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投稿者: ザーシー

[自己紹介]
  ・卓球歴 約15年
  ・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

[レビューする商品名]
  ラザンターR53

[使用環境]
  ・使用ラバ
  ラザンターR53 クロ ULTRAMAX

  ・使用ラケット
  吉田海偉
  サイプレスMAX
  馬林エキストラオフェンシブ-中国式
  幻守-中国式
  ビスカリア-FL
  松下浩二-ST

[はじめに]
  ラザンターR53はandroから発売されているスピン系テンション裏ソフトラバーです。
  ラザンターシリーズは2017年春に発売されたのですが、それまで好評を博していたラザントシリーズを全て廃盤とし、新しくラザンターシリーズをリリースするという衝撃的なスタートには驚かされたのを覚えています。
  それと引き換えに発売直後はそれまでラザントシリーズを使っていたユーザーから、ラザンターへスムーズに移行できるのかが不安視される声もありました。
  そんなラザンターも今ではすっかりandroユーザーに定着し、発売から2年以上が経過した現在もandroのフラッグシップラバーとしてその座を揺るぎないものとしています。
  今回レビューするR53は約2年半ぶりとなるシリーズ最新作となります。
  2019年に男子フランス代表のシモン・ゴーズィ選手とandroが契約し、「ゴーズィ選手使用ラバー」という大胆な触れ込みで発売されたことも話題になりました。
  またゴーズィ選手が契約直後の世界選手権でR53を使用して中国代表の許?選手に勝利したことで、発売前から既に高い性能が証明されていたと言っても過言ではないと思います。
  スポンジ硬度は53°でそれまで最硬だったR50の50°よりも3°も硬くなっています。
  またエナジー・セルという新しい技術が搭載されており回転性能と球持ちがさらに向上しているそうです。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  ・基本打ち
  シリーズ最硬の53°のスポンジを搭載しているのでガチガチに硬いイメージを想像していましたが、意外にも球持ちが良くボールをしっかり掴んでくれます。
  打球感もややハードに感じる程度でガチガチにならず、コントロールも良くて、狙ったコースにボールを送ることができます。
  ラリーを重ねるにつれてボールが段々とオーバー気味になったり、弾道が直線的でネットスレスレに徐々に落ちていくといったハードラバーに見られる傾向もあまりありませんでした。
  R53からはテナジー05ハードやオメガVIIツアーといった硬いハードヒッター専用ラバーという印象はあまり感じられませんでした。

  ・ドライブ
  ハードバリエーションでありながら球持ちがよくボールをしっかり掴んでくれます。
  53°ということでインパクト後のボールの速さはR47よりも速いです。
  しかしスポンジの硬さを考えればインパクト直前のぐいっと掴む感覚はこれまでのラザンターシリーズよりも向上しているように感じました。
  新技術エナジー・セルの理屈を説明することは私にはできませんが、球持ちの向上を実感することは出来たように感じました。
  また放たれたボールはこれまでのラザンターシリーズ以上に強い回転がかかり、ぐいっと山なりの弧線を描いて相手コートに沈んでいきます。
  また球もちが良いので回転がかけやすいです。
  擦り上げれば粘着性ラバー以上の回転量のドライブ、厚く擦れば食い込んだ後にスポンジの硬さを活かして高速のドライブボールが相手コートに突き刺さります。
  またシェークのバックドライブではフォアドライブよりもやや硬さを感じる場面が多かったです。
  両面に同じ硬さのラバーを貼っているハードヒッターの方にはR53は使いやすいとの意見を頂きました。
  しかしフォアよりもバックに軟らかいラバーを貼っている方にはやや硬さを感じるとの意見を頂きました。
  ペンの裏面では普段テナジー64で裏面を打っている私にはやや硬く感じたものの、硬さ以上に回転量の多さと球持ちの良さを感じました。
  R53よりも少し軟らかいラバーでエナジー・セルを搭載したラバーが登場すれば、裏面ドライブに最適なのではと個人的には思いました。
  またスピン重視のRシリーズの中ではR47がテナジー05に近いイメージで、R50はテナジー25と05の中間といったイメージを個人的は持っていましたが、R53はR47の正統進化系+αという印象を受けました。
  かつてのラザントパワーグリップを越えるグリップ力を誇るラバとしてラザンターが発売され、これ以上の回転性能を持ったラバが登場することはしばらくないだろうと予想していましたが、2年半の歳月でそれを越えるR53をリリースしたandroの開発力は目まぐるしいものを感じます。
  テナジー越える存在としてディグニクスが登場した様相と近いものをR53からは感じました。
  R53以前のラザンターがポストテナジーであるならば、R53はポストディグニクスとして口火を切った存在のラバーになると思います。
  日本製ラバーのディグニクスと共にドイツ製ラバーのR53はこれからのラバー市場を引っ張っていく存在になると言えます。

  ・スマッシュ
  53°という硬度を活かして非常に速いスマッシュボールを
  打つことが可能です。
  しかしエナジー・セルによる球持ちの良さはスマッシュでも健在でボールを一瞬掴む感覚を味わうことができました。
  ラザンターシリーズはもともと掴む感覚のあるシリーズですが、スマッシュでの弾く感覚はR50>R53>R47といった順に強く感じました。
  またR53のバックスマッシュは球持ちと弾きのバランスが良くコントロールもしやすくて好印象でした。
  またスピード重視のV47と比較すると単純なボールの速さはR53の方が上だと感じました。
  しかし相手のチャンスボールが高く浮いたり大きく延びた場面での、下がった位置や左右に大きく動いてからのスマッシュの飛距離の出しやすさはV47の方が上だと感じました。
  R53もあくまでスピン重視のRタイプであると感じることができました。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  ・ブロック
  単純に当てるだけのブロックは相手のボールの勢いに打ち負けることはないものの、相手の回転の影響は強く受ける印象でした。
  攻撃時の回転性能が向上するのと引き換えに、ブロック時の相手の回転の影響を受けるリスクが向上する点も、ディグニクスに似ていると思いました。
  またサイドスピンブロックや、相手の強打に自分の回転をかけ返す返球は非常に有効な点もディグニクス05に近いです。
  カウンターは相手の大きいスイングから放たれたドライブ強打でもぐいっと掴んでこちらの回転をかけ返すことが可能でした。
  掴む部分でエナジー・セルが、打ち負けない部分で53°のハードスポンジがうまく働き抜群のカウンター性能を発揮していると感じました。
  ブロックで粘るよりもカウンターで打ち返す方が向いている点もR50やディグニクス05と同様だと感じました。
  今後は自分の回転をバンバンかけていくスタイルのこういったラバーがどんどん増えていくだろう感じました。

  ・ツッツキ
  回転量の多いツッツキを相手へ返球することが可能です。
  シートのグリップ力が強いので非常に強い下回転がかかります。
  ツッツキ対ツッツキの場面では相手の下回転よりも強い下回転を繰り出すことが可能ですが、相手の緩急の影響をモロに受けてしまうので少しでも見誤るとミスに繋がってしまいます。

  ・カット
  スポンジの硬さに対しての食い込みが良いので相手のドライブをぐっと掴んでから強い下回転をかけることが可能です。
  また個人的に軟らかいラバーよりも硬いラバーでのカットの方がやりやすいと感じているので、53°のスポンジの
  硬さとエナジー・セルによる食い込みの良さが組合わさり抜群のカットのやりやすさからカットのラリーで粘ることができました。
  また攻撃に転じた際には上述した通りの性能を発揮するのでカット+攻撃型のカットマンの方におすすめできるラバーだと思います。
  以前のラザンターシリーズよりも、エナジー・セルにより食い込みと回転性能が向上したラザンターR53の方がカットマンに適していると思います。
  テナジー世代のラバーよりもディグニクス世代のラバーの方がカットマンにとって使いやすいラバーだと個人的に感じました。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  ・サーブ
  シートの引っ掛かりが強いのでスピン系サーブは非常によく切れます。
  ラザンターシリーズのサーブの切りやすさと回転量の多さは折り紙つきで、レベルに合わせてスポンジ硬度や厚さを変えても強力なサーブを繰り出すことができる点は非常に優れていると思います。
  R53は53°と非常に硬いため初〜中級者には使いにくいかもしれませんが、R50よりはサーブのやりやすさの敷居が低くなっていると感じました。
  ディグニクスやR53世代のラバーの回転量の多いサーブが一般的になれば、それに合わせてテナジー世代よりも戦術やレシーブ、ゲームの展開などが大きく変化していくと感じました。

  ・レシーブ
  テナジー世代で限界に到達したように思えた台上バックドライブやチキータの回転量ですが、R53ではより多い回転を作り出すことができます。
  球持ちと回転性能が向上しているので相手のサーブの回転をこちらのより強い回転でかけ返すことができます。
  私レベルの技術ではR53以前のラザンターやテナジー、オメガVIIツアーではサーブとレシーブのどちらが有利かと言えばやはりサーブからの展開の方が有利な場面が多かったです。
  しかしR53やディグニクスといった次世代ラバーではレシーブからの展開でも有利に持っていける場面が確実に多くなると思いました。

  ・台上技術
  ペンのバックプッシュでは被せぎみに打球することでドライブのかかったボールを打つことが可能です。
  R53はボールの食い込みが重要な技術には適したラバーだと思います。
  これまでのラバーでは食い込みを重視して軟らかいラバーを選ぶとスピードが遅く相手の球威に押されてしまい、威力を重視して硬いラバーを選ぶと食い込みが弱くラバー表面でボールが落ちてしまいます。
  しかしR53ではインパクト直前までボールがしっかり食い込み、硬いスポンジで威力を出すことができるので得点力の高いプッシュを打つことが可能です。
  片面のみラバーを貼る日本式ペンなどは攻撃から守備、台上やサーブレシーブまで一枚のラバーでこなさなければならないのでR53のようなオールラウンドなラバーが適していると思います。

[おすすめな方]
  硬度53°のスポンジとグリップ力の強いシート、そこに球持ちと回転性能を向上させる新技術を組み合わせることでラザンターR53は非常に高いレベルのオールラウンドラバーに仕上がっています
  ラザンターシリーズを使用していてより強い回転と威力を求める方におすすめです。
  R50よりも3°硬いバリエーションとしてR53はリリースされましたが、単純なハードラバーではなく食い込みや球持ちが向上されておりトータルの性能で一世代進んだラバーと考えてよいと思います。
  ディグニクスを初めとした次世代ラバーへの対応策としてR53は最適だと思います。
  またバランスを重視してハードヒッター用ラバーとインナー特殊素材を組み合わせる方も多いですが、R53はアウター特殊素材との組み合わせでもボールを制御することができるので、アウター特殊素材と相性の良いラバーを探している方にもおすすめです。
  また一枚のラバーで満遍なく全ての技術をカバーできる抜群のオールラウンド性能を誇るので、片面のみラバーを貼るペンホルダーの方にもおすすめです。

[まとめ]
  各メーカーが高性能のポストテナジーラバーをリリースし円熟したタイミングで、Butterflyがテナジー越えるラバーとしてディグニクスを発売しました。
  それにより各メーカーのポストディグニクスに向けた開発が激化するかと思われましたが、価格などの要因からディグニクスへの移行が思ってるよりも進まず、ユーザーがテナジーを今後も使い続ける動きが見られました。
  しかしandroがディグニクス世代のラバーとしてR53を一足早く発売したことにより今後の用具市場にどんな影響が出るかがこれから楽しみです。