20190111_H4I5YB
投稿者:くろかみ
[自己紹介]
  高1、中ペン裏裏、都新人5回戦負け。期末試験も終わり、合宿前に用具を試しまくっています。文章を書く時間がなかなか取れませんね…。
[レビューする商品名]
  銀河   970XX-KLC
[使用環境]
  使用したラバー
  キングプロブルースポンジ
  エボリューションMX-P
  リズムP
  ラザンターR42
  ブルーストーム ビッグスラム
[はじめに]
  970XX-KLCは、WRMを通じて銀河から発売されているインナーカーボンラケットです。上板に染色板を使い、板厚を5.7mmに抑え、インナーにKLCというカーボンが入っています。奇抜なネーミングに似合わずいかにも優等生なスペックを有しているのですが、さらに軽いというのが大きな特徴です。シェークは平均重量81g、筆者が購入した中ペンは76gと、脅威的な軽さです。バルサ材を使っているわけでは無いのに、コンパクトブレードにしているわけでも無いのに、ここまで軽いと芯材がスカスカなのではないかなどと品質を疑うわけなのですが、見た感じ銀河製の中ではかなり作りが綺麗です。筆者はデザインと安さに惹かれて購入しましたが、性能も良さげなことに間違いはありません。筆者はインナーカーボンが好きなので、同じインナーである970XXの他にはない長所を今回の試打で見出せたらなと思います。
  比較対象 馬林ソフトカーボン(以下馬林SC)、インナーフォースレイヤーZLC(以下インナーZLC)、プロルーム(インナー繊維素材入り)
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0   基礎打ち、軽打
  やはり軽かったです。エボなどの重いスピン系テンションラバーを貼っているのですが、それでも重量は170g前後。振り抜きが良くなり、楽に飛ばせるなと感じました。球離れはやや早く、中芯で力を伝える感覚は薄いものの、不思議と弾みは確保されていました。
  軽打時の弾み
  プロルーム≦馬林SC<970XX=インナーZLC

  1   ドライブ   9.0点
  基礎打ちのときは軽いなと感じたのですが、いざドライブを振ってみるとスイングスピードは上がっていてもそこまで軽く感じませんでした。このラケットはシェークも中ペンも軽くするためにブレードサイズを小さくするということをしていません。特に中ペンはバタフライと同じ161×150mmの縦長サイズを採用しているので、軽いながらもしっかりと遠心力を感じることができるのです。そのため振ったときにしなりとパワーがあり、軽くても威力を出すことができました。また、上板の染色板が硬さが絶妙なので擦っても食い込ませてもドライブが棒球になりづらく、しなって回転がかけやすかったです。特に下回転打ちにおいて、軽く振っただけでも弧線を作って簡単に持ち上がるところが良かったです。
  KLCという素材は強打しても硬さや弾みがそこまで無く、弾みがインナーの中では均一な方で扱いやすかったです。逆に、インナーZLCのようなカーボンの剛性感は無く板も5.7mmと薄いため、しなりによるパワーロスも若干感じました。軽打では他と同じくらいの弾み方でしたが、強打時はインナーZLCには飛距離と威力で劣りました。パワーより回転で粘る、軽いことを生かして前中陣で両ハンドで打っていくようなスタイルならばかなり使い勝手は良いラケットだなと思いました。
  操作性
  馬林SC<インナーZLC≦970XX<プロルーム
  強打時の弾み
  プロルーム<馬林SC<970XX<インナーZLC
  回転量
  プロルーム<馬林SC≦インナーZLC=970XX
  スピード
  プロルーム<馬林SC<970XX<インナーZLC

  2   カウンター   8.0点
  ミートすると少し相手の打球を食らってしまい、想像より上方向に飛び出しがちでした。一方でかけ返すと簡単に擦れて台に収まり、丁度良い飛距離に落ち着く印象が強くなりました。軽さを生かして前中陣で待てるのがとても良いですね。

  3   スマッシュ・フラット系   8.0点
  インナーZLCよりは弾くものの、上板が硬すぎないためそこまで初速や弾きはありません。強打だと特に球持ちやしなりを感じ、芯がないような頼りなさもありました。
  やりやすさ
  馬林SC<インナーZLC<プロルーム≦970XX
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1   ブロック   8.0点
  やや押されますが、他のインナーよりは弾くおかげで比較的鈍感に返球できました。インナーZLCと同じ縦長サイズなのでスイートスポットも大きく、寛容度は高かったです。
  やりやすさ
  プロルーム<970XX<馬林SC<インナーZLC

  2   ツッツキ   9.5点
  WRMさんの紹介動画でもありましたが、上板で擦れて、また軽いから台上の反応が早くなるので打球に自在に変化をつけてツッツキできました。台上技術においてカーボンが入っていることは完全に忘れるほど硬め5枚合板のような感覚で打てます。

  3   カット   測定不能
  今回は検証してません。

  4   フィッシュ、ロビング   7.0点
  飛距離が伸びないので、普段インナーZLCで中陣でプレーする筆者がフィッシュを上げると浅く入りがちでした。
[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1   サーブ   9.0点
  擦れて弾みを抑えやすいので、短く回転のかかったサーブが出しやすくエースを量産できました。なかなかカーボンラケットでサーブ時に飛ばさず切れるものは貴重な存在です。
  コントロール
  インナーZLC=馬林SC<プロルーム<970XX 
  回転量
  プロルーム<インナーZLC<馬林SC<970XX

  2   レシーブ   8.5点
  台上技術はどれもやりやすく、軽さを生かしてバウンド直後を狙えたり手首を使えたりで、相手のどんな回転に対してもこちら側の調節で上書きしやすかったです。

  3   ストップ   9.5点
  めちゃくちゃ止まります。というか、ツッツキのつもりで打った球がストップになっていることが多く、自然と上板が回転をかけてブレーキをかけてくれる感じでした。

  4   フリック   8.0点
  台上技術は総じて硬い合板の感覚でやっていましたが、フリックではカーボンの剛性があった方がやりやすく感じました。

  5   チキータ、台上ドライブ系   9.0点
  前方向にスイングしても擦れて小さな山を描いて台に収まりました。インナーZLCほど簡単には食い込まない上に、軽くて手首が使いやすいので、台上で回転をかけたいと思ったときに実行しやすいのが強みですね。
[おすすめな方]
  WRMさんの紹介と同じような結論になりますが、軽くて前中陣で両ハンド振れる、回転がかけやすくて絶対値も多いラケットを求めている方におすすめします。ただ、WRMさんは現在インナー素材を使っている方に絞って話をされていましたが、筆者としてはそこまでインナーとしての特徴が濃くないので合板ユーザーでも十分気にいる性能だと考えています。特に台上技術は硬め5枚合板のように扱えて、ラリーはインナーらしく色々な打ち方に対応して伸びやかな球を打つことができる、でも薄くてしなるのでカーボンの硬さを感じない、そして軽くて振り切れる。色々詰め込んだ性能ですが実際は本格派には届かないところも多く、細かいところまで見ると安さを感じるところもあります。そのあたりの取捨選択をしつつ、1度手にとってほしいなと思います。
  合わせるラバーはやはり硬くて重いラバーがいいと思います。台上系を重視しつつラリーは振り切れるというところに注目して欲しいです。
[まとめ]
  可能性に満ちたラケットだなと改めて感じました。正直中芯が弱いような感触はあったので、パワーで攻めていくには物足りないかもしれません。現状でインナーZLCのような"扱いやすさと威力の両立はいいけどいかんせん重い"という位置にいるラケットから軽量化コースに乗り換えを考えている方にはマッチしますが、本格派として考えるのはまだ早いのかなと思います。ぱっと見で染色木材+インナーカーボンというキョウヒョウシリーズのようないかつい雰囲気がありますが、実際は着実にコートに収め回転で粘るコントロールラケットでした。銀河社が、WRMさんが、970XXを普遍モデルとして今後も販売して下さると嬉しいです。


970XX-KLC【銀河】詳細はこちら