アレス














投稿者:バルサミコ
[自己紹介]
  水星WRM特注から粘着ユーザーとなって今年で5年目。最近はキョウヒョウ3-50 37度のヘビーユーザー。複数枚購入し硬めの個体を試合用にチョイスした後、柔らかいのは練習用にというように硬めの3-50を好んで使っていた。
  理想のラバーはキョウヒョウ3-50と同等のスペックに、強打時ロスが無いくらいにもう少し硬くて、弾道のいじりやすさを足したようなラバー。それ故の3-50複数枚買いをする程にこだわりがある。

[レビューする商品名]
  アレスブルースポンジ

[使用環境]
  R 和の極み煉
  F アレス
  B ラザンターR47 UM

[はじめに]
  ぐっちぃ氏イチオシの粘着ラバー。大ヒット予告と言う割に抑え気味の販売数で手に取れなかったWRMユーザーも数多いのではないだろうか。そんな中私は発売時刻30分前からパソコンの前で正座して待ち、2枚入手した。
  私は、アレスの販促動画を見たとき、「まさにこれでは」と直感した。弧線の高さを売りにしていたが、なぜか「弧線が低く出るに違いない」という確信があった。
  「3-50の硬めが欲しい」そう思ってこのラバーを購入したわけだが、非常にそれっぽい。だがそれ以上にいい。
  次発売されたらもう3枚買おうと思う程にこのラバーの虜に。予約したい。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  何をするにも素晴らしいの一言に尽きる。フォア打ちの段階から明らかに弾む。無意識に打てば弧線は高く、伸びるような球筋。ただ弾むだけではない、長短・スピード変化共に付けやすい。そして何より打球感が硬い。感覚的にはキョウヒョウ3-50よりも硬い。「コンコン」というより「コッコッ」ていう感じに。もうここでレビューを終わっていい程。ただ素晴らしい。
  詳細に「この技術はこう」とかレビューする以前に、そもそもすべての技術がやりやすい。ベタベタシートで持っている感じがする割に、ブルースポンジで十分に弾みを担保できているからだろうか、ドライブをする際にスリップすることがなく、ストレスフリーに連打できる。これぞ私が求めていたもの。攻撃技術に文句のつけようがない。
  この「スリップせず、それでいて平均的に弾む」とした特徴はループドライブ、スピードドライブ、カウンタードライブ等、実践的な技術全てに通じる。打点を落とした時の安定感が高く、ボールを寄せてからのカウンターの威力が3-50時よりも増した。ぐっちい氏が動画内で「カウンターがしやすい」というように確かにやりやすい。前陣でのカウンターをメインに説明していたが、下がっても抜群に良い。
  そもそも私がフォアのラバーを選ぶ基準としてフォアストレートぶち抜きが安定して入るか、中陣でループドライブを安定してカウンターできるかの2つがあるのだが、どちらもアレスでは威力・安定性共に高くフォアに相応しいラバーと考える。NEO3では週1の練習で振れなくてぶち抜けずお蔵入り、3-50はぶち抜きでスポンジ負けすることがあるがバランスが良い為妥協して使用していた。こう見ればアレスは3-50の上位互換の意味合いが強いと考える。しかし、キョウヒョウと言えばキョウヒョウ特有のシートから繰り出されるドライブの回転変化を求めて使用する人が多いと思う。残念ながらキョウヒョウ程の癖玉は出ないが、それに準じる変化は出せる。独特な弧線の高い放物線を描きながら回転量十分にコート深くに刺さるループが打てる。しかし、スピード帯が全体的に早く、キョウヒョウ程の遅いループを出すことはできない。この辺は自分の理想とする卓球が何かによると思うが、粘着で早い卓球を目指すならばこのラバーの性能はベストと考える。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  SWORD社のテンション粘着で守備技術にやり辛さを感じたことがないのだが、このラバーにしても同様。ツッツキ、ブロック共に普通にやりやすい。フォアでぶっ飛ぶ割に強粘着であるせいか、前に振らなければ抑えが効く。ツッツキも低弾道でブチ切ることが容易で、キョウヒョウとあまり違和感がない。むしろキョウヒョウよりも回転の影響を受けづらく感じる。
  また、このラバーの意外な売りとして「フォアカットのしやすさ」が挙げられる。私はカットマンではないし、何なら下手な方なのだが、このラバーでカットをするとなぜか続けられる。流石に10本は続かないが、5〜6本は平気で続き、練習相手がツッツキでボトボト落とす場面も散見された。他のラバーであればいつも宇宙開発ホームランしているようなスイングなのに、抑えが効き低弾道で、普通に切れる。そこに味を占め、スイングの上半分でインパクト+あまり前に振らないことを意識すればさらに球筋が低く安定したカットを出せた。SWORD社のラバーとなると多少粒が切れるイメージがあり、怖くてあまりカットをしたくはないが、それを我慢してでもカットをしたくなるような性能。粘着ユーザーのカットマンでボールが浮きかちこまれて困っている人に対してこのラバーの適応があるかもしれない。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  これもあまり特筆すべきことはない。全てが普通にやりやすい。
  強いて言うならスピードを乗せる技術がやりやすいことから、頂点過ぎを狙ったレシーブドライブが台上含み安定すると感じた。
  サーブもドライブサーブがカチッとハマる感じがして、あまり感覚が無い人でもやりやすさを感じるかもしれない。

[おすすめな方]
  ここまで見てわかるようこれまでのテンション粘着で落ちることがあると感じた方は使ってみるべき。カウンターで落ちないし、ぶち抜きでもスポンジ負けせず、更にはスピードも乗るテンション粘着は現状これだけだろう。十分にハードヒットに耐えうる。
  しかし、このラバーで注意しなければならないのは誰しもが扱える代物ではない。
  ここまで良さを散々に書いてきたが、これはあくまで「粘着ユーザー」の目線として書いている。
  試打初日、感動した私はすぐさま後輩に打たせてみた。テンションユーザーや、粘着(キョウヒョウ3-50)にして5か月くらいの選手に打たせてみたのだ。しかし、全くもっていいボールが入らない。それどころかフォア打ちの段階からオーバーミス、ネットミスを多発し、ドライブをさせればホームランの連続。即座に「これ無理です」と断言された。
  彼らの打法は旧日本式の腰を回して後ろから前にインパクトする、いわば食い込ませるような打ち方だが、柔らかくて使いにくさを感じたらしい。あくまで粘着に適したフォーム、つまりは、体から離れた前の方でインパクトはせず、下→上のスイング中で弾き、かける感覚を調整するような打法でなければこのラバーを扱うことは困難だろう。
  少なからず「粘着超上級」のぐっちぃ氏がこのラバーを大絶賛し、粘着5年目の粘着中級の私が絶賛するこのラバーは粘着初級の方には向かない可能性が高い。
  「キョウヒョウで棒玉しか出ない」ような選手はこのラバーでも二の舞になるかもしれない。
  中国ラバーの打ち方を熟知し、スピード・ループを使いこなせる選手であればこのラバーを使いこなすことができるだろう。
  もし、粘着初級者でこのラバーが使いたい人はまずはWRM社から様々出ている粘着ビギナー向けラバーである同じSWORD社のMazeシリーズ、Breakシリーズや銀河社の水星2シリーズ等を使い、ぐっちぃ氏の様々ある動画で打法を学んでからが良いと思う。
  そうして「ハードヒットやカウンターをすると落ちる」とか、「ベタベタが無いと無理」と言う風に硬めのラバー欲求+粘着中毒症状を感じてからこのラバーを試してみた方がいい。「なんかよさそうだから」と粘着ビギナーが購入すれば大方、「かからない」「変に弾む」「オーバーミスしすぎて微妙」「硬いのに柔らかい」と無用の長物になりかねない。

[まとめ]
  粘着上級者ぐっちぃ氏による新提案「テンション粘着の穴を埋め、回転・スピード性能を両立させたテンション強粘着。」
  粘着に慣れた方だけがわかる尖った性能のラバー。WRMらしい選び抜かれた逸品である。
  粘着ユーザーで自分の卓球イメージと用具のキャラクターのイメージの解離で変なミスをしている方こそこのラバーを使ってみるべき。自分が思うような卓球が可能となるだろう。
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