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投稿者:ぬりかべ

 銀河社 SuperKim(黒・1.9mm)
 ※デフプレイセンゾーFLに貼って試打しました。F面はMarkV(赤・中厚)です。
  生徒が1.7mmを使っており、そちらでも数回試打しました(ラケットは佳純ベーシック)

1.ざくっとレビュー
 群を抜いた「返球しやすさ」を持ち、裏・表・粒どの打法も使える、万能型粒高(?)ラバー。

2.第一印象
 重量は、カット前34g→カット後27g。スポンジの厚みを考えると、ありえない軽さです。しかもカット用ラケットに貼ったのに…。
 粒の直径は、普段使っているシュメルツが1.5mmに対してこのラバーは1.3mm。粒間隔はシュメルツが1.2mmだったのに対してこのラバーは1.6mmありましたが、粒の大きさを考えると、粒の密度は同じぐらいでしょうか(すべて電子ノギスで計測しました)。硬さは、かなり軟らかい方かと思います。
 球突きをすると…弾みません。スポンジが反発力を吸収しているような感じがします。回転をかけてみると、粒とは思えないレベルで引っかかります。これは粒の軟らかさとスポンジ厚の影響があるのかもしれません。変化形表以上にかかるように思います。

※以下の点数は、すべて「粒高として」の点数です。
3.攻撃技術
 プッシュ 7.5点
 スマッシュ 8.5点
 ドライブ 9.5点
 まず粒高の生命線のプッシュですが、球離れや初速に欠けるので威力には今一つ、というのが正直なところです。スポンジの厚みで「ふにゃっ」とした打球感になるのを好まない人も多いでしょう。しかし、不思議と相手の回転の影響を受けにくく、微妙に相手の回転を残してボールが返るために、相手の手元で微妙に弾道が変わり、打ち抜けないまでもミスを誘いやすいボールになります。そして、特筆すべきは上回転やナックルに対するプッシュのしやすさ。粒一枚では球離れが早く、回転がバックスピンやナックルになったりするのでかなり技術を必要とするのですが、スポンジ厚のおかげで球持ちがあり、前進回転をかけて返すことができる(もちろんナックルでも可能)ので簡単にプッシュで返球できます。簡単にまとめると「威力は今一つ」「変化はそこそこ」「安定感と操作性は抜群」と言ったところでしょうか。
 スマッシュに関しては、相手の回転の影響を受けにくく、適度な球持ちがあり、コントロールと安定感が群を抜いています。スピードにはやや欠けますが、球質は変化形表のようなナックルになり、安定感ととりづらさが両立しています。また、スポンジへの食い込みを生かして前進回転をかけることもできるので、ナックル性のボールや低いボールに足して回転をかけて安全に入れる、と言ったプレーも可能です。簡単にまとめると、「スピードは少々不足するが」「コントロール系裏ソフトの扱いやすさ」と「変化形表ソフトの取りづらさ」を併せ持っている、と言ったところでしょうか。
そして、このラバーの最大の長所が何と言ってもドライブ。しっかりスウィングすると打つときに自然と粒が倒れ、軟らかいスポンジがボールをがっちりつかんでくれるので回転がかかり、強く打っても台に収まるぐらいに弾道が弧線になってくれます。また、表ソフトのように相手の回転を微妙に残すので、相手の手元でボールが曲がったり沈んだりしてかなり取りにくいようです。簡単にまとめると、「オーバーミスを誘うほどの回転量はないが」「弾道の変化もあり」「安定してスピードのあるボールを入れることができるので」「つなぎだけでなく決定打としても使える」というところでしょうか。

4.守備技術
 ブロック  8点
 カウンター 9.5点
 ツッツキ  8.5点
 ツッツキでは、抜群の球持ちがあるため、粒とは思えないレベルで回転がかかります。もちろん裏ソフトほどの回転量はありませんが、スピード系表ソフト以上にはかかっているように思います。表ソフトのように「切らない」ツッツキもやりやすく、切る・切らないの使い分けでミスを誘うプレーは十分に可能です。また、回転がかかる割に相手の回転の影響を受けにくく、安定感も抜群です。簡単にまとめると「そこそこ切れて」「回転量の緩急をつけやすく」「返球のしやすさは抜群」と言ったところでしょうか。
ブロックでは、粒高の感覚で当てるとボールが「ふわっ」と山なりに飛び、相手に上から叩かれる絶好球になってしまいます。しかし、スピードのあるボールを受けてもスポンジが威力を吸収し、シートが粒高であるため回転の影響も受けにくく、返球のしやすさでは普通の粒高やアンチよりも高いといっていいでしょう。裏ソフトのように上から押さえるようにブロックするとそこそこスピードのあるナックルブロックとなり、カットブロックのようにラケットを下にスライドさせると、若干下回転がかかって低く返ります。また、スポンジがボールの威力を吸収するので、ラケットを引くように当てると、2バウンドブロックが容易にできます。簡単にまとめると、「普通の粒のような下回転はかからないが」「粒・変化表・裏ソフトどの返し方もでき」「前後の揺さぶりが抜群にしやすい」というところです。
 守備技術で一番好感触だったのはカウンター。普通の粒では上回転に対してドライブで返そうとするとボールが落ちてしまうのですが、このラバーはスポンジがしっかりボールをつかむので、裏ソフトのように弧線で返すことができます。また、攻撃技術のところでも述べたように相手の回転を残したまま返るので、「曲がる」「落ちる」「揺れる」とかなりいやらしい変化をします。スマッシュやハーフボレーなどで返すと高速ナックルとなり、ドライブにしてもフラットにしても球質のいやらしさはかなりのものです。簡単にまとめると、「カウンタースマッシュもカウンタードライブもでき」「安定が高いうえに」「球質がいやらしい」と言ったところでしょうか。裏ソフトや表ソフトのようなスピードや回転量はありませんが、カウンターは大きな武器になるかと思います。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 サーブ  8点
レシーブ 9点
 台上技術 9点
 まず、思いのほかよかったのはサーブ。初めてサーブを出したときに思ったのが「GrassDtecs0.5mmで出したサーブに感覚が近い」ということ。裏ソフトほどの威力は出ませんが、しっかり振り切れば粒が倒れてある程度回転もかかりますし、弾道も低くなり、「一見すごく掛かっていそうだけどそれほどでもなく、ナックルかと思ったらそこそこかかっている」という妙に取りにくいサーブが出せます。何度か生徒相手に使ってみましたが、相手からすると回転量が読みにくく、エースが取れるサーブではないものの、3球目攻撃を狙うにはなかなかいいサーブになりました。粒高面と裏ソフト面のサーブを使い分ければかなりの武器になるかと思います。
レシーブに関しては、普通に当てると弾道が高く返ってしまいますが、ここは慣れで十分に対応できる部分かと思います。プッシュ気味にレシーブすると、横上と横下程度の回転の違いであれば、あまりきにすることなく返すことができ、しかもほかの技術と同様に微妙に相手の回転を残して帰るので、曲がる・落ちる・伸びると弾道が変化してとりにくいボールとなります。さらに、粒高にとって天敵であるナックルサーブに対しても自分から回転をかけて返すことができるため、返球のしやすさは抜群です。簡単にまとめると「とりにくいサーブがなく」「抜群の返球しやすく」「変化もそれなりにある」と言ったところで、「返しやすさ」というストロングポイントがあるのに、これといった欠点がありません。
 台上技術では、特にやりやすかったのがフリックやチキータのように自分から回転をかける技術。スポンジに食い込ませるとボールが落ちず、しかも相手の回転の影響を受けにくいので安定感が抜群。さらに、相手の回転が強ければ微妙に回転を残して帰るため弾道が不規則に変化します。リフトはスピードに若干欠けますが、どナックルになったり、相手の回転を残して返ったりとかなり取りづらいボールになります。ストップも、スポンジが勢いを吸収してくれるので短く低く止めることができ、ちょっと切ることも可能。簡単にまとめると「回転やスピードはさほどではないものの」「安定感が抜群にあるにもかかわらず」「とりづらいボールが入る」と言ったところでしょうか。

6.お勧め構成
 デフプレイに貼りましたが、スポンジが威力を吸収しているので、弾むラケットに貼っても返しやすさはあまり変わらない気がします。強打のときのスピードを出すために、弾みがALL+以上のラケットの方が良いように思います。
 自分から強い回転がかけられるわけではないので、粘着テンションやスピン系テンションと組み合わせるとよいでしょう。今私が別ラケットで試打しているゴールデンタンゴPSなら、このラバーとの球質の差が大きくなるので、相性は抜群かと思います。
 なお、1.7mmと1.9mmでは1.7mmの方がナックルの度合いが多く「表ソフトっぽさ」が強く、1.9mmでは球持ちが長く回転をかけやすいので「裏ソフトっぽさ」が強いように思いました。

7.どんな人にお勧めか
 まずお勧めしたいのが、レシーブやブロックで悩んでいる初心者。どの技術でも返球のしやすさが群を抜いているので、あまり上手でない選手が試合で勝つにはかなり適した道具かと思います。ドライブやツッツキもしやすいので、ほかのラバーへの移行もしやすいのではないでしょうか。
 次にお勧めしたいのが、打法のバリエーションが多い粒や変化形表の上級者。異様に切れたカットブロック、見えないほどのスピードボールは出せませんが、相手の回転を残して返球したり、高速ナックルで相手を詰まらせたり、ちょい切れのブロックでネットミスを誘ったり、ドライブを打ったり、とかなり多くの得点パターンができます。
 ぶち切れのカットブロックはできないので、ペン粒であれば「止め専」には向かないと思いますが、自分から積極的に打っていくタイプにはかなり向いているでしょう。案外、スピード形や変化形の表ソフトを使うペンパチの選手にも向くかもしれません。
 シェークであれば、基本的にはバック向きかと思いますが、ドライブによる攻撃も可能なので、フォア面に貼っても面白いかと思います。

8.総合評価
 初心者がレシーブ力upのために貼るのであれば8.5点。上級者の粒もしくは変化形表ユーザーが使うのであれば、ペンの止め専なら7.5〜8点、攻守型なら8.5〜9点。シェークの守備型なら8〜8,5点、攻守型なら9点〜と言ったところでしょうか。コストパフォーマンスが抜群に良いので、それを加味すればさらに0.5点ずつプラスさせても良いように思います。
 注意点としては、当てるだけでは劇的な変化やスピードが出るわけではない、ということ。返すことだけに専念する選手(=初級者)、自分から変化をつける技量がある選手(=上級者)にとっては素晴らしいラバーですが、粒を使い始めて1〜2年程度の「プッシュと当てるブロックのみ」の選手が劇的な変化や切れを期待して貼ると、拍子抜けするのではないでしょうか。

9.その他
初心者がまずぶつかる壁が「レシーブ」だと思うのですが、このラバーを使うととりあえず当てれば高確率で返球できるので、レシーブで悩む1年生に使わせたいですね。ウチの1年生でも一人貼っていますが、レシーブが安定して入るようになったことで一つストレスが減り、プレー全般にゆとりが出てきたように思います。
 「返球しやすさ」に関してはプレーヤーを選ばないものの、「変化のつけやすさ」は使用者を選ぶと思いますが、これはいいラバーですね。コストパフォーマンスも良く、シュメルツと並んで「他チームに紹介したくないラバー」です。