70726f647563742f32303139303531305f6d436



































投稿者:ぬりかべ

NEVAGIBA社 MAGICWALL 中国式レビュー
※1週間ほどSHMERZ(赤OX)、裏面はアポロ5超極薄を貼って使用し、6週間ほど表面GrassDtecs(赤OX)、裏面andro社GTT45(黒・1.6mm)で試打をしてみました(3以降のレビューの文章は、後者の組み合わせで書いています)。
※Nittaku社のラケットプロテクトを2度塗りしています。

1.ざくっとレビュー
 「焼きラケットらしい反発力」「守備用ラケットらしい吸収力」を併せ持ち、初級〜上級まで使用者のレベルを選ばない、万能型異質向けラケット。


2.第一印象
 ラケット本体は77g。ラケット面積が広く、板厚は電子ノギスで図って5.8mm(メーカー公表値よりやや薄め?)。ラケット面積や板厚から考えると、重量はかなり軽い部類と言えます。ラバーの総重量(どちらもグリップの根元まで貼っています)は63g。普通の大きさの中国式に同じように貼ると55gなので、13〜14%ほど面積が広いことになります。ラケット形状は、普通の中国式よりもグリップ側が広く、切り替えしやすそうな印象を受けました。球突きをすると、打球音はやや高いのですが、弾みはかなり抑えめ。ここら辺が特殊素材「アブソーバークロス」の影響なのでしょうか。
 なお、動画でがねさんやノムケンさんもおっしゃっているように、焼きラケット特有の、スモークチップを燻したような香りがあります。

※技術によっては粒のみ、裏のみ、粒裏両方で試打しています。
※最初はサイドバランサーなしの状態で一通り試打し、2〜3時間試打した後にラケットの先端に1gの重りをつけました。

 詳しいことは後述しますが、ボールに対してラケットを斜めに当てる技術(ツッツキやドライブ、落としブロック)では「弾みはやや抑えめ」の普通のラケットに近い印象ですが、ラケットをフラットにして当てる技術(プッシュ・スマッシュ・当てるブロック)では「焼きラケットらしさ」が出ることも「アブソーバークロスの影響」が出ることもあり、打法によって印象が大きく変わるラケットであると感じました。


3.攻撃技術
プッシュ 8点(粒)
 ドライブ 6.5点(裏)
 スマッシュ 5.5点(裏) 7.5点(粒)

 プッシュに関しては、球突きの印象と比べるとよく弾み、ALL+ぐらいあるような感じです。球離れが早く、ボールに相手の回転が残るため、曲がったり落ちたりと弾道の変化もあります(大きく曲がるというよりも、相手の手元で小さく鋭く変化しています)。7〜8割の力で打ってもスピード・変化ともに良好なボールが出るのですが、若干ボールが浅くなるように思いました。しかし、力を入れすぎると「焼きラケットらしさ」が強く出て弾みが大きくなり、弾道も高くなってオーバー連発になりやすいので、つなぎの「早い打点で相手を振り回すプッシュ」と、決定打にするための「頂点から打ち下ろすプッシュ」の使い分けが、ほかのラケット以上に重要になると思います。好みの分かれるところではありますが、このラケットは重心がグリップ寄りなので、ブレードの大きさの割に連打性能は高いと感じました。
 スマッシュに関しては、裏と粒ではかなり印象が違いました。裏でスマッシュすると「力が反対側から抜けていく」ような感じがあり(アブソーバークロスの影響でしょうか?)、ラケットの軽さも影響してスピードが出ませんでした。サイドバランサーをつけた後は少し良くなりましたが、ちょっと物足りなさを感じます。ただし、面の大きさ・控えめな弾みの影響から、安定感は高めです。粒でのスマッシュは、強プッシュのときと同様に「焼きラケットらしさ」が強く出て、粒としてはスピードは上々。打ち下ろすのでオーバーミスの心配も少なく、球質はドナックルで、安定感・とりにくさともにレベルの高いボールが出ました。チャンスボールは、裏よりも粒で叩いた方が良いように思います。
 ドライブに関しては、あまり「焼きラケットらしさ」はなく、弾みは「守備用ラケットとしては良いが、攻撃ラケットには及ばない」という程度。適度な球持ちと面の大きさの影響で、回転量と安定感はまずまず。反転して一発で打ち抜くよりも、裏面打法で球質の変化をつけたり、チャンスメイクをしたりするのが良いかもしれません。


4.守備技術
 ブロック 9点(粒)
 カウンター 6.5点(裏)
 ツッツキ 7.5点(裏・粒)

 ブロックに関して素晴らしいのが、当てるブロックの質の高さ。当てるだけで短く止まり(アブソーバークロスの影響でしょうか)、まずまずのスピン反転量があり、ナチュラルにナックル性ブロックが混じるので、回転の変化幅も大きめ。弾道の変化は小さいのですが、低く直線状に飛び、相手コート上で失速して落ちる感じです。相手(レギュラー、地方大会団体戦出場)は「ボールが低くて打ちにくいわ、変化が分かりにくいわで、やりづらい」と感想を述べていました。ラケットを横にスライドさせるブロックでは、ボールが短く止まり、横揺れが大きく、そこそこ切れている、かなりいやらしいブロックとなりました。バランサーをつけていないときの落としブロックは、若干球足が長くなり、スピン反転量は当てるブロックよりちょっといい程度であったように思います。しかし、サイドバランサーをつけると球足は短くなり、ブロックの切れがかなり向上します。自分は落としブロックを多用するのでバランサーをつけた状態のほうが好みですが、つけない状態ではフォアとバックの切り返しがしやすいぶん連打にも対応しやすくなっているように思います。当てるブロックがメインの選手・とにかく返すことを重視する選手であればバランサーをつけない状態、落としブロックがメインの選手・変化重視の選手であれば、サイドバランサーをつけた状態が良いと思います。
 カウンターは、裏ソフトではフラットに当てると威力が吸収されるような感覚があり、安定感は高いものの威力に欠けるように思いました。「ちょっと速めのブロック」程度でしょうか。しかし、カウンタードライブは面の大きさによる安定感があるうえに回転量も多く、一撃で打ち抜けるほどの威力は出ませんが、粒ブロックと裏面カウンターの球質の差で十分にミスを誘えるかと思います。
 裏ツッツキでは、先述したように弾みが抑え気味になるため、切れ・安定感ともに良好。特にストップ気味のツッツキはコントロールしやすく、長短の揺さぶりがしやすいように思いました。粒ツッツキでは、裏ソフトと同様に弾みが抑え気味になり、弾道が低く粒のツッツキとしては切れは上々。一発でネットミスをとれるほどではありませんが、プッシュを待っている相手にツッツキを送って読みを外したり、上からたたかれるのを防いだりするには十分です。プッシュの構えからのツッツキ、またはその逆でフェイントをかけることで、得点も十分に狙えるかと思います。


5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
サーブ  8点(裏)
レシーブ 8.5点(粒)7.5点(裏)
台上技術 8.5点(粒)7.5点(裏)

サーブに関しては、初めは「思ったよりも切れないなぁ」という印象を受けましたが、これはバランサーをつけて重心を通常より先端寄りにすることで解決しました。横回転系、下回転系どちらを出すときも弾みが抑え気味になり、ショートサーブの出しやすさは抜群です。欠点としては、上回転系あるいはナックル系のロングサーブを出そうとしても弾みが抑え気味になってしまい、スピードが出ないことが挙げられます。
 台上技術では、粒で良かったのは弾くフリックとストップ。ストップは短く低く止まり、フリックは小さい力でもまずまずスピードが出るので、ストップのフォームからのフリック、またはその逆など、フリックとストップの組み合わせでかなり点が取れるかと思います。裏ソフトで良かったのは、ストップとチキータ。ストップは短く低く、そして切れており、チキータはスピードに欠けるものの、面の大きさ+球持ちの影響で回転量と安定感があります。フリックはスピードが今一つであるように感じました。なお、遊びで「裏面粒高チキータ」も試しましたが、粒の軟らかさ+ラケットの球持ちの良さの影響で、思いのほか安定して入りました。
 レシーブでは、球離が早いため相手の回転の影響を受けにくく、プッシュやフリックの安定感は全般的に高め。弾道は全般的に低くて相手に上から叩かれにくく、レシーブ強打一撃で決めるというよりも、ラリーを有利に持っていくレシーブがしやすいといえます。ストップや裏面チキータの質も高いので、レシーブで打法を使い分けられる中〜上級レベルの選手であれば、レシーブによる得点も十分に狙えるかと思います。


6.お勧め構成
 どんな粒にも合うと思いますが、GrassDtecsの扱いやすさがほかのラケットよりも明らかに良いので、できればGrassDtecsに合わせてもらいたいところです。ブロック時に「板が威力を吸収する」ような感覚があるため、ラバーを厚くしても粒でのブロックのしやすさにはあまり影響がないように思います。普段極薄ラバーを使いながらも「ラバーを厚くしたいけど、ブロックがなぁ…」と悩んでいた選手には、迷わず厚や特厚を使ってほしいですね。


7.どんな人にお勧めか
 当てるブロックが中心の粒初級者〜中級者が使っても良し、切ったり切らなかったりと変化をつけられる粒中級者〜上級者が使っても良し、と幅広いレベルの粒ユーザーに向いていますね。
 裏ソフトでの攻撃よりも粒による攻撃のほうが印象が良かったので、反転して攻撃するタイプよりも、粒で積極的に攻める選手に向いているかもしれません。


8.総合評価
 粒ペンなら、初級者でも中〜上級者でも8.5〜9点をつけてよいかと思います。シェークバック粒であれば、守備中心の選手なら8.5〜9点、チャンスメイクをしてフォア強打で決めたい選手には7.5〜8点というところでしょうか。台上技術とレシーブ技術が優れているので、ダブルスメインの選手が使うのであれば、9点以上つけてよいと思います。


9.その他
 打法によってラケットの印象が大きく変わるので、レビューを書くのに少々苦労しましたが、その違いをプレーに反映させることができれば、大きな武器になりそうです。初見でもこのラケットの良さは伝わると思いますが、真価を発揮するにはある程度使い込む必要があるでしょう。
 焼きラケットの良さが十分に発揮されるラケットではありますが、焼きラケット特有の欠点もあります。それは、「水分を飛ばしているぶん脆い」ということ。ラケットを台にぶつけると割と簡単にブレード面が欠けてしまうので、ブレード表面にニスやラケットプロテクターを塗ったり、衝撃耐久性の高いサイドテープを貼ったりする必要があるかと思います。