アポロ5






















投稿者:ぬりかべ
銀河社「アポロ5 38度(黒,MAX)」レビュー
 ※Butterfly社コルベルCOのF面(B面はアタック8)で使用しました。

1. ざくっとレビュー
 「硬い・重い・めっちゃかかる」の粘着性ラバーらしさを強化し、弾みをプラスした回転重視の粘着性テンションラバー。

2.第一印象
 重量は、パッケージ込み88g→カット後55g。粘着ラバーとしても重い部類に入るかと思います。球突きをした印象では「カッチカチ」で、他の粘着性テンションと比べると弾みが若干少ないように思いました。表面の粘着性は微粘着よりは強く、強粘着よりは弱いという程度に感じました。

3.攻撃技術
 ドライブ 9.5点
 スマッシュ 7点
 カウンター 7点
 攻撃全般でいえることですが、手打ちではさほどスピードは出ず、威力のあるボールを出しにくいのですが、腰の回転を使って打つとテンションらしいスピードが出ます(ハードヒッターなら手打ちでも出るかもしれませんが)。
ドライブでは、強粘着ラバーと同等かそれ以上に摩擦力があり、擦るように打つとかなりの回転がかかります。今までに使用した粘着ラバーと比較しても、それらを上回る回転量かと思います。うちの選手(粘着ユーザー)に使わせても「このラバーの回転量、とんでもない」とのことでした。弾道は高めの弧線になり、安定感はかなり高め。バウンド後の伸びも大きく、弾道の変化+回転量で相手はかなり取りづらいようでした。ハードヒッターが使えば沈むドライブも打てるのではないでしょうか。スピードは、先述した通りぶっ飛び系の粘着性テンションと比べる出しにくいのですが、球突きの印象と比べると弾みがあり、スピードもまずまず。シートの引っ掛かりでボールを飛ばすタイプであれば十分なスピードが出せるのではないかと思います。なお、粘着ラバー特有の「面を開いてぶつけるように打つシュートドライブ」は、十分なスピードが出て大きく曲がるため、決定球として使えるかと思います。
 スマッシュに関しては、他の粘着性テンションと比べて今一つ飛距離が出ないように思います。そのぶん球質はマークが見えるようなどナックルにすることができ、強めに前進回転をかけて前に落とすこともできるので、スピードで押すよりもコントロールや球質の変化で勝負するタイプに向くように思いました。
 カウンターでは、ボールをラバーに食い込ませるのが難しく、軽く当てるだけでは棒球になりやすいと感じました。最近の粘着性テンションと比べると難易度が高いように思います。しかし、レシーブのところで後述している通り「上回転による上書き」がしやすく、体制を整えてスウィングすれば相手のボールの威力を抑えやすく、威力抜群のボールを出せます。簡単にまとめれば、難易度が高いが威力の上限も高い、というところでしょうか。

4.守備技術
 ブロック 7.5点
 ツッツキ 8.5点
 シートの引っ掛かりが良いため、ブロックでは相手の回転の影響を受けやすいように思います。ただし、ラバーの硬さを生かしてナックルにしたり、シートの摩擦力を生かして曲がるブロックや伸びるブロックにしたりと、変化はかなりつけやすいように思います。ブロックがしやすいラバーではありませんが、自分からブロックで変化をつけられるタイプには適しているかもしれませんね。
 ツッツキに関しては、粘着らしく切れ味は文句なし。スポンジの弾性を生かしてスピードのある深いツッツキを送ることもでき、「切れ」「スピードの変化」「長短のつけやすさ」が高いレベルで満たされているように思います。強いて難点をあげると、極薄ラバーと比べると若干浮きやすいことぐらいでしょうか。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 サーブ 9点
 レシーブ 8点
台上技術 8.5点
 サーブでは、ドライブのときと比べて弾みがおとなしくなります。そのため強く振ってもオーバーせず、かなり回転量のあるサーブを出すことができます。また、スポンジが硬いので薄く当てて擦ることができれば弾みをかなり抑えることができ、回転の強いショートサーブは出しやすいですね。特に、短い上回転や横回転は好感触でした(長さのわりに強い回転が出せます)。
 レシーブでは、ブロックと同様に相手の回転の影響を受けやすく、弾みが普通の粘着よりもあるため、角度を合わせるレシーブでは難易度が高いように思いました。しかし、粘着ラバーらしく回転を上書きするレシーブはやりやすく、特に上回転での上書き(ドライブやフリック)は好感触です。
 台上技術では、先述したようにフリックの安定感が非常に高く、ラケットの面を開いて打てば、ある程度回転を無視して入ります。スピードはあまり出る方ではありませんが、回転がかけやすいぶんコントロール性能と安定感はかなり高めです。ストップは通常の粘着よりは若干浮きやすいと思いましたが、これは慣れで修正できるレベルかと思います。

6.お勧め構成
 ラバーが硬いので、カチカチの特殊素材系よりも、しなりのあるラケットの方が合うかと思います。5枚合板やインナー系の特殊素材ラケットがよさそうですね。先日購入したエキスパートカーボンは確実に合うように思います。重さの関係から、B面は表ソフトや変化系、あるいは軟らかめのテンションラバーが良いかと思います。

7.どんな人にお勧めか
 粘着性テンションユーザーの中で「もっと回転がほしい」と考えている選手。あるいは非テンションの粘着ラバーを使っている選手の中で「もっとスピードがほしい」と考えている選手。
 十分な回転量とまずまずのスピードのあるボールが出せるので、シェークの異質型の選手の中でもフォアで決定打を打ちたい選手にはかなり向いているかと思います。
 ラバー自体の重さと硬さを考えると、シェーク裏裏の選手であれば、腕力に自信のある選手の方がより合っているように思います。

8.総合評価
 粘着ラバーユーザーであれば、8.5〜9点をつけて良いラバーだと思います。ペン粒の選手が裏面で使うには、厚さと重さの問題から7〜7.5点というところかと思いますが、バック面を粒や表(変化系含む)を使うシェーク異質型の選手にとっては、重さの問題がクリアできることと、回転量の変化が大きくなることを加味すると9点以上をつけて良いかと思います。

9.その他
 最近の粘着性テンションラバーは、粘着性ラバーの欠点を補った「テンション系に近い粘着ラバー」が多かったのに対し、アポロ5は「粘着ラバーらしさを強化したテンション」という感じでしょうか。尖った性能を持つ、WRMさんらしいラバーが出てきましたね。
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