ブルーストーム












投稿者:くろかみ
[自己紹介]
  高1、中ペン、都1勝レベル。運動の秋ということで、湿気もなくなり卓球がしやすい気候になりましたね。筆者は秋の大会期間中でメイン用具に固執しているため、現在メインで裏面に使用しているラバーを紹介したいと思います。

[レビューする商品名]
  ドニック   ブルーストームZ3   2.1mm

[使用環境]
  使用したラケット
  インナーフォースレイヤーZLC-CS
  トルネードキング(シェーク、友人所持)

  主にバック面での試打感想となります。

[はじめに]
  メーカー説明文↓
  FD3テンション技術は進化を遂げ、トップシートをより薄くすることでラバー全体の軽量化。回転+スピードを生み出す新設計のシートに、従来よりも0.1mm厚いソフトスポンジを合わせました。
  42.5度のソフトなスポンジは大きな気泡のスピード+コントロールバージョン。『ブルーストーム Z3』は柔らかく、威力ある連打や安定感を重視する選手にフィットします。

  ブルーストームZ3(以下ブルストZ3)は、説明文にある通り、2017年からのトレンドであるシート薄+スポンジ厚の構造で作られたラバーです。同系統の先駆者であるラザンター(アンドロ)はUM系と表現されているようですが、ここでは筆者はシート薄い系と呼びたいと思います。
  さて、開封してブルストZ3の外観を見ていくと、ドニックらしい鮮やかなブルースポンジがまず目を引きます。ラザンターよりは気泡が若干大きく粗いです。シートは曇り系で気泡のためかボコついていて、ラザンターよりも引っかかりと硬さを感じます。ここまでだけを見ても、ユーザー目線では尖っていたラザンターより従来のドイツテンションに近そうだということが察せます。
  重量は測り忘れましたが、振ったところ42.5度の中では平均的に感じました。全体では軽い方でしょう。
  また、今回のレビューは似た位置で打ったことのあるラザンターR42(以下R42)や、今まで使ってきたバックラバーとの比較もたまに交えながら書いていきたいと思います。(※7ソフト=ラクザ7ソフト、GT-M43=ターゲットプロGT-M43)
  ・引っかかり
  R42<マントラS≦7ソフト<ブルストZ3<GT-M43
  ・硬さ
  7ソフト<R42<マントラS<ブルストZ3<GT-M43

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0   基礎打ち、軽打
  硬度42.5度らしく軽打から食い込みと打球音が心地よかったです。一般層が感じるシート薄い系の良いところはやはり打感の軽快さだと思います。それでいて思ったよりシートが掴んで弧線が出てくれる。R42はベチャっと潰れるような感触がありましたが、ブルストZ3はもっとシャープでシートの主張を残しているのが従来のドイツテンションに近く、違和感を感じませんでした。
  今回はultra maxと言われる2.3mm厚ではなく、2.1mm厚を使用しましたが、R42の2.0mmより飛ばず球も遅かったです。球持ちは普通ですが、勝手にシートで球が上がるので安定しました。
  ・軽打での弧線
  マントラS<R42<ブルストZ3<7ソフト<GT-M43
  ・軽打でのスピード
  7ソフト<GT-M43<ブルストZ3<マントラS<R42

  1   ドライブ   8.5点
  食い込ませても擦っても同様にしっかり回転が掛かりました。確実に回転量はシート薄い系の軟ラバでは最高峰だと思います。シートが薄いんだけど少し硬いという絶妙なバランスのおかげで自在性が生まれ、色んな打ち方ができるのでしょう。42.5度の硬さ通りフォアで使うと流石にロスしましたが、バックではがっつり掛かるし掛けやすかったです。
  弧線は、軽打の際は上がっていたものの、ドライブになると意外に低く入るのが特徴的でした。また、擦るとあまり飛ばず浅く入りがちで、弾道自体は悪くはないのですが打ってて少し違和感がありました。一方で食い込ませたときは2.1mmらしい確かな弾みと伸びが合わさり自然な(癖のない)弾道になっていました。特に下回転打ちでは食い込ませて打った方が安定感があって良かったです。
  ちなみに、9/17のメーカー合同試打会にてブルストZ1を打つ機会がありました。ドライブを打ち込んだところ、低い弧線と硬い打感、食い込ませた時の強い飛びが特徴的で覚えています。ブルストZ3は尖った印象のあるZ1の打感をかなり柔らかく(大人しく)したけど最大値はそこまで落ちないという感じでした(伝わらない)。
  ・回転量
  マントラS<R42≦7ソフト<ブルストZ3<GT-M43
  ・連打性能
  マントラS<ブルストZ3=R42<7ソフト<GT-M43
  ・下回転打ちやりやすさ
  マントラS<R42<ブルストZ3<GT-M43<7ソフト
  ・飛距離
  7ソフト<マントラS<ブルストZ3<GT-M43<R42

  2   カウンター   7.5点
  このシート性能ならスポンジに硬さがあってほしいと切実に思ってしまうほど、打感のクリアさと引っかかりは十分でした。軟らかさのために飛ばされてしまうことがあるのが勿体ないです。掴んで掛け返す感覚が手に伝わってくるのが良かったですね。

  3   スマッシュ、フラット系   8.5点
  シート薄い系のラバーは総じてミートの評価が高いですが、ブルストも例に漏れず打感、打ちやすさ共にとても良かったです。少しシートに硬さがあるためラザンターや7ソフトほどは全体の一体感を感じませんが、自然に食い込んで伸びを生み出せるタイプでミートが楽でした。あとは、2.1mmにしたからかもしれませんがスピードがもう少し欲しいですかね。こうしてみると同じ流れに乗っただけに思われるラバーも会社によってテイストが結構違うことが分かります。

  ・やりやすさ
  GT-M43<7ソフト<ブルストZ3<R42<マントラS
  ・スピード
  7ソフト<GT-M43<ブルストZ3<マントラS<R42

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1   ブロック   8.0点
  これもかなり楽にできました。しかし、ラザンターのように無神経に当てるだけで低く深い球が入るのと比べると浮きがちで、軟ラバーとしてはシートの敏感さが少し気になりました。
  プッシュ気味に食い込ませて打つと、大きな弧線が出てオーバーが増えました。弾みは慣れですが、前陣でブロックで振り回していくには気を遣う必要があるでしょう。
  ・やりやすさ
  GT-M43<ブルストZ3<7ソフト<R42<マントラS

  2   ツッツキ   7.0点
  やはり飛び出しと軟らかさでポワンと浮き、鋭いツッツキはしづらかったです。R42に比べて食い込みが少ないので、掴んで上書きする能力も劣っている印象です。
  ・やりやすさ
  マントラS<ブルストZ3<GT-M43< R42<7ソフト

  3   カット   8.0点
  弾みますが感覚としては7ソフトに近く、食い込ませても擦っても自在にコントロールできる点で似ているなと感じました。柔らかめ好きな方には結構好みの打感かもしれません。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1   サーブ   8.0点
  42.5度の割に回転量はありました。シートで擦れて、球離れはやや早くても吹っ飛ばずに掛け切れましたね。またロングサーブもやりやすく、全体的に操作性が良かったです。
  ・回転量
  マントラS<R42<GT-M43<ブルストZ3<7ソフト
  ・コントロール
  R42<マントラS<ブルストZ3<GT-M43<7ソフト

  2   レシーブ   7.5点
  合わせてしまうとどうしても回転を食らったり飛び出したりと、シートの中途半端な硬さを感じるところがありました。軟ラバーの中では平均的なやりやすさでした。

  3   ストップ   7.0点
  前項に書いた通り合わせるとダメで、擦ることで短く止めることが可能となるような印象でした。
  ・やりやすさ
  R42<ブルストZ3<GT-M43<マントラS<7ソフト

  4   フリック   8.5点
  程よい球離れと食い込みで、思い通りの長さにコントロールできました。ただしスピードと決定力には欠けるように思います。
  ・やりやすさ
  7ソフト<GT-M43<ブルストZ3<R42<マントラS

  5   チキータ、台上ドライブ   8.5点
  シートで掴むように打つと想像以上の回転量で伸びました。引っかかりがいいので、しっかり弧線を作って台上に収まってくれます。台上技術全体的に振ると良さが発揮される印象で、R42が合わせても寛容な分絶対値は低かったのとは違いました。
  ・やりやすさ
  R42<7ソフト<マントラS<ブルストZ3<GT-M43

[おすすめな方]
  バック面で、ドライブをかけつつミートもしたい、つまり万能にこなしたいという幅広い層の方におすすめできます。球威は42.5度相応ですが、中陣まで行ける弾み(2.3mmだと結構飛ぶかも)とかけたときの切れ味は完成度が高いです。ヴェガやファスタークなど売れ筋のドイツテンションの食い込みを残しつつシートも程よく引っかかってくれるので、ワンランク上の絶対値でドライブもミートも安定してできます。正直尖っているところや出来の悪い項目が無くて説明しづらかったのですが、強いて向いていない人を挙げるなら、45度(中間硬度)以上の球威をバック面に求めている方やミートでスピードやナックル性を重視したい方には大人しく感じてしまい合わないかと思います。また、シート薄い系の流れでなんとなく購入すると、思ったより従来のドイツ製に近いテイストなのが気に入らない可能性もあるので要注意です。
  そして、皆さんお気づきでしょうか。今回筆者は4つのラバーを比較対象として出しましたが、ブルストZ3がほとんどの項目においてこのうちのマントラSとターゲットGT-M43の中間に位置しているのです。筆者は最近、ミートの強いマントラSとドライブが最高峰のGT-M43の間をとったバランス性能をバック面に求めていたため、ブルストZ3という選択肢はどんぴしゃでした。軽打でも強打でも自在に打てるのでメイン用具として重宝しています。
  合わせるラケットは基本選びませんが、インナーzlcのような食い込んで飛ぶブレードだとよりミートとドライブの全面性が増すと思います。

[まとめ]
  ドニックらしい高バランスなラバーでした。
  薄いシートと気泡スポンジの良さが合わさっていて操作性と打感が良く、打ってて気持ち良かったです。ラザンターの軟らかいタイプも楽に卓球出来るのですが、それとは系統が違い、スピードは抑えめで対下回転に強くなっていました。
  そして価格が素晴らしく、筆者が購入した際には\3000を切っていて、寿命など気にならない(1ヶ月使って引っかかり落ちてませんが)レベルの安さでした。シート薄い系のラバーは高価格帯のラザンターの失速もあり頭打ちになった感がありますが、ブルストZ3はこの性能でバック面の定番であるヴェガやファスタークを超える低価格ですから認知されていれば正直もう少し伸びてもいいと思います。レビューも少ないですし情報量が足りないですが、使ってみると軟テンションの中でトップクラスのラバーでした。是非使ってみて下さい。