キョウヒョウ3ターボオレンジ











投稿者:バルサミコ
[自己紹介]
  勉強が忙しかったり各種技術の解剖学的考察に多くの時間が必要でなかなか用具レビュー出来ずにいました。
  久しぶりの用具レビューで拙い文章ではありますがよろしくお願いします。
[レビューする商品名]
  キョウヒョウプロ3ターボオレンジ
[使用環境]
  R:和の極み煉
  F:キョウヒョウプロ3ターボオレンジ
  B:アレスブルースポンジ
  球:ニッタクJトップ
[はじめに]
  みまちゃんが使っていたラバー。
  飛ぶキョウヒョウと言われているが実際は如何にと期待していた。
  「3-50みたいなもんだろう」と思いきや全く違ったベクトルのラバー。
  総評としては、よくある粘着テンションとは異なる性能で、硬くて食い込まない鉄板系。だが食い込ませた際の最高速が担保されており、中軽打共にややスピードが出しやすい。
  打球感としては非常にハード。
  ブラッドウッドにテナジー05を貼った時の感触に非常によく似ていて、やたらめったら持つ。だが、それほど弧線は出ず、小さい弧線を描く。
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  まずフラット系の基礎打ちをしてみると、弱い力だと本当に飛ばない。飛ばないが故にフラット系のカウンターはやりやすく、球持ちもある。それ故にかスマッシュは持ちすぎてし辛い印象が強い。
  ドライブすればいくら早く振ってもスポンジ負け、シート負けしない。この辺はキョウヒョウNEO3の性能に非常に似ている。ボールの弾道がNEO3よりも低く、相手にとって取り辛い球が出ている辺りが差別化できている点だろう。
  弾みに関しては比較的NEO3よりも良いくらいで、他の粘着テンションと比べても弾まない方。
  粘着が多少落ちたNEO3の方が私は飛ばしやすさを感じたが、どちらが飛ぶかは個人差が大きいかと思う。

  ドライブ時キョウヒョウ特有の癖玉が出づらいと言われているようだが、新品使用時は低くコントロールすれば簡単に癖玉が出た。
  そこでそもそも癖玉とは何かと考えてみたが、癖玉と言えば独特の弾道かつ回転量で「見慣れない弾道を描くボール」を意味することが多いだろう。ループドライブは高くて遅い方がいいとされる環境では、NEO3は豊富な回転量から独特な弧を描き癖玉の軌道を描くことが多かった。
  ターボオレンジはやや飛び、かつ低めな弧線の為、NEO3の感覚で高くて遅くて高回転を意識して打てばそうしたボールは出ず、癖玉の軌道は出しづらいだろう。
  であれば、他の癖玉の軌道を探すべき。例えば、低くて中程度のスピードのループなど。これは球足も早まり、弧線後半部も体感的に速く訪れるため癖玉と認識させやすい。実際打った側から見てもイレギュラーしているように見え、相手もブロックし辛そうにしていた。
  この意味ではキョウヒョウよりも全体的に球足が速く、低いボールを出しやすい性質のあるキョウヒョウプロ3ターボオレンジは、誰でも簡単に癖玉を出しやすいラバーと言ってもいいだろう。
  だが、遅くて取り辛いような癖玉はNEO3と比較して出しづらい。

  フォアにしろバックにしろ上記のような性能を感じたが、バックでの使用は難しく感じた。
  硬くて使いづらいし、球持ちが中途半端。NEO3の方がバックでは使いやすい印象。
  フォアで低いループから展開し、次のボールを低めにぶち抜く展開や、三球目を催促したり、フォアでループを触らせたボールをフラット気味にカウンターをする狙いでのフォアでの使用がこのラバーの性能を上手くいかせると考える。
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  どれもキョウヒョウらしい性能で特筆すべきことは無いが、全般的に言うなればスポンジが硬めなだけあって台へのおさまりがいい。
  短く切るストップや、低く抑えたブロックなんかはどちらもやりやすい印象。
  元々弾道が低い性質があるため、ある程度の面作りのミスは許容され、上からのぶち抜きの頻度もそこまで多くはないだろう。
  攻撃技術で書いたような、とりあえず低く繋いで、次のボールを狙う展開をしやすい。

[まとめ]
  適切な項目が無い為、まとめにてこのラバーの特長を書く。
  このラバーの特長として、ミート系打法の際のボールの飛びが直線的にならず、やや小さな弧線を描くことが挙げられる。
  粘着テンションであれば食い込ませた際の弾道は多少高くなり、オーバーミスはしやすい。
  だがこのラバーの場合、なかなか食い込まず、板で打っているような打感と共に弾道は低弾道のままとなる。これを良しとするも悪しとするもユーザー次第だが、敢えて私は特筆すべき良い点かと思う。
  他のレビュワーさんほど様々なラバーを使っているわけではないからかもしれないが、「小さく低い弧線を描きながらなかなか飛ばない性能のラバー」にはこれまで出会ったことが無い。新鮮な感覚だった。
  この特徴をもう少し掘り下げてみていく。
  基礎打ちを丁寧に見ていくと、グリップの高いシートのせいか弱上がかかったまま飛んでいくため、常に小さな弧線が描けることに気が付く。ミート系においてややオートマチックに回転がかかる他にはない稀有な性能。これの意味するところとしては、基本的にボールの回転も受けにくく、ネットより高いボールであれば何も考えずに殴りにいける。

  上記から、単に強く打つのならばNEO3よりも使いやすい。
  だが、ループに関しては攻撃技術全般に述べたよう、同じ打法でもNEO3とターボオレンジでは性質が変化する為に、自分の出したいボールのイメージや、その後の展開なんかも調節する必要がある。

  さて、ここまでこのラバーの良さを説明してはきたが、個人的には使いづらかった。軌道が独特でどうも気持ち悪かった。アレスの直線的な軌道に慣れてしまった今では小さな弧線を描くだけでも違和感を覚えた。
  しかし、このラバーは十分に強いラバー。性質を理解し、独特な性能に慣れることができたなら、高速卓球に寄ったキョウヒョウを使いこなすことができるかもしれない。
[補足]
  非常に感覚的な話を最後に。
  自身で様々なスイングやタッチで実験してみたり、後輩何人かに打たせたりして観察した。
  すると柔らかいタッチでドライブできない人の場合使いづらさを感じるよう。ドライブをする時にソフトタッチのままスイングスピードを上げると飛ぶ感覚があり、小さい打球音でスピードドライブを出せるタイプであれば、回転がかかりうねるようなボールを出せるよう。
  テンション粘着でテンションラバーの使い方をしているタイプではこのラバーの良さには気付けないところだろう。
  根っからのキョウヒョウユーザーもしくはテンション粘着ユーザーでもループドライブに対して台下まで打点を落としてからストレートにカウンターが打てる技術がある人ならばこのラバーでも満足いくスピードドライブを打てることかと思う。