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投稿者:ザーシー
[自己紹介]
  ・卓球歴 約15年
  ・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います

[レビューする商品名]
  張本智和インナーフォースALC-FL

[使用環境]
  ・使用ラバー
  ディグニクス05
  テナジー05
  テナジー05ハード
  ロゼナ
  キョウヒョウネオ3ターボブルー
  インパーシャルXB
  カールP-1R
  Grass D.tecS

  ・使用ラケット
  張本智和インナーフォースALC-FL

[はじめに]
  張本智和インナーフォースALCはバタフライから発売されている特殊素材ラケットです。
  若くして日本代表として活躍する張本選手が開発に携わり現在本人も使用しているラケットです。
  インナーフォースレイヤーALCがベースになっていてアリレートカーボンを内側に配置するなどの合板構成は同じです。
  異なる点としてブレードサイズを158×152mm(コルベルサイズ)に変更しスイートスポットを広げています。
  また張本選手仕様にデザインされた青いグリップが鮮やかな印象を与えます。
  平均重量が94gと重いのでプレーにどのような影響を与えるかも注目です。
  インナーフォースレイヤーALCはスピン重視のインナーフォースレイヤーALC.Sも存在し今回の張本智和インナーフォースALCの登場でバリエーションがさらに増えました。
  また今回のバタフライの新製品ラインナップではビスカリアの復刻発売もされており、同じアリレートカーボンラケットの元祖であるレジェンドモデルのビスカリアと、張本選手仕様の最新モデルが同時にラインナップされるという異例の状態となりました。
  今季新製品の中でも抜群の話題性のラケットの性能に注目です。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  張本ALCはインナー特殊素材なのでアウター特殊素材のビスカリアやティモボルALCの方が単純な弾みは強いです。
  しかしラケット自体が重いので相手のボールに打ち負けにくくしっかりスイングできるパワーがあれば相手の軽打、強打に構わずガンガン打ち込むことが可能です。
  また張本ALCはインナー配置で重たいという特徴から下がったときに飛距離が出しにくく感じました。
  下がった位置でのプレーではティモボルALCやビスカリアの方が飛距離が出しやすく適していると思います。
  また張本ALCもインナーフォースシリーズ共通のインナー配置による抜群の球持ちの良さを誇り、カーボンラケットでありながらテナジー05ハードなどの硬いラバーを貼ってもボールにしっかりと回転をかけることが可能です。
  ALC.Sの方が比較するとより回転量が多いドライブを打つことが可能ですが、張本ALCも球持ちが良いので回転かがかけやすく、強いスピンのドライブボールを打つことが可能です。
  またスイートスポットが広いのでラケットの広い面でボールをとらえることができ弾みと回転のバランスが良いドライブを安定して打つことが可能です。
  特に好印象だったのは台上バックドライブで相手の浅いボールをグッと持ち上げてちょうどネットを越える弾道の高さで飛んでいき、相手の台に突き刺さります。
  大きなラリーでのドライブの引き合いよりも、相手の台上を捉えたこちらの先制ドライブの得点率のほうが高く感じました。
  中〜後陣より下がると飛距離がネックになりますが、前〜中陣でドライブの連打を武器にプレーする選手には張本ALCは適していると思います。
  またインナー配置の球持ちの良さから、一瞬掴んで投げる感覚のスマッシュを打つことが可能です。
  レイヤーALCやALC.Sも掴む感覚がありますが、張本ALCは面が大きくスイートスポットが広いのでボールを捉えやすく、放たれたスマッシュボールにもスピードを出すことが可能です。
  また前陣でのドライブとスマッシュの打ち分けもスムーズでやりやすく、打球する位置によるドライブやスマッシュのやりにくさのようなものが気になりません。
  しかしネックは重さで相手の強打に打ち負けない力強さはあれど、スマッシュを何本も打つには相当のパワーとスイングスピードを必要とします。
  インナー配置で打球感を軟らげて球持ちを良くし、面を大きくしてスイートスポットを広げて、重量を重くしてパワーを向上させているという、まさに前陣でのプレーを想定したドライブ速攻向けにチューンナップされたアリレートカーボンラケットといった印象でした。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  ラケットの重量があるので相手のボールの勢いに押されにくく強気で相手の強打に向かっていけます。
  しかしラケットが重い分、操作性は悪いのでラケットを素早く動かして面を合わせる必要があります。
  またレイヤーALCよりもスイートスポットが広いので多少芯を外してもブロックで返球できる心強さがあります。
  特殊素材ラケットでありながら球持ちが良いのでツッツキはボールを鋭く切ることが可能です。
  また切れたボールを前後左右に振って狙い通りの位置にうつこともやりやすいです。
  カットはツッツキ同様に球持ちの良さから強い下回転をかけることが可能です。
  また攻撃用ラケットなのでカットラケットよりは弾むものの、レイヤーALCやティモボルALCよりも飛距離が出しにくく感じました。
  ALC.Sのような安定感もあまり感じられず無理に飛距離を出そうとしてあらぬ方向へカットが飛んでいってしまいます。
  中陣での凌ぎのカットは安定するものの、わざわざカットマンが使うラケットとしては張本ALCは向いていない印象でした。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  ラバーの引っ掛かりの良さを邪魔せずにサーブで多彩な回転をかけることが可能です。
  ティモボルALCやビスカリアなどのアウターアリレートカーボンは弾むので、初〜中級者がショートサーブで回転をかけることは難しいです。
  しかし張本ALCはインナー配置なので特殊素材の中ではサーブに回転がかけやすく、初めてアリレートカーボンラケット使用する方でも比較的サーブがやりやすいと思います。
  レシーブは前陣でのチキータが得点率が高くおすすめです。
  張本選手の特徴的なプレーでもあるチキータがやりやすいのはさすが選手モデルだなと感心しました。
  多少の回転の違いであれば早いスイングのチキータでねじ伏せることも可能です。
  ただ重量がかなりあるので操作性は悪く相手のサーブに合わせて素早くラケットを運ぶことが必要です。
  重さを抜きにすればサーブレシーブがやりやすい点は張本ALCの優れたポイントで初〜中級者には心強いと思いました。

[おすすめな方]
  アリレートカーボンラケットの使用を考えている方で前〜中陣でのプレーが主流の方におすすめです。
  大きく下がってドッカンドッカンとドライブや強打を打ち込むのではなく、前陣で素早くドライブや強打を連打する速攻プレーに適していると思います。
  またスイートスポットが広く打球の安定性が高いのもポイントです。
  張本ALCは前〜中陣、レイヤーALCは中陣、ALC.Sは中陣で回転重視のプレー、ビスカリアやティモボルALCは中〜後陣でのプレーに相性がいいと思いました。

[まとめ]
  インナー配置のインナーフォースレイヤーALCに、より回転重視のALC.Sが発売された時は驚きましたが、前陣でのプレーを想定した張本ALCの発売からはアリレートカーボン使用者の層の厚さを実感させられました。
  またビスカリアの復刻と同時にラインナップされていることから今後もアリレートカーボンの絶大な人気は揺るがないと思います。
  張本選手のラケットが加わったことによる日本人選手モデルのラインナップの充実は個人的に非常に嬉しく感じました。