クレア











投稿者:ぬりかべ

DARKER社 CREA(黒・OX)
 ※主にインナーシールドZLF中国式(特注 裏面はスーパーヴェンタス1.8mm)で使用。
初めは松下浩二ディフェンシブ中国式(PPK特注 裏面は太陽PRO極薄皮付き)で使用。

1.ざくっとレビュー
 「回転をかけやすいのに回転の影響を受けにくく、ナックルを出しやすい」「変化の幅が大きいのに安定感が抜群に高い」という相反する長所を併せ持ち、万能でありながら尖った性能を持つ、中〜上級者向き異質ラバー。

2.第一印象
 重量は、パッケージ込で37g→カット前27g(接着面の保護シートがついた状態)→19g。HELLCATあたりと比べるとやや重め(接着シートの影響かもしれませんね)。
 粒の形状はほぼ台形(円柱部分はごくわずか)。粒の大きさは、回転系として標準的かやや大きめかと思います。触った感じでは粒は柔らかく、スポンジがないこともあり、球突きをした感じでは弾みは抑え気味。ブロックやツッツキがやりやすそうな印象を受けました。

※以下の点数は、すべて「表として」の点数です。
3.攻撃技術
 プッシュ   8点(スピード6 安定感9.5 取りにくさ8.5)
 スマッシュ  8点(スピード6.5  安定感9 取りにくさ8.5)
 ドライブ   6.5点(スピード5 安定感7 球質の変化8)
 カウンター  7点(威力8 安定感6)
 攻撃技術でかなり好感触だったのが、何といってもプッシュ。スポンジがないので普通の表ソフトほどにはスピードが出ませんが、球離れが速く、強くはじくと球質がどナックルになり、かなり取りにくいボールが出ます。また、回転をかけやすいため弾道を弧線にしてとばすことができ、低いボールに対してもある程度スピードのあるボールで返すことができます。
 スマッシュもプッシュと同様ですが、強く弾けるぶん揺れが大きくなり、相手はかなり取りにくいようです。スポンジがないぶん飛距離は出ないかと思いましたが、1枚ラバーとは思えないぐらいに飛距離が出ます(スポンジ入りの表ソフトほどではありませんが)。
 ドライブでは、ボールを薄くとらえると回転がそこそこかかり、スピードが抑え気味になるので弾道は高めの弧線を描き、安定して入ります。ただし、回転量は「そこそこ」というレベルで決して多くはなく、回転量でチャンスボールを作るというよりも、タイミングをはずすのに使ったり、つなぎとして使ったり、という使い方が良いかと思います。ドライブの威力そのものは高くはありませんが、ちょっと厚く当てるだけで高速ナックルになるので、ドライブとの使い分けでかなり点が取れるかと思います。
 カウンターでは、プッシュやスマッシュなどのフラット系の打法を使うと、球離れの速さの影響から相手の回転をほぼ無視することができ、超高速ナックルとなってかなり取りにくそうなボールがとんでいきました。カウンタードライブは、「相手の回転を残してかなり取りにくいボールになるのでは」と思ったのですが、ボールが板にあたるような感覚があり、コントロールが難しいですね。ループドライブや浅いドライブをカウンタースマッシュやプッシュで返すのはやりやすいと感じましたが、低くて深いボールをカウンターで返すのは、スポンジのある表ソフトと比べると難しいと感じました。

4.守備技術
 ブロック 9.5点(安定感9.5 変化幅9.5)
 ツッツキ 7.5点(安定感9 切れ6 変化幅8)
 ブロック時は、(衝撃をスポンジで吸収できないぶん)ボールが「カーン」と跳んで行ってしまうかと思いきや、シートが衝撃を吸収するような感じがあり、かなりの低弾性です。ブロックによる前後の揺さぶりがかなりやりやすくなっています。普通に当てると、ボールに緩めの前進回転がかかって弧線を描いてとび、安定感は抜群。ちょっと強めに当てると高速ナックルに、粒高のカット性ショートのように当てると弱めの下回転がかかります。自分から球質や緩急の変化をつけられる技術があることが前提ですが、球質の変化でミスを誘うもよし、前後左右に揺さぶるもよし、安定感が抜群に高いうえに球質の変化がつけやすく、ブロックを武器にできるラバーだと思います。

 ツッツキでは、「板に当たってナックルになるのではないか」と思ったのですが、粒が柔らかく低弾性である影響で球持ちがよく、普通の回転系表ソフトに近い感覚でツッツくことができます。切れ味自体はネットミスを誘えるほどではないのですが、ツッツキが浮きにくく、まずまず回転がかかっているので、フラットで上から叩かれることは防げると思います。また、意図的に板に当てるように打つとナックルになり、「切る・切らない」の変化はかなりつけやすくなっています。ナックルツッツキでチャンスを作る、ツッツキを持ち上げさせてブロックやカウンターで仕留める、といった回転系表ソフトらしい得点パターンが使いやすいですね。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 レシーブ 8.5点(安定感9 威力8)
 台上技術 8.5点(安定感9 威力8)
 サーブ  5.5点
レシーブや台上技術では、粒が回転系の形状なのに相手の回転の影響を受けにくく、プッシュで強く弾けば横上と横下程度の差であればある程度無視して返せます。下回転ですら、バウンドの頂点をとらえれば粒高と同じような感覚で返すことができ、返球のしやすさは抜群。ボールのスピードがやたらとあるわけではありませんが、球離れが速いので相手はかなり取りにくいようです。ストップも短く低く収めることができ、台上攻撃を意識させといてストップ、というプレーがかなり効果的でした(その逆パターンも)。レシーブのフリックでは、強く当てると高速ナックルとなって飛びますが、弱めに当てると相手の回転を残して揺れる遅いボールとなり、インパクトの強さによる球質の差がかなり大きくなります。台上攻撃やレシーブ攻撃では、威力で勝負するタイプよりも緩急やコース、変化で勝負するタイプにかなり向いているように思います。
 サーブでは、下回転を出すと弾道は低く収まるものの、回転量はスポンジ入りの表ソフトほどはかかりません。しかし、ナックルサーブとの弾道の差が小さく、下回転とナックルの使い分けは相手からは見破りにくいようでした。一試合で何本も使えるサーブではありませんが、回転の変化でチャンスを作るには十分かと思います。

6.お勧め構成
 初めに使ったラケット(弾みはスローぐらい)では、球離れはやや遅めでしたがツッツキやドライブなど回転系の技術はスポンジ入りの表ソフトに近い回転量があり、回転量の変化をつけやすいと感じました。
 次に使ったラケットは(弾みはミッドぐらい)、ツッツキやドライブなどの回転量はスピード系表ソフト以上回転系表ソフト未満といった感じでしたが、ナックルボールの球離れやスピードが良く、1枚ラバーらしいいやらしさが全開、といった感じでした。
 回転量の変化を大きくしたいなら守備用ブレード、高速ナックルに回転量のあるボールをプラスしたいならミッド〜ミッドファースト程度のブレードに貼るのが良いと思います。

7.どんな人にお勧めか
 返球時の安定感が抜群に高いので初級者が使っても面白いラバーですが、裏ソフトのほどには回転が強く掛かるわけではなく、スピードもさほど出るわけでもなく、粒高のように当てるだけで変化が出るわけでもありません。ブロックのところでも述べたように、自分から球質や緩急の変化をつけることができる、中〜上級者が使って、初めて真価を発揮できるラバーだと思います。
 ペンであれば、表でツッツキやブロックを得点源とするタイプ、あるいはペン粒で積極的に攻撃するタイプにはうってつけかと思います。シェークであれば、バック表でブロックでの揺さぶりを得意とするタイプ、変化形表を貼っている選手。バック粒であれば粒でも強打できる選手にはかなり使いやすいかと思います。フォア表の選手に使わせても面白いかもしれませんね。
 遊びでペンカットをやってみましたが、カットがまずまず切れる中にナチュラルにナックルカットが混じり、相手はかなり打ちにくかったようです。カットマンに使わせても面白そうですね。

8.総合評価
 中上級者の、パワーではなくテクニックを駆使して点を取るタイプの表ソフトユーザーであれば9〜9.5点をつけてよいかと思います。いわゆる「おじさん卓球」タイプにはジャストフィットするのではないでしょうか(逆に、スピードやパワーで押していきたい選手にはお勧めできません)。
 ペン粒やシェークバック粒の選手でも、ブロックの切れ味で勝負するのではなく、前後左右の揺さぶりや緩急で勝負するタイプや、攻撃を多用するタイプが使っても8〜8.5点をつけてよいでしょう。

9.その他
 正直なところ、このラバーの真価を発揮しようと思ったら、「打法のバリエーションがある中〜上級者であること」「粒高または表ソフトユーザーであること」「パワーでなくテクニック重視であること」が重要になるので、つかい手がかなり限定されるなぁ、と思います。しかし、球質の変化がつけやすく、得点パターンが何通りもつくれるので、この条件にあてはまる選手が使うと、恐ろしいほどの威力を発揮しそうです。何でもできるけど変態的な性能を持つ、本当に面白いラバーですね。

CREA【DARKER】の詳細はこちら