む」「つかむ」が高いレベルで両立しているように思いました。
粒でのプッシュやスマッシュでは高速ナックルが相手コートに深く入り、ここ一年で使ったラケットの中で決定率が最も高いように思いました。裏でのプッシュやスマッシュでは「つかむ」感じが出て自然と前進回転がかかり、低めのボールに対しても安定して入りました。初速に関しては特殊素材入りのラケットには劣るように感じましたが、純木ラケットとしてはかなり速い方かと思います。
ドライブでは、5枚合板と比べて弾道が直線的になるものの、スピードの割に回転がかかるので、威力・安定感ともにかなり高めです。使用ラバーの影響もありますが、面を開いてぶつけるように打つと「弾むのにつかむ」という特徴が強く出るように感じました。そのため、スピードドライブやシュートドライブの威力が高かったように思います。
 攻撃全般で感じたのですが、ブレードが小さめで重心が手元にあるぶん切り替えや戻りが速くなり、「一発の威力があるのに連打もしやすい」と感じました。攻撃に関しては穴のないラケットと言って良さそうです。

4.守備技術
 ブロック 7点(粒)・8.5点(裏)
 ツッツキ 7点(裏)
 カウンター 9点(裏)
 ブロックに関しては、粒・裏ともに相手のボールの勢いに押されず、カウンター気味のブロックがやりやすいように感じました。粒ではカット性ショートが難しいものの高速ナックルが出しやすく、裏では緩急はつけにくいもののやはりスピードのあるブロックができ、球質の変化よりも速いブロックで相手を振り回すタイプに向いているかと思います。裏ソフトでは特にやりづらさは感じませんでしたが、粒では弾みが良いぶんオーバーミスが多いように感じました。
 カウンターでは、相手の球威に押されず前進回転も自然とかかるので、角度とタイミングを合わせれば自然に入るように感じました。特殊素材ほどのスピードは出ないものの、安定感と威力が高いレベルでバランスが取れているように思います。
 ツッツキは、弾みの割にはコントロールしやすいものの、回転量がやや少ないように思いました(7枚合板としてはやりやすい部類に入ると思いますが)。ただ、ブロックと同様に相手の回転に押されることが少ないために安定した返球ができます。また、速いツッツキが出しやすいので、ツッツキの回転量でミスを誘うタイプよりも、ツッツキで相手を左右に揺さぶってチャンスボールを作る、というプレーに適しているように思います。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 サーブ 7.5点(裏)
 レシーブ 7.5点(粒)9点(裏)
 台上技術 8点(裏)
 サーブに関しては、弾みの割に回転をかけやすく特に横・上では十分な回転量のサーブが出せ、弾みの良さを生かしたロングサーブの威力は高めです。下回転もまずまずかかりますが、上や横に比べるとやや回転量が少ないようです。
レシーブに関しては、プッシュやフリックなどで攻撃的に返すと「ボールの勢いに押されない」という特徴が強く出て、安定して返ります。スピードも出るので、レシーブから積極的に攻撃をするタイプには、安定感・威力ともにそろったレシーブができます。当てるだけのレシーブでは「弾む」「球持ちが良い」が良くも悪くも影響し、相手のサーブの威力(回転・スピード)を受けやすく、コントロールが難しいように感じました。
 台上技術では、フリックは弾いてもかけても、相手ボールの回転はある程度打ち消せるような印象がありました。リフトに関しても同様で、台上攻撃は安定感・威力ともに好感触でした。ストップは短く抑えるのはやりやすいのですが、切れが今一つであるように感じました。

6.お勧め構成
 粒を貼るのであれば、GrassDtecsのような軟らかめのものよりも、SCYLLAやPREDATORのような硬めの粒高の方が合うように思います。HELLCATも扱いやすかったので、変化系表との相性も良いのではないでしょうか。
 裏ソフトは貼るラバーを選ばないと思いますが、「弾みが良い」「軽量」「回転を掛けやすい」ことを考えると、粘着ラバーとの相性は抜群に良さそうです。バック面に重めのラバーを貼っても振り切れるかと思います。
 攻撃選手なら 和の極み-煉- + F:粘着 + B:粘着or回転系テンション
 異質型なら  和の極み-煉- + F:粘着 + B:固めの粒or変化系表
がお勧めですね。

7.どんな人にお勧めか
 7枚合板で「弾みのわりに軽い」ので、粘着ラバーユーザーにはかなりお勧めです。重心が手元寄りで重さをあまり感じないため、ラケット重量に悩む選手(特に中ペンユーザー)には使ってほしいですね。また、弾みのわりに回転を掛けやすくコントロールも良いので、木材5枚合板では弾みが足りないが特殊素材系の弾みは苦手、という選手にもたいへん適していると思います。
 粒高ユーザーであれば、ブロックの切れ味で勝負するタイプよりも、切る切らないの変化で勝負するタイプや、高速ナックルでの攻守でチャンスをつくってフォアで決めるタイプに向いていそうですね。その点から考えると、ペンよりはシェークの異質型により向いているように思います。

8.総合評価
 粒ユーザーであれば、ブロック主体の選手は6〜7点、粒でチャンスメークをして攻撃する選手には8点といったところでしょうか。変化系表ユーザーなら8.5点をつけて良いと思います。
 攻撃選手であれば、8.5〜9.5点をつけて良いかと思います。特に粘着ラバーユーザーや、ラケットの重さで悩んでいる選手には9点以上といったところでしょうか。