アンチスピード



















投稿者:ぐらたす
ANTI SPEE(2.0mm)[der materialspezialist]

1.ざくっとレビュー
「シート面のしっとり感」と「くいこむスピードスポンジ」が、本来のアンチ性能にナックル以外の回転性球質と攻撃的スピード性能を組み込んだような前代未聞のアンチラバー『前陣攻撃_両ハンドカウンター型専用アンチ』

2.第一印象
 2.0mm Red パッケージ重量85g  ラバー単体50g
 使用ラケット
 攻撃型特殊素材アウター(バタフライ製廃盤人気ラケット)
  カット前50g →  カット後38g(最近のアンチよりは重め)
 【参考】
  (ラケット)86g +(アポロ5) 50g +(ANTI SPEED) 38g + (接着剤) 4g = 178g

 シート表面は、裏ソフトラバーのような綺麗な光沢があり、アンチっぽい感じではない。触ってみると若干の引っ掛かりを感じた後に、やはり滑る。
髪の毛で、ラバーのキレ具合を確認する昭和世代の競技者なら、裏ソフトと誤解してしまうくらいの引っ掛かり。最近流行のディアボリックやトランスフォーマーのすべすべ感ではなく「しっとりアンチ」である。なんと、シート保護用のandro社の吸着シートが引っ付きます。
スポンジは明るいオレンジで、細かい気泡が有るような(無いような)andro社のテンションラバーっぽい。かなり柔らかく、それでいてテンションが強くかかっている。かなり弾みそうな雰囲気のアンチラバー・・・。
シートもスポンジも・・・なんか異様なアンチ。第一印象で「えっ」連発である。
玉突きでは、テンションラバーには及ばないがかなりの弾み。
シート面の僅かな引っ掛かりと強い弾みが性能的に予測不能である。

3.攻撃技術全般
(1)フラット(軽打・強打)
 軽打も強打共に押し出すようにスイングすると安定して返球できます。表ソフトと同じような打球感覚で「普通に」連打できる感じです。トランスフォーマーやディアボリックのように真下に落下させてしまうようなミスはありませんので、ある意味「普通に」表ソフトとか裏ソフトを使っているような感覚に近いと思います。
 強打ではスピードもかなり速く、球質がナックルなので相手のミスを誘いやすいと思います。
 ドライブ的な打ち方も「普通に」できるので、強打・ドライブを戦術的に打分けすれば攻撃的得点力は高いと思います。
単調な連続攻撃ではなく「強打orドライブ」・「ドライブor軽打」・「軽打or強打」と変化攻撃のバリエーションを駆使して得点するような戦略イメージになると思います。
◆フラット打法の評価(アンチとして)
安定性:9.5点
威力 :8.5点

(2)ドライブ
 ドライブも打ちやすいと既に(1)で書いているので、回転量について追記します。
ループ的なドライブもできますが、パワードライブで食い込ませるように打てば回転がかかります。シート表面の「しっとり感」で僅かにグリップするのですが、その回転量をスポンジが増幅させるイメージだと思います。一気に持っていくような速いスイングが必要です。タイミングと食い込ませの感覚が少し難しく、飛距離が合わないことが多いので、慣れるまで苦労しますが、「予想以上の回転量」だったり、まさかの「ドナックルドライブ」だったりするので、相手にとってかなり嫌らしい球質になると思います。ループ気味にもできるので、ラケット反転型にとっては大きな武器になりそうです。
◆ドライブの評価
(アンチでドライブ評価はしないと思いましたが、とりあえず)
安定性:8.0点
ドライブ変化度:7.0点

(3)カウンター
 カウンターの球質はすべてナックルです。アンチなのでほぼ相手回転の影響を受けませんが、ミートが弱いと相手回転を若干ですがくらう傾向にあります。
 カウンター時ののポイントは「強いミート」だと思います。相手ボール以上のスピードで返球するようなイメージで、戦術的予測から「強いミート」でカウンターしたい感じです。手首を固定して瞬間的に弾くミートで放たれるスピードナックルカウンターは破壊力・決定力共に高いと思います。(伸ばすカウンターではなく、スピードナックルカウンターでぶち抜くイメージ)
◆カウンターの評価
安定性:9.0点
スピード系威力:9.0点(スピード的決定力)
ナックル変化度:7.5点(変化的決定力)

4.守備技術全般
(1) カット
 個人的に、カット向きではないと思います。
粒高カットと比較した場合、弾みが強すぎると思います。(抑えが効かないような)
変化量も反転量も少ないので、ミス誘発が少ない感じがします。なんかその、普通の返球 しやすいナックルカットっていう感じで・・・。
アンチカットなら、ディアボリックの方が安定性・変化度、共に数段上だと思います。
◆評価は省略

(2)ブロック
 ブロック技術全般として、かなり扱いやすいと思います。
最近のすべすべ系アンチは、ラケット面を少しでも被せるとスリップして真下に落ちるイメージだったのですが、ANTI SPEEDは、「普通の」感覚というか、表ソフトとか裏ソフトの感覚に近い操作で可能です。アンチなので相手回転の影響はほぼほぼ受けないので安定感は抜群です。
特筆したいのは、相手強打に対して「スピードブロック」と「失速ブロック」がどちらもできること。これまでのアンチは失速系ブロックがメインで単調になりがちでしたが、ANTI SPEEDの高弾性並のスピードも出せるし、失速系の球足の短いブロックもできる。この点が特徴になると思います。「弾く」と「抜く」のコンビネーションで・・・。
ただ、テンションラバーのような伸ばすブロックにはならないので、スピードブロックを連発するような戦術ではなく、スピード系or 失速系のブロックを織り交ぜるような異質型特有の嫌らしい戦術で使いこなしたい感じです。
◆ブロックの評価は、安定性:9.0点
変化度:6.0点(ブロックだけでは変化は少ない。)

(3)ツッツキ
 これまでのアンチラバーなら「弾まない」&「すべる(回転、掛かるわけがない)」のイメージで、ある意味、球質を限定した返球しかできないはずでしたが。
ANTI SPEEDは、シート表面のしっとり感(僅かなひっかかり)と喰いこみやすいスピードスポンジで多彩なツッツキが可能です。
/い込ませれば微妙に切れる。しかも、「速くて直線的」「相手に時間を与えない。」
∋い譴丱淵奪ル気味の小さく止まるような球質
すべらせるように逆を突く際に、横回転を入れる予想外の球質
と、ここまで良い面を書きましたが、難点が・・・。ツッツキ的な技術が「ムズカシイ」
これもまた、シート表面のしっとり感(僅かなひっかかり)とスポンジによる変化を生み出すものなので、一概には言えませんが、切れたボールに対して「コスリにいく」か「食い込ませにいく」、「すべらせる」の選択肢が増える分、扱う側(選手側)の調整技術が必要となりムズカシイ・・・。私は慣れるまで時間を要しました。
例1:切れたツッツキに対して、食い込ませないで、コスリにいくと浮いてしまう。とか
例2:食い込ませる時と、すべらせる時の感覚が微妙でミスしやすい。とか
例3:切れたツッツキに対して、球足を短くしようとするが、長くなる。(長・短変化が創りにくい。)とか
(しつこいようですが、ツッツキだけがムズカシイ)
◆ツッツキの評価は、安定性:7.0点
変化度:7.0 〜 9.5点
 (使いこなせば、変化は大きな武器になりますが)

5.台上技術・サーブレシーブ全般
[台上技術・レシーブ]
 ツッツキ的なレシーブは、ムズカシイのですが、台上の攻撃的なレシーブは相手回転の影響を打ち消すように強いミートを活かした攻撃はかなり有用だと思います。また、スポンジに食い込ませるような回転系技術?「ナックルチキータ?」も新たなアンチ技術になると思います。
小さな台上技術としては、ストップも小さく止めやすく、良い感じで次の攻撃に繋げられそうな感じ。台上技術の操作性は良いと思います。
さて、「ムズカシイ」を連発しているツッツキも、意外性抜群の変化攻撃と言い換えることもできます。使いこなせれば大きな武器になります。
ただ、アンチとしての変化量は、すべすべ系アンチより確実に少ないので、変化は自分の技術で創る意識が必要だと思います。
◆台上・レシーブの評価は、安定性:8.5点
変化度:7.0 〜 9.5点(使いこなせば)

[サービス]
 これまでのアンチラバーは、ナックル以外の球質は出せず、スピードも遅く、打球音・球筋から容易にアンチサーブと予測できたため、サービスでは使えないものが多かったのですが。ANTI SPEEDのサーブはかなり有用だと思います。
横回転系サーブなんかは、食い込ませれば回転はかかるし、同じスイングから横系の振りをしたナックルサーブも可能。スピードも、速くも小さくも出せる。それでいて球筋にアンチサーブ感がまったく出ない。強烈な回転系(横上・横下)サーブを持つ選手であれば、ラケット反転した時の効果は「必殺技級」である。
◆サービスの評価は、総合力:9.0点(ラケ反転総合力)
(アンチですが、回転とスピード変化を創れる威力・変化の総合的評価は高いと思います。)

6.お奨めラケット・どんな人に
 攻撃的なアンチラバーなので、今回、攻撃型特殊素材アウターラケットで試打しました。結果して、正解だったと思います。スピード攻撃と失速系ブロック、反転性能ではない、別物の回転性変化を駆使して、攻撃的に攻めるラバーなので、守備的なラケットに貼る意味はないと思います。
戦術的に考えると、当然ですが、異質反転型の選手に合うと思います。前陣に張り付いて、カウンターやブロックで相手を振り回し、最終的には打ち抜いて勝つような選手に使ってほしいラバーだと思います。

7.総評
 これまでの、失速系(弾まない)アンチラバーとは逆次元の性能で、異質反転歴の長いテクニシャンが「面白い」と感じるような、今までの常識をぶち壊すアンチラバーだと思います。
 攻撃面では、高弾性なみのスピードでドライブ攻撃も可能。カウンター性能も高く、攻撃的操作性はバツグンであり、守備面では、アンチなのに反転性能ではなくラバーで切りにいけるラバー。スポンジで切りに行く感覚。滑らせればナックル。球質も多彩である。
 守備的変化ボールを送って、相手に全力強打をさせず、つなぎ強打に対して積極的にカウンターするような『前陣攻守_両ハンドカウンター型の専用アンチ』との位置づけになると思います。
これまでのアンチより、若干の難しさがありますので、初心者にはあまりお勧めしたくないラバーだと感じます。初心者が勝ち易いかと聞かれれば、答えは「それほどでもない。」かと。
 総合評価として点数をつけるとすれば、変化系攻撃用ラバーとしては[9点]以上だと思います。私自身、アンチは本職ではありませんが、これからも継続して使ってみたいラバーだと思っています。

(追)
 以前、ぐっちい選手がライブで話していた「足がなくなったら、これ(ANTI SPEED)だな。」というコメントにかなり同感です。年配の変化系競技者に人気が出るかもしれません。