20190418_下川本3

















投稿者:ぐらたす

1.ざくっとレビュー

まるで、卓球技術の向上や選手を勝利に導くための重要公式集のようです。

 卓球技術のテクニック的な記載は、あまり・・・。いや、ありません。
「疑問」「結論」「なぜ必要か」「どのようにすべきか」・・・。
など、指導者や選手にとって必要となる考え方を示しながら、考えることの重要さを教えてくれる。

〇一つひとつの言葉に「ちから」がある。
〇指導者が、まず考えるべきなのに、考えていない(であろう)内容を、多岐多数の項目に分けて解説
〇「なぜ必要なのか」の問いかけから「結論」までが、速く明確。
  迷い無し。見開きの両ページで、ひとつの「考え方」を明示
〇昭和世代の一部指導者の現状に適合しない部分を柔らかく削り取って、現代卓球の発展に向けて、総合的に確立した斬新な指導の考え方

こんな、卓球本、今まで無かったと思います。


2.感想
 言葉に「ちから」のある指導者からの教えは、ずっと心に残っていると思います。一生ものの「心の支え」として・・・。
そんな競技者はたくさんいるんじゃないでしょうか。

卓球というスポーツを続けるなかで、様々な人と関わり、たくさんの指導を受けて、考えながら、失敗を繰り返しながら、自分のプレースタイルを作り上げる。
「勝つために」指導者の言葉を胸に、自分のプレーに活かして。

指導にもいろいろなカタチがあって、チームの監督・コーチ、顧問の先生、クラブの指導者、スタッフ的な方から、近所の教え好きの愛好家まで。
子供が卓球部に入った瞬間、親は粗々俄か指導者になるし。(笑)

指導する人間の質というか、教え方が上手いとか、下手とか。選手時代の実績のある人とか、実績はそれほどでも・・・。とか、様々ですし、
名選手が必ずしも良い指導者とは言えないことも。(卓球に限った話ではないと思いますが)

何だかんだで、卓球の指導に関わりながら、指導方法も色々な指導者の影響を受け、また、選手との関わりの中で経験からたくさんのものを学んで、それぞれの指導者なりの考え方が作られていくのだと思います。

選手側も当然、経験を重ねていくのですが結果が出るまでは時間が必要だし。上達の早い選手もいれば、そうでない選手もいるわけで。
指導者側は、目の前で頑張っている選手を「最短で上達させたい。」「なんとか勝たせたい。」と思っても、なかなかうまくいかない。

●同じミスを繰り返す。
●同じ相手に何度も負ける。
●苦手な技術が、ずっと苦手だ。
●基本技術はできるが、逆を突かれたら何もできない。
●相手の逆を突くことができない。
●どうすれば、勝てるか考えることができない。
●「考えろ」と言われても、何を・どう考えればいいのか「分からない」
 ※キリがないくらい愚痴がでそうな・・・。

そんな選手を「なんとか勝たせたい。」
そう思うのが、指導者というか、指導畑の人間になるかと思います。

下川裕平著『卓球の教え方の教科書』には、上達させるために必要な考え方が「明確に」表現されていると感じます。

冒頭のざっくりレビューの再掲になりますが
 技術の細かい部分は、あまり・・・。いや、書いてありません。
「疑問」「結論」「なぜ必要か」「どのようにすべきか」・・・。
など、指導者や選手にとって必要となる考え方を示すと同時に、考えることの重要さを教えてくれる。
指導者としてのレベルが高い・低いとか、そんなの関係なく、卓球に携わるすべての指導畑の方々に『教え方の教科書』を読んで、感じてほしい。「どう考えるべきなのか」を

〇成果を出すために
 ・日頃からどうすれば良いのか。
 ・どう考えれば良いのか。
 ・どう進めていけばいいのか。
 ・どんな練習をしていけばいいのか。

そんな考え方がぎっしり詰まっています。

この本を読んだ人が、Xia論法の「ちから」を感じて、自分の言葉で教え子に伝えてほしい。選手の心に残してほしい。
教えること、伝えることは、決して簡単なことではありません。一つひとつの考え方を選手の心と体に刻んでいくイメージで。

将来の優秀な指導者になるであろう方々に、ぜひ読んでほしい一冊だと思います。


(ひとりごと)
動画全盛のなかで、書籍で出版するというXiaさんの男気に惚れちゃいそうです。
動画は、どちらかというと短期記憶的でキャッチーなイメージですが。
「活字」は、長期記憶的に心に残る。記憶にしっかり残る。著者の心のこもった「言葉(メッセージ)」はこれからの、新時代の指導者に語り継がれるだろうと思います。

私、その昔、藤井基男さんが執筆したカットマン本を多数読みました。カットマンの基本的な考え方や戦術がメインのものが主でしたが、そのほかにペンカットからシェークカットへ移行したときのご苦労話、元全日本チャンピオン成田静司さんから指導を受けたときの経験談(思ったこと・考えたこと)など。今でも心にしっかりと残っています。
プレーするうえで、心の支えになっていたことも沢山ありました。

さて、ここまでレビューを読んで、なんか「指導者向けだな」なんて思われている方が多いと思います。
しかしながら、中学生以上の選手が、覚悟を持って『教え方の教科書』と出会ったなら、Xiaさんの「ちから」のある言葉が伝わって実践できたなら、卓球への考え方が変わり、これからの卓球人生が拓けると思います。
(理論的に考えることは、卓球だけではなく、これから生きていくためにも大切なことですし)