ラザンターR50
















投稿者:ザーシー
ラザンターR50(andro)

◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
・使用ラバー
ラザンターR50 ULTRAMAX 赤

・使用ラケット
柳承敏G-MAX
吉田海偉
ワラック-CH
ガレイディアリボルバーR
和の極-蒼-ST
SK7-ST
ティモボルALC-ST
ワルドナーセンゾーカーボン-ST

◆第一印象
ラザンターR50はandroから発売されている裏ソフトラバーです。
以前書かせて頂いたラザンターR47のレビューにラザンターシリーズについての特徴などを書かせて頂いたのでそちらも読んで頂けますと幸いです。
ラザンターR47と同じようにラザンターR50ももちろん「UMテンションラバー」です。
androが提唱する新しいタイプのテンションラバーです。
またルール規定ギリギリの厚さ2.3mmまでスポンジを厚くした「ULTRAMAX」というスポンジの厚さ表記も新しい試みです。
さらにトップシートのグリップ力を強化し、加えてシートを薄く設計することでよりボールが食い込むようになりました。
スポンジは厚くシートは薄く、これがラザンターの大きな特徴です。
今回試打したラザンターR50はスピン重視のRタイプのシートに50°のハードスポンジを組み合わせた、ラザンターシリーズの中でも最もハードタイプのバリエーションです。
シートはR47と同じRタイプなので粒が太く間隔も狭い回転重視の設計です。
スポンジの硬さも合わさってラバー全体の触り心地が硬いです。
ハードヒッター仕様なのは試打する前から容易に想像がつきますが、前回試打したR47よりもR50は更に硬いので使いこなせるか少し不安になります。

◆攻撃系技術
・基本打ち
弱い力で打ってもボールの飛距離が出ます。
R47と比べてもR50の方が硬いのでその分ボールが飛びやすく感じます。
しかし近年のドイツ製スピンテンションラバーのハードタイプのバリエーションの中では制御のしやすさがダントツです。
弱い力でもボールが吹っ飛んでいくのですがしっかりと台の中にボールが収まりコースへのコントロールもやりやすいです。
何とも言葉には表しにくく感覚的なものかもしれませんが、これまでのドイツ製スピンテンションのハードタイプのようなボールの飛びとコントロールのバランスの悪さのようなものが大幅に解消されているように感じました。
スポンジが50°と硬くてもシートが薄くしっかりとボールが食い込むことで、掴んでから投げるようなイメージの打球になります。
R50と同じような弾道とスピードでここまでコントロール性能が高いラバーは恐らくないと思います。

・ドライブ
ボールがしっかりと食い込むので回転はかけやすいです。
ハードタイプのラバーはハインパクトが強くなければ回転がかけられずボトッとボールが落ちてしまうことがありました。
しかしラザンターR50はそこまで強いインパクトでなくてもボールが食い込むのでしっかりとドライブの回転がかかります。
ラザントパワーグリップは引っかかりが強く硬いラバーだったので粘着性ラバーのように擦るドライブに適したラバーの印象でしたが、ラザンターR50は同じハードタイプでもしっかりと食い込むのでミートドライブの方が適していると感じました。
弾道は安定性を保った山なりの弾道の中にボールの伸びが加わってバウンド後に大きく飛距離が出ます。
またパワーグリップよりもスピードと回転のバランスが良いので日本製スピンテンションに近い打球感だと思いました。
ドイツ製スピンテンションの中でもここまで日本製スピンテンション(ぶっちゃけるとテナジー)に近づいたものはかつてなかったと思います。

・スマッシュ
ハードタイプラバーならではのスポンジの弾きを生かした素早いスマッシュを打つことができます。
シートが薄く食い込みが良いのでボールを掴んでから弾くようなスマッシュになります。
シートで掴むことでコースへのコントロールを補いながら、硬くて厚いスポンジで一気に弾くまさに理想的なスマッシュと言えるでしょう。
ラザンターR50の攻撃性能は言うこと無しと言えば大袈裟かもしれませんが、それでも攻めの場面でのポテンシャルはかなり高いです。
 
◆守備系技術
・ブロック
意外にもラザンターR50は相手の回転にはやや鈍感な部分があり、当てるだけのブロックでも相手の回転の影響をあまり受けません。
その代わりに球持ちは悪く当たった瞬間ににボールが飛んでいきます。
スポンジが硬く厚いことで相手の回転の影響を受ける前にボールが離れていくような印象があります。
ラザンターR47は球持ちがよい分、当てるだけのブロックでは相手の回転の影響を受けやすいです。
R50とR47とでスポンジの少しの硬さの違いだけでここまで異なる性能が出たことは驚きです。
相手の回転の影響を受けない代わりに、打球後の弾みは自分のコントロールで補うといった具合のブロックになります。

・カウンター
相手の回転の影響を受けにくいのでR47よりもさらにカウンターは打ちやすくなりました。
またスポンジの硬さと厚さにより、放たれるボールもより威力を増しておりまさに理想的なカウンターで形勢逆転を狙うことが可能です。
前陣でのカウンターでも弾きを活かして威力のあるボールを打てます。
さながらテナジー25のようなカウンター性能で、25よりもコントロールがしやすくなった分、独特のいやらしさが物足りないですが十分強力です。
テナジー05と25の間でそこに若干のドイツ製の要素といったイメージです。

・ロビング
R50、R47両方に共通したことですがシートの食いこみが良くスポンジが弾力が強いのでボールの飛距離を出すことができます。
ラザントシリーズはパワーグリップなどのハードなものになればなるほど弾みは強いのですが食い込ませるのが難しく、ロビングでの粘りは厳しい場面がありました。
しかしラザンターシリーズはボールがよく食い込むので後陣での粘りの場面でも心強いです。
ペンホルダー(特に片面)はバック側でのロビングやフィッシュでの粘りがほぼ必須となってきているので、ラザンターシリーズの粘りを得意とする性能は嬉しい部分です。

・カット
R47同様にブチ切るカットでも飛距離がでるのでより後方でのカットに適しています。
しかしR50の方が硬いのでR47よりも飛距離は出にくく強い回転がかかります。
しかしパワーグリップなどに比べれば飛距離が出るので日本製スピンテンションでのカットに近い弾道と回転を備えたカットボールになります。
粘着性ラバーやVS>401のようなブチ切れカットを好む方にはやや弾み過ぎるように感じるかもしれませんが、ある程度下がってからカットを打つ方には適していると思います。
 
◆台上系、サーブ、レシーブ
・ストップ、ツッツキ
これまで飛距離が良い方向に働いていましたが、台上での技術は全体的にやや厳しい印象です。
ストップはかなり繊細なボールタッチで相手のボールの勢いを抑えないとポーンと跳ね返ってしまいます。
またツッツキも回転はかけやすいですが浮きやすいので
ストップ同様に勢いを殺す必要があります。
ハードタイプのラバーは硬さによる食いこみが悪さが、台上での勢いを殺すことに役立つことがあります。
しかしラザンターシリーズはシートが薄く設計されているので食い込んだ後に浮いてしまうことが多く注意が必要です。

・ショート、プッシュ
球持ちがよいのでショートやプッシュはミスが少なくやりやすいです。
コントロールもしやすく深いコースを狙って打ち込むことが可能です。
やはり擦る技術よりも食い込ませる技術の方が得意だと思いました。

・フリック、チキータ
粘着性ラバーやパワーグリップなどを使用していた方はボールが飛んでいくように感じるかもしれません。
弾みが良くなったので、ややラケットを被せ気味にボールをグイッと食い込ませてねじ込むようなスイングでフリックやチキータの回転をかけると、強く回転がかかりスピードも速いボールを台の中に打ち込むことが可能です。

・サーブ
通常の下回転でもやや不安定な印象を受けます。
やはりボールが浮きやすく回転をかける前にボールが飛び出してしまいます。
ボールをねじ込むように食い込ませるスイングで回転をかけると強い回転がかかった安定性のあるサーブを打つことができます。

・レシーブ
ツッツキやストップはやはり浮きやすく3球目を狙われやすいので厳しい部分があります。
チキータや台上ドライブなどボールを食い込ませて回転をかけるレシーブでは安定性と威力を両方できるので強力です。

◆おすすめプレーヤー
食い込ませて回転をかける技術が得意で回転と飛距離を活かして戦略を組み立てるプレーヤーにおすすめです。
シートが薄いのでボールが食いこみやすいので擦って回転をかけるよりも食いこませて回転をかけることに適しているラバーです。
またスポンジの弾みの強さによって飛距離が出るので、威力重視の攻撃技術でガンガン攻めるプレースタイルに適しています。
また後陣での粘りにも飛距離の出しやすさが役に立つので片面にのみラバーを貼ったペンホルダーの方にもおすすめしたいです。

◆まとめ
つい最近までスピン系テンションは引っかかりの強さや回転のかかり具合ばかりが重視されており、各メーカーがしのぎを削っていたように感じます。
しかしそんな時代も終わり、回転やグリップ力の強さに加えて飛距離や弾みなどの別の要素を両立させるラバーが増えてきているように感じます
今回のラザンターシリーズやUMテンションラバーというジャンルの登場によって市場がどのように影響を受けるか今から楽しみです。