ブラッドウッド









投稿者:バルサミコ
[自己紹介]
  新しいラバーは最近購入していませんが、ラケットを二本買いましたのでレビューしようと思います。
  インナー系ラケット初使用でのレビューですので、普段七枚合板や五枚合板を好んで使っている人が初めてインナー系を使った時の感想だということも加味した上での読んで頂けると幸いです。後輩のラケットを試打して一目ぼれして衝動買いしました。

[レビューする商品名]
  ブラッドウッド(ニッタク)

[使用環境]
  ラケット ブラッドウッド(ニッタク)
  フォア  アレス
  バック  テナジー05、エボリューションEL-S
  ボール  Jトップ

[はじめに]
  「ニッタクと言えばどんなラケットか」と聞かれれば多くの人がアコースティック、バイオリン等の弦楽器シリーズを一番に思い浮べるのではないだろうか。実際はそれ以外にも素材系ラケットで名品があるし、セプティア―なんかも初中級者向けの高コスパラケットだったりといいラケットを多く製造している。その中でもスウェーデン製のラケットを販売していて、アバロックスシリーズにコアなファンの熱視線が注がれていたりする。かくいう私はアバロックスシリーズを買ったことはないが、スウェーデン製のラケットは打感が硬くて好みであり、かつてインフィニティVPSVやスウェーデンエキストラを購入したことがある。
  今回レビューするブラッドウッドはスウェーデン製であり、アバロックスジャパンのホームページを見ると非常に似たり寄ったりのラケットを販売しているようで、おおよそアバロックスのOEMでないかと考えられる。
  ブラッドウッドの合板構成は5枚+2枚(極薄カーボン)であり、インナー素材系。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  まず基礎打ちの段階で気付くのが、打球感が非常にハードであること。これまでそこまでハードな打球感ではない和の極み煉を使用していたのもあり、手にコンコンとハードに響く感覚は久しぶりだった。手に響く感覚はラケットから響くというより直接手に響くかのようにずっしりとした感触で、ボールを持つ感覚をそのままの意味で感じられる。飛距離は素材系とは思えない程におとなしめだが、力を与えればそれなりに飛ぶマニュアル性能を持つ。弾道もこのラケットだからこうなる、という制限もなく、ただ思い描くようなボールを簡単に出すことができた。フラット系打法に関して言えばスピード、コントロール性能共に扱いやすい。感覚としては7枚合板や素材系というよりも五枚合板に近いと思えるほど、全てにおいて自分次第。自分次第にできるほどの球持ちを感じられる。
  ドライブをしてみると基礎打ち同様に球持ちが非常に良い。カウンター、スピードドライブなどなど全てイメージ通りにできる。だがその球持ちの良さが災いし、あまりに持ちすぎてオーバーミスすることが多々あった。アレスも球持ちがあるがNEO3など粘着が強めのラバー程球を持つわけではないが、ブラッドウッドと組み合わせるや否やぶっ飛び性能そのままにミスする程に球持ち性能を発揮した。テナジー05に関してもあまりに球持ちが良すぎて飛ばず、使いづらくて代わりに張ったEL-Sも球持ちが良すぎて使いこなせなかった。自分のイメージしたボールを安定して出すためには、自分がイメージに沿ったスイングをする必要があるが、7枚合板や素材系ならば球離れの速さから必要なスイングが小さくても遅くても住む。5枚合板よりのインナー系ということもあってか、そうした現実とイメージとの乖離をなかなか許してはくれない。こういう意味ではレベルの高い選手向けというラケットと言えるだろう。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  圧倒的な球持ち性能からストップやツッツキは収まりが良い。ブロックも安定していれることができる。しかし、どちらも球持ちがありすぎて普段和の極み煉のような弾きが良く弧線弾道が平均的に低いラケットを使っていたこともあり、全体的に浮きがちになった。弾道調整は簡単ながらも、インナー系素材に慣れていない人間がいきなり使って実践的なボールを送り続けられるかといえばそうでもない。守備技術にもやや慣れが必要。
  しかし、慣れが必要なくともこのラケットにおいては、カットがやりやすかった。アレスがカット向きな性能を持っていると以前レビューで書いたが、球持ちがあるラケットではそれが顕著。慣れなければ浮き気味になるが慣れてしまえば低いカットを引くのは簡単だった。回転量も組み合わせ的に十分。

[おすすめな方]
  スピン系テンションで球持ちを重視し、とにかくかけたい卓球が好みの方にオススメ。
  現代的なフラット系をベースにした卓球をするというよりも前陣で球持ちを生かし、回転量でアドを取る卓球をしたいタイプは是非。
  キョウヒョウ3-50やラザンターシリーズも試してみたが相性は悪くは無かった。

[まとめ]
  ブラッドウッドの特徴を3行で上げるなら
  ・非常にハードな打球感
  ・制御域の広いマニュアル性能
  ・圧倒的球持ち
  である。
  間違いなく初中級者よりも上級者が好むラケットであり、打球感にこだわりがあるタイプにはまず試して頂きたい。
  そして性能の高さから使いやすくミスもし辛いのが特徴、だがこれは上手い人に限った性能である。どこからどこまでも制御可能なマニュアル性能というのは裏を返せば運転技術が低ければ、簡単にエンストしてしまうということ。その人の一挙手一投足に依存してしまう部分が非常に大きい。練習では楽しく使えても試合となると使いづらく感じる方も多いかもしれない。
  インナー系全般の性能が「広い制御域のマニュアル性能」であるならば単に私が不慣れだった、という話に落ち着くのだろうが、もしそうでないならインナー初心者にはオススメしづらいラケットとなっている。
  同じインナー系でもリベルタシナジーを使用した際はマニュアル性能の高さを感じたものの打球感がマイルドであり、球持ちもここまで無く使いやすさを感じた。
  弾みの抑えめ7枚合板の球持ちで十分満足できている私には、ブラッドウッド程の性能は必要なく、リベルタシナジーの性能で十分だったと言える。

  以上からブラッドウッドの性能は間違いなく高い。それ故に使用者も相応の実力者、もしくは本当にその性能を欲する者に限られてしまうと考える。性能が高いが手放しにオススメしづらい逸品。腕に覚えのある方やラケット通の方に試してみてもらいたい。