水谷隼ZLC













投稿者:katsuo000
[自己紹介]
  卓球歴約20年以上。
  戦型:シェイクドライブ型
  フォア(F)面バック(B)面裏裏。
  主だった成績は残せず中高と県大会出場です。
[レビューする商品名]
  水谷隼ZLC ストレート(ST)(Butterfly製)以下水谷ZLCと略します。

  比較ラケットは
  ・フォルティウスFT ver.  D ST
  以下ver.  Dと略します。
  ・ティモボルスピリット ST
  以下ティモスピと略します。
[使用環境]
  ・水谷ZLC
  F面: 国チーム用キョウヒョウブルースポンジ厚さ2.2mm、39°、黒 以下国狂ブルスポと略します。
  B面: テナジー05 FX、特厚、赤

  ・ver. D
  F面: 省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ厚さ2.15mm、40°、黒 以下省狂NEO40ブルスポと略します。
  B面: テナジー05 FX、特厚、赤

  ・ティモスピ
  F面: 省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ厚さ2.15mm、39°、黒 以下省狂NEO39ブルスポと略します。
  B面: ロゼナ、厚、赤
[はじめに]
  1. 紹介
  日本男子のエース、水谷隼選手が選んだラケット。リオ五輪で団体銀、個人銅の偉業を成し遂げ歴史に名前を刻んだ水谷隼のギア。木材構成、誰か教えてください。どうやら上板にリンバ、芯材には桐が使われているらしいてす。確かに、上板にリンバを使うフォルティウスFTや、ver. Dのように上板柔らか目な打感で、サイドを見たら上板に近いところに特殊素材ZLCが配置されていて、アウター系だとわかります。いわゆるぶっ飛びラケットです。
  ちなみに、水谷隼選手は2018年全日本時、水谷ZLCから、特注のALCラケットに変更したようです(バタフライのホームページで確認しました)。インナーかアウターか、木材構成など、今のところ不明です。根拠はまったくありませんが試合の様子などから水谷ZLCの特殊素材のみALCに変更したアウター系ラケットではないかと推測しています。

  2. 打球感
  まずFでの打球感ですが、この水谷ZLCは上板は柔らかく木材系のラケットのように球を持ち上げやすいです。しかしその感覚を過信してはいけなくて、ver.  Dと比較すると球離れが早いので、ゆっくりしたインパクトやフォロースルーではミスを誘発します。よって使いこなすには必然的にクイックネスが要するのですが、逆に慣れてしまうとある程度安定感が得られます。また他のラケットでは絶対に満足出来ない安定した快速スピード性能を有します。自分は前後の動きが苦手ですので、後ろに下がっても威力のある強打が打てる水谷ZLCはかなり楽で気持ちの良いラケットです。

  続いてBですが、下回転に対するループドライブがやや難しく、ゆっくり回転をかけようとするとかけ切る前に球が離れてしまってオーバーミスが多発します。思い切りよく振り切ることの大切さを教えてくれるラケットです。強打は抜群に良くて、上手にインパクト出来ればスナップの力でも威力あるプッシュやミート、ドライブが打てる気持ちの良い反発力を感じます。
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  ○Fドライブ
  ・回転量
  ver. D > 水谷ZLC > ティモスピ
  かけやすさの順番です。どれもマックス値は高いです。水谷ZLCは確かに弾みますので回転をかけるのに、スイングスピードが必要ですが国狂と相まってもの凄い回転量のボールを打つことも可能です。
  ・スピード
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  水谷ZLCの強さ健在です。ver. Dを使うとボールが遅過ぎて打たれる気がしてしまうくらいです。水谷ZLCなら攻撃的で深いところに強力なボールが打てます。
  ・二速の変化
  ver. D > ティモスピ > 水谷ZLC
  変化はやはり、ver. Dですね。ただし、個人的には横の変化なら水谷ZLCでもかなり変化させられます。沈むボールはやはり、ボールに勢いがある分水谷ZLCには無いと思います。

  ○Fスマッシュ
  ・スピード
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  ・打ちやすさ
  ver. D > ティモスピ >水谷ZLC
  水谷ZLCはしなる分、芯に当てると思わぬ方向に飛ぶ可能性があってややコントロールが難しいイメージです。もちろん練習で補えるレベルです。

  ○Bドライブ
  ・回転量
  水谷ZLC > ver. D > ティモスピ
  回転のかけやすさで行くと、水谷ZLCが上に来ます。ver. Dはただ弧線が高くなっているだけにも感じます。自分はティモスピでBドライブできません。
  ・スピード
  水谷ZLC > ver. D > ティモスピ
  水谷ZLCはスピードが出ます。出るということは出ないようにも打てるのではないかと最近気づきました。感覚は必須ですが、そのようなドライブも可能です。
  ○Bスマッシュ(ミート)
  ・スピード
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  硬めのラバーの方がミートしやすいと感じましたが、スピードボールは威力満点でした。
  ・打ちやすさ
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  ver. Dは柔らか過ぎてダメでした。水谷ZLCやティモスピのように芯にカーボンが入っている方が自分は打ちやすいんだと思います。
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  ○F&Bブロック
  ・強弱の幅
  水谷ZLC ≧ ver. D > ティモスピ
  長短の幅なら、ver. Dの方が上だと思います。相手が打ってきたとこに手を出してカウンター気味に打ったり、楽にカウンターとなってしまうのは水谷ZLCですね。

  ・サイド回転
  ver. D > ティモスピ > 水谷ZLC
  サイドを捉えて曲げるブロックでは、やはり水谷ZLCでが難しいです。3つのラケットの中で水谷ZLCが一番薄くサイドを捉える必要ありですね。でもできないわけじゃないのが素晴らしい。

  ・カウンター
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  勝手にカウンターになるのが水谷ZLCです。まだ自分の腕ではカウンターを自分から打って安定させられないという面もありますが。上手な方ならカウンタードライブで安定すると思います。

  ・打ちやすさ
  ver. D > 水谷LC > ティモスピ
  打ちやすさはやはりver. D。板厚が一番あるので打ちやすいのだと思います。上板が柔らかいからなのでしょう、しっかり捉えて返す感じがあるので意外と水谷ZLCは打ちやすいです。ティモスピは硬すぎて、弾きすぎてオーバーミスが多かったです。

  ○F&Bツッツキ
  ・回転量
  ver. D > 水谷ZLC ≧ ティモスピ
  回転をかけてかつ台上におさめるにはver. Dが一番やりやすいです。カーボンが入っているとやはり気をつけないとぶっ飛びます。

  ・スピード
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  ナックル系のスピードのあるツッツキ、流し系のツッツキは水谷ZLCがいいです。これで点数取れるくらいいいです。

  ・浮きやすさ
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  やはりカーボン入りは浮きやすいです。

  ○F&Bカウンタードライブ
  ・回転量
  ver. D > 水谷ZLC > ティモスピ
  回転量はおそらくver. Dが高いです。相手のミスを誘えるくらいに回転量をかけ返せるのはver. Dですね。
  ・スピード
  水谷ZLC > ver. D > ティモスピ
  回転でなくスピードで打ちにくなら水谷ZLCです。それでいてしっかり引きつけて上書きするのも水谷ZLCはやりやすいので素晴らしいです。
  ・打ちやすさ
  ver. D > 水谷ZLC > ティモスピ
  ver. Dは何をするにも打ちやすいし回転量で得点できるのが魅力です。
[サーブ・レシーブ・台上技術]
  ○サーブ
  ・回転量
  ティモスピ ≧ ver. D ≧ 水谷ZLC
  ティモスピは全体的に硬いので回転をかけて2バウンドとしやすいです。ver. Dや水谷ZLCは上板が柔らかいので少し球が高くなってしまう印象持ちました。

  ○F&Bレシーブ
  ・回転量
  水谷ZLC > ver. D > ティモスピ
  ナックルやロングサーブなど、スピード系のサーブと下回転etcに対して、バランスよく対応できるのが水谷ZLCでした。特にナックルの処理は、ナックル返し、チキータ、頑張ればツッツキ、とどの技術もいける感触がありました。ナックルに対して、ver. Dでは回転をかけようとして持ち上げると、相手のチャンスボールになりかねないことが多かったです。F前もキョウヒョウを選択することでかなり安心感が出ました。ツッツキは浮かないし、払いもいけますね。

  ・スピード
  水谷ZLC > ティモスピ > ver. D
  スピードは水谷ZLCがいいです。今はまだ入れるのに精一杯ですが、引きつけと瞬間のインパクトが良くなってくれば安定してチキータで点数が取れる気がします。

  ○チキータ
  ・回転量
  水谷ZLC > ver. D > ティモスピ
  水谷ZLCと05FXの組み合わせはチキータのための組み合わせのように感じました。とても回転がかけやすいです。ver. Dだとラケットの芯に当てすぎてしまうことが多くて安定しなかったのですが、水谷ZLCだとなぜか安定しました。レシーブに安心感が生まれました。

  ・スピード
  水谷ZLC ≧ ティモスピ ≧ ver. D
  正直スピードのあるチキータは浮いたボールでないと怖くて打てませんが、浮いたら打てます。

  ・打ちやすさ
  水谷ZLC > ver. D > ティモスピ
  ある程度弾むので水谷ZLCを使うことで回転をかけることだけに集中できて打ちやすいですね。
[おすすめな方]
  ・過去にグルーを使用していた方。
  ・上板が柔らかくてグリップするラケットが好きな方。
  ・ALC系よりもスピードを求める方。
  ・フォルティウスFTの打感が好きな方。
  上記に当てはまる方は是非使用してみてほしいです。
  弾みが強いので、カチカチの粘着やテンションを貼ってしまうとかなり難しいです。柔らかめのラバーをあわせることで回転量と威力のバランスが素晴らしいものになると思います。
  回転をかける感覚をしっかり養っていないと、使いこなすにはかなり難しいです。購入後も球突きを積極的にして回転をかける感覚を意識することは大事だと思います。使いこなせばそれだけのリターンがあるのでぜひ挑戦してほしいです。

  ・カットマンの方
  ・初心者の方
  は回転をかける感覚があっても、球離れも早くスイングスピードやクイックネスが必須です。でも使いこなすことを目指すことはメリットもあると思いますので、是非挑戦してください。


  また自分もできていないのですが、水谷ZLCはスピードが出るラケットですが、だからといってスピードを出す必要はないです。テナジーのように同じようなボール、スピード、回転量、の打球をしていると相手に慣れられる可能性もあるので、カットマン以上に自分から様々な回転やスピードの変化をつけられる状態が真にこのラケットを使いこなした状態ではないかと思います。水谷選手は替えてしまいましたが名機であることは疑いようがないラケットです。
[まとめ]
  ・弾みと回転量 = 威力の高いレベルでの両立!
  ・ラリーの頼もしさ!
  ・ラケット重量86 gでかなり軽い!
[補足]
  ○回転量および回転の掛けやすさ
  水谷ZLCについてググると、よく板薄設計でしなって回転をかけやすい、と言う特徴の説明が散見されます。確かに回転はかけやすいです。他のぶっ飛びラケット(Tamuca5000カーボンをアウターに配置するSardiusとか)と比較すると、厚くぶち当ててもラケットのしなりでかなり回転がかかると感じました(比較が古いラケットですみません)。ただし、ver. Dと比較して、気をぬいていると回転のかかっていない棒球にもなりやすく、弧線を描かずにオーバーすることもあります。この辺りが水谷ZLCや、他のアウターZLCラケットが上級者向けラケットと称される理由だと思います。
  また水谷ZLCは確かに上板が柔らかいんですが、芯はガチガチに硬く、ver. Dの木材系の柔らかさと比較すると、回転をかけるのに技術を要します。自分のスイングに問題があるようで、ティモスピだとやや軽いドライブになりやすく、水谷ZLCやver. Dの方が重いボール≒回転量の豊富なボールが打てます。特にこの重いボールが打てるかどうかは自分の中で非常に大事なバロメータで、スイングした後にボールが付いてくるような感覚でドライブが繰り出せるラケットが好きです。ティモスピも使いやすいラケットですが、ティモスピ以上にver. Dや水谷ZLCの方が、自分の好きなボールが打てるラケットでした。

  ○ラバーの選択
  カーボン系の特殊素材の入っているラケットは総じて芯に硬さを感じます。そこでスポンジ硬度を選択しています。水谷ZLCやティモスピなどのアウター特殊素材ラケットには柔らかめのラバーをあわせるようにしています。一方、ver. Dは木材に近い打感で、柔らか過ぎるように感じるので、硬めでかつ弾むラバーをあわせるようにしています。
  その結果、ver. Dには省狂NEO40ブルスポが良く、水谷ZLCには弾みを抑えてより回転量を持たせるために国狂ブルスポを選択するに至りました。今後は省狂ブルスポも試したいと考えてます。