ヘキサーパワーグリップ
















投稿者:くろかみ
[自己紹介]
  高1、中ペン裏裏、都1勝レベル。先月は投票して下さった皆様ありがとうございました。試合も終わり色々と用具が試せる時期になったので、今年ももうひと息頑張りたいと思います。
[レビューする商品名]
  アンドロ   ヘキサーパワーグリップ   2.1mm

[使用環境]
  使用したラケット
  インナーフォースレイヤーzlc
  馬林ソフトカーボン
  トレイバーcl
  ワルドナーcfz

  主にフォア面での使用となります。

[はじめに]
  メーカー説明文↓
  新基準のボールに対応させた新開発のトップシートと、最新テクノロジーを内蔵した硬度47.5°の大きな気泡のグリーンスポンジが高い弧線を描き、強烈なスピン性能と打ち負けないパワーを生み出す。
  あらゆる打球でも確実にボールを掴み、相手の打球を自分のエネルギーに変える。
  ヘキサーパワーグリップは、あなたのプレーにかつてない衝撃を与える。

  「ヘキサーパワーグリップ」は、アンドロ社から今年発売された低価格スピンテンションラバーです。説明文からも読み取れますが、アンドロ社は低価格をコンセプトにしつつ、性能は完全にハイエンド級のものを搭載したようです。
  開封すると、ラザントを思い出すあの独特の匂い、そしてヘキサーシリーズには初めてのグリーンスポンジが目を惹きました。シートは少し表面がギラギラしていて、引っかかりは他の47.5度のスピンテンションと遜色なかったです。スポンジはアンドロの統一感を感じるグリーン色、そして最近少なくなっている大きく粗い気泡タイプで、全体的に回転が掛けやすそうな雰囲気がありました。また、47.5度の割にスポンジに食い込みがあり、全体的にやや軟らかいかなと思いました。
  重量はインナーzlc中ペンフォア面膜付きで49gでした。シェークサイズに貼りたてだと49gほどでしょう。しっかり重量はあるようです。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0   基礎打ち、軽打
  軽打の時点で間違いなく扱いやすいことが分かりました。シートで強烈に掴んで上がるわけでもなく、スポンジが爽快に飛ばすわけでもないのですが、ラケット全面がスイートスポットなのかと疑ってしまうほど適度に食い込んで中弧線でずっと同じような球が飛んでいきました。勿論硬くて落ちることもなく、かと言って軟テンションのようにスパンとスポンジに抜けるような感触があるわけでもないということで、非常にバランスが良かったです。シートに引っ掛け気味に打ってみると、もっと硬いものには及びませんがしっかり掴み、球のスピードは抑えめでより弧線的になり、伸びが楽に生み出せました。

  1   ドライブ   8.5点
  アンドロ社が狙っている層がよく分かりました。まず、値段からは考えられないシートの掴みで落ちることがなく、46度ほどに感じる少し柔らかい打感により軽く振っても非常に安定した弧線で収まりました。弧線の高さで言ったらエボリューションに迫るものがあります。また、テナジーほどではありませんが勝手に前進回転が掛かって伸びていて、良い球を打っているように錯覚してしまうくらい補正の掛かった綺麗な弾道で入っていきました。5分くらい打った時点でとにかく第1印象は"楽"だと感じました。
  しっかり振っていくと、加えた力に対してスピードは応えてくれないようで、球がいまいち走らないものの、飛距離は他と遜色ありませんでした。また、筆者が球持ちが良すぎるエボを普段使っているのもありますが、球持ちは良い方ではないと感じました。よく言えば適度な持ち方で、かける前に飛んでいってしまったと思っても実際は充分掛かっている、という不思議な感覚がありました。少しテナジーやラクザXに似ているところですが、ヘキサーの方がよりコントロールしやすく打ちやすいですね。
  最大回転量は柔らかめということもあってか他のハイエンドには僅かに及びませんでした。しかし、受け手曰く「ミドルに詰まった(態勢が崩れた)ように見えても球が予想以上に伸びてきて押される」ことが強みになります。擦っても食い込ませても綺麗で、悪く言えば素直な弾道で伸びのあるボールが打てる、ラリー戦に強いラバーです。

  2   カウンター   8.0点
  シートで滑ることはありませんが、他の47.5度と比べるとスポンジが潰れる感じがして、鋭く引っ掛けて返球するのは難しかったです。一方でフラット気味に当てても暴発せずにコートに収まるため、威力を求めない場合前中陣で高い安定感を発揮しました。

  3   スマッシュ・フラット系   8.0点
  かなり打ちやすかったです。ドライブの時も感じましたが、若干オートマチックに球が伸び、球を持ちすぎることもないので感触が良いです。スピードが出ないのは気になりますが、他の硬いラバーにありがちなシートで弾いてしまう感覚がなく自在性が高いため、一発よりも安定感重視の使い方になるでしょう。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1   ブロック   8.0点
  思っていたより回転の影響を受けてしまう印象ですが、台への収まりは良かったです。そして、自動回転がかかるためプッシュしても被せ気味に打っても伸びが生まれるところが特徴的でした(好き嫌い分かれますが、筆者はブロックで相手を詰めることが容易になり有難い性能でした)。

  2   ツッツキ   8.5点
  切れる上にコントロールしやすく素晴らしかったです。シートのテンションが抑えられているためか、他のドイツ製と違ってナックルを処理する際に回転を作って浮かさずに切ることがしやすい点が特に良かったです。最大回転量はシートの硬い47.5度ラバーには及びませんでした。

  3   カット   7.0点
  切れ味も安定感も良好でした。しかし、カットは収まり攻撃は弾むという性能は持っておらず(カット:攻撃=8:2くらい)、深く持ってカットで粘りたい方に向いているでしょう。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1   サーブ   8.5点
  切れ味は他の47.5度ハイエンドと遜色ない上に、このラバーにしてからサーブが低く、短くなりました。また、回転をかけた時にどれくらいかけたか感触が手に伝わってくる点も優秀でした。これはエボなどシートのテンションが抑えられたラバーに共通する特徴で、筆者のようにサーブのコントロールを重視したい場合この類いのものを使うといいでしょう。

  2   レシーブ   8.5点
  シートの掴みが良く、先述しましたが球が浮きづらいのが心強かったです。ただし回転への敏感度は高いので合わせるだけでは難しかったです。

  3   ストップ   9.0点
  筆者は台上重視でメインのフォア面を厚にするほどだったのですが、ヘキサーパワグリなら特厚でも簡単に止まりました。このラバーは止めたいところで止まる弾まなさが終始気に入りました。

  4   フリック   8.0点
  球を持ちすぎないため比較的やりやすかったです。若干自動回転で伸びるので、素直な球になりがちでした。

  5   チキータ、台上ドライブ   8.0点
  引っかかって弧線が上がりやすく、またバックの弱いインパクトでも落ちない程度に柔らかめなので楽に伸ばして打てる印象でした。球威、回転量の最大値は他の47.5度には及びませんでした。

[おすすめな方]
  中高生の初中級者におすすめです。良くも悪くも癖がない(その割にはオートマで打球補正かかりますが)、全ての技術をそつなくこなしつつ球威も出せる優等生タイプのセミハードラバーです。他のレビュワーさん達と被る部分が多く中身が薄くて申し訳ないのですが、それくらい突出した部分はなくても卓球が楽になる地味な良作という位置になっています。筆者も自由度に救われた場面が多々ありました。
  47.5度を硬く感じている、コントロールを失わずに最大値を上げたい、低価格帯で最強クラスのものを使いたい、そのような方々にはまず手にとって欲しいですね。
  合わせるラケットについてですが、ヘキサーに癖がないためラケットの打球感や飛距離がもろに影響する感じでしたので、好みのもので良いかと思います。ちなみに筆者はトレイバーCI(アンドロ)と合わせたとき、食い込みを維持したまま程よい飛距離とドライブの伸びが非常によく、完璧な打球感を得られました。

[まとめ]
  既存の概念を覆す非常に完成度の高いラバーでした。ヘキサーパワグリはラザントグリップの角を取ったようなラバーと言われていましたが、まさにその通りでした。もったいないところですが、どうしても性能が高くても価格が安いだけでコントロール系や初級者向けだと思われてしまいがちで、売り出し方も難しい点が惜しいです。今回のレビューではカット以外全て8点以上の点数をつけました。筆者のレビューでは過去にほとんどないことです。逆に9点越えは少ないですが、ここまでバランスよく各項目がハイレベルにこなせるのも貴重な存在ですね。46度くらいに感じる程よい硬さは自然と食い込み、軽打でもかかる前進回転で相手を詰まらせてラリー戦に勝てる。一方で台上は短く収まる。スポンジの硬さ、強い弾みを求めない人にはうってつけのラバーでしょう。これから地味に売り上げを伸ばしていくか楽しみな良作が出てきました。
  P.S. 寿命は天然ゴム100%なこともあり、ラザントシリーズより長いと思います。価格からしたら十二分に長持ちしますね。