エボリューションMX-P


















投稿者:くろかみ
[自己紹介]
  高1、中ペン裏裏、都1勝レベル。下半期もお世話になります。よろしくお願い致します。絶賛夏休み期間中で、練習量は1日8時間を週4とかなり多い状況です。試打も大幅に進めていく予定です。

[レビューする商品名]
  エボリューション MX-P  1.9mm
[使用環境]
  使用したラケット
  インナーフォースレイヤーzlc-cs

[はじめに]
  メーカー説明文↓
  『TIBHARプレイヤー達が選んだパーフェクトバランス』

  滑らない高性能トップシート
  弾性を高めるハードスポンジ
  確かな弧線と飛距離&スピードを実現

  MX-Pは中〜上級の選手がラバーに求めるニーズを全て備えています。グリップに富んだシートは、強く回転をかけられる掴む打球感。気泡の大きいハードスポンジは、打ち合いに負けないコシの強さ。台上から中・後陣まで、隙のないプレーを可能にします。
  そのポテンシャルの高さは、TIBHAR契約のトップ選手の多くが使用していることで証明されています。

  とあるように、サムソノフ選手をはじめとした多数のトップ選手から愛用されているラバーです。セルボール時代に発売されて今もなお安定した売り上げを誇りますが、その主たる要因はテナジーを意識していると思われる安定感とグリップ力にあると考えます。
  スポンジはとても大きな気泡を含んだレッドスポンジで、日本製スプリングスポンジに似た球持ちが特徴的でした。シートは、表面にうっすら微粘着を帯びていましたが正直不要かなと。曇り系で硬めですが、セル時代のラバーだけあってか特段硬いわけではありませんでした。
  重量は1.9mm厚中ペンサイズで47gと、かなり重たい方でした。特厚を使用する場合は他の用具に気を付ける必要がありますね。
  今回のレビューは、エボEL-S(以下EL-S)やテナジー80(以下80)との比較も交えながら解説していきます。
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0   基礎打ち、軽打
  評価されている球持ちと高い弧線が遺憾なく発揮されていました。ただ、硬いのと新品のときの微粘着のために軽打で落ちることもありました。打感は確かに日本製に近いのですが、ラバー全体というよりシートで掴んで持っていく感触が大きかったです。
  打感の硬さはEL-S>MX-P>80 という印象。

  1   ドライブ   9.0点
  最初は少し落ちると感じましたが、インパクトを意識して強めに擦ってみるとなかなかの回転量が出ました(エボPシリーズは共通して擦るにはコツがいるものが多いです)。EL-Sは簡単に擦れるので、ここはMX-Pの劣っている部分だと思います。逆に食い込ませた時はスピードは控えめですが威力の乗った球が行きやすく、弧線を生かしたうねるような球が出せると感じました。ループドライブも、他のドイツテンションやテナジーより沈むボールが出るのでカウンターしづらそうな球質になっていました。
  ・擦った時の回転量
  EL-S>MX-P≧80
  ・食い込ませた時の回転量
  80>MX-P>EL-S
  ・スピード
  80>MX-P>EL-S
  ・安定感
  80=MX-P>EL-S
  上記のデータに加えて特筆したいのが、“球持ちによって、ドライブの変化が非常に分かりづらい”点です。ナックルドライブも掛かっているドライブも双方やりやすく、単体での得点力がより上がっているように感じました。

  2   カウンター   7.5点
  引っかかりは良いのですが、弧線が高いため鋭く入ることがなく安定感もいまいちでした。ただスポンジが腰負けすることが無く、自分から振って返球できるのは良かったですね。

  3   スマッシュ、フラット系   8.5点
  ・やりやすさ&威力
  MX-P>80>EL-S
  地味に良かったところです。弧線が上がるので無神経に叩けたり、叩いたときにはあまりシートが回転の影響を受けなかったりするので、硬い割に安定感がありました。しかし打球感が篭り気味で、ターゲットGTのような爽快感が無いのが個人的に合わなかったです。
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1   ブロック   9.0点
  ・やりやすさ
  MX-P>>80>EL-S
  相手の球に敏感過ぎず、球を持って1度受け止める感触がかなり強いため、安定感が非常に高かったです。また伸ばすのも容易なため、自在性が高くカウンターで振っていくよりブロッキングゲームを展開した方が強いのではないかと思いました。

  2   ツッツキ   8.0点
  ・やりやすさ
  EL-S>MX-P>80
  食い込ませ気味に打つと上書きされて深く掛かったツッツキが出来ました。ターゲットGTやラクザに比べると飛びが抑えられてて擦り性能も若干上がっているため、最近使用したスピンテンションの中では好感触でした。

  3   カット   8.5点
  エボ Sシリーズがカットでも猛威を奮う中おすすめしづらいのですが、かなり回転量が出しやすく絶対値も高かったです。逆にナックルカットが出来なかったのですが、技術力のある方なら球持ちにより変化も分かりづらいですしカットに向いているのではないでしょうか?
[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1   サーブ   9.0点
  ・やりやすさ
  EL-S>MX-P>80
  ・回転量
  EL-S>MX-P=80
  エボシリーズの、サーブ時に回転を掛けている感触が伝わりやすいという強みが生かされていて、回転の絶対量は47度では中の上程度ですが、コントロールが特に良かったです。

  2   レシーブ   8.5点
  こちらも卒なくこなせるといった感じで、程よい敏感度によりコントロールよく返球の確実性がありました。

  3   ストップ   8.0点
  収まりがいいので、特段切れるわけではなかったものの、止めるのは容易な範囲内でした。

  4   フリック   8.5点
  弾いたり伸ばしたりと自在に操れるので、スピード感が足りないですがチャンスメイクには充分強い技術になると思いました。

  5   チキータ、台上ドライブ系   8.5点
  こちらも簡単に伸びを出せて、弧線を生かして台上から前に振っていける強みが現れていました。試打全体を通してバック面での安定感も光り、重量さえ問題無ければ両面でもいけると改めて感じる性能でした。

[おすすめな方]
  ラリータイプの中で、1球の重みや質に拘っていきたい方におすすめします。卒なくこなせる技術は多いのですが、無神経に擦ったり食い込ませたりすれば入るわけではなく多少の慣れが必要です。僕はエボの打感にどハマりして、現役生活の3分の2以上はエボを使用していますが、安定感が最大の継続理由です。慣れて安定するようになれば、MX-Pはその中で振って球威を出していけるラバーなので球質は高くなると思います。やはり合う合わないの要素が多いので、テナジー05に近いと言われていますが、個人的には05のように拘りを持たずにプレーできるラバーのポストを探すならターゲットGTやラクザなど別候補があるかなと思います。
  今回取り急ぎでインナーフォースレイヤーzlcのみで試打しましたが、この組み合わせはかなり良かったです。程よく打感が柔らかくなり、下がってもしなやかにプレーできるようになるなど、お互いのカバーが上手くなされていました。食い込ませて打てる硬さのカーボンラケットをおすすめしたいです。

[まとめ]
  「万能」という一言で片付けるには勿体ないラバーでした。ミートもドライブも台上も、セル時代のラバー並にそこそこの敏感度で卒なくこなせるのは確かなのですが、突出した球持ちを打球の変化に生かすこともでき、Pシリーズ特有の回転をかける感触の伝わりやすいシートとスポンジのバランスをコントロールに生かすこともできるので、使い道に幅がある分、初中級者層にはある程度拘りを持って使う必要があると感じます。
  ただ、EL-Sのように個性が尖りすぎている訳ではなく、日本向けに作られた打感は流石なので、ドイツ製の個性と日本製の安定の中間に位置する性能を求める方には1度手にとって欲しいなとも思います。