ウルティメイトカーボン













投稿者:くろかみ

[自己紹介]
  高2、中ペン裏裏、都5回戦負けレベル。引退試合で団体都ベスト16まで勝ち進めて幸せ者なくろかみです。寒くてラバーが冷たい弾まない、何より球が当たると痛い季節になりましたね。

[レビューする商品名]
  OSP   ヴィルトーソ+   中国式

[使用環境]
  使用したラバー
  ターゲットプロGT-H47
  ファスタークG-1
  木星2ブルースポンジ
  ラザンターR42
  ヴェンタススピン

[はじめに]
  「ヴィルトーソ+」はハンガリーのOSP社から販売されている5枚合板ラケットです。主にWRMで取り扱われています。ハンドメイドで製造されていて、商品ケースには1/100 mm単位で1本1本の板厚が表記されていたり、始めからやや角が取れていて手触りが良かったりと、精巧な作りが見てとれます。こだわりがある分、価格も木材合板としては破格の税込み19250円。筆者は有難いことにレビュー投稿で得たポイントで頂いていますが、これだけの金を出して購入する価値があるのかしっかり検証していきます。
  さて、筆者の元に届いた個体は板厚5.78mmで84.2gと、平均重量より軽めです。ブレードサイズは162×150mmでタマスの中国式(161×150)とほぼ同じ縦長サイズです。球突きすると芯の詰まった感触が手に伝わってきて、コルベルを強化したような打感です。スティガラケットのような硬さはないので5枚らしいとっつきやすさがあります。価格を除けば。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0   基礎打ち、軽打
  インナーカーボン系に近い弾みがあります。まさに5枚とは思えないもので、馬林ソフトカーボンや王道04より飛びました。また球突きの時の感触と同じく、上板を硬くして弾いたり飛ばしたりするようなブレードとは違って一体感を感じました。非常に球を持ち弧線も高いのですが、スイートスポットは合板らしく狭めで、外すと飛ばない印象が強かったです。

  1   ドライブ   8.5点
  まず軽打でも強打でも安定して弧線を描きます。レベルが上がってくると5枚合板では少し手を緩めた瞬間球威不足でカウンターされてしまいがちですが、グンと伸びる2速を残したまま弾みがアップしているために多少は楽できるようになりました。硬さがなく勝手に食い込んでくれるのは非力な方でも簡単に扱えてありがたいですね。一方で強打時には中の詰まった芯が顔を出し、しなりつつもパワーロスを抑えて薄い7枚のような感覚で打てました。
  しかし、ループドライブの際に特に感じたことですが、食い込みがありしっかり掴んで回転量も充分かかるのに、掛けた感覚が手に伝わってこない気がしました。従来の薄ラケのしなりや硬ラケの引っかかりが無い分どうしても悪い意味で異質なところが出てしまっているのかなと思います。カーボンだとリベルタシナジーが近い感触ですかね。良くも悪くもこれまでにはあまり無かった打感でした。繰り返しになりますが相手のラケットを飛ばせるくらい実際の回転量や2速の質は高いので、慣れの問題かもしれません。

  2   カウンター   7.5点
  カウンターするならもっと押し負けない硬さが欲しいところです。筆者が普段カーボン系を使用していることもありますが、前陣で振り抜くには鋭く引っかかる感覚があると嬉しいかなといった感じです。引き合いなど下がってかけ返す状況なら球は遅いものの2速があり浅く入る心配もないので難しくはなかったです。

  3   スマッシュ、フラット系   7.5点
  予想通り気持ち良く叩けるようなことは無かったものの、従来の5枚合板のような失速感もなく、ある程度の球威はありました。かなり球持ちに振った合板なので弾きには期待しないほうがいいです。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1   ブロック   6.0点
  インナーカーボンユーザーからするとスイートスポットがやはり狭く、当たらないと力の無い球が浅く入って完全にチャンスボールでした。押される感覚もあり、剛性感が改善されてても5枚合板の難しさを感じました…。

  2   ツッツキ   8.0点
  しっかり台に収まりますが、5枚として見ると特段切れることは無いです。軟らかいのでポワンと浮いてしまいがちで、筆者の場合G-1や木星を使うなど、硬いラバーで調節する必要がありました。

  3   カット   ー
  今回は検証していません。ラケットの検証に関してはそもそもこれをカット用に使う方がいるのか、そして筆者のような素人の評価など必要無いかなという思いがあるので。ただ異質との相性は良さそうです。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1   サーブ   8.5点
  バランスが良いですね。回転が掛けやすくコントロールもしやすかったです。短いサーブは勿論出しやすく、ロングサーブが甘くなる弱点も克服しています。普段カーボン系を使っていてもここは特に違和感なく打てました。

  2   レシーブ   8.0点
  ここも5枚らしい安定感で返しやすかったです。オーバーを気にせず山を作って返球できるのがいいですね。

  3   ストップ   8.0点
  ツッツキ同様止まるけど浮きがちなので、カツッと板で擦れる感覚を求めている方には合わないと思います。筆者もあまり自信をもって切りにいけませんでした(技量不足ですみません…)。

  4   フリック   7.0点
  持ちすぎてイメージ通りにはいきませんでした。回転をかけて台の奥を狙って打つと丁度良いですね、と言ってもこれ普通の5枚合板となんら変わらない文章になってしまうので割愛します。

  5   チキータ、台上ドライブ   9.0点
  非常にやりやすくよく曲がるし伸びました。スピードが欲しい方には物足りないかもしれませんが、安定と回転量を楽に手に入れるなら適任かと思います。ただ筆者は軽めの個体でしたが板がずっしりくる、という意見も多いためヘッドの振り抜きが良くないのは注意が必要です。

[おすすめな方]
  軟らかめのラケットが好きな中陣ドライブマンにおすすめします。弾みが充分にあり、前陣で相手の球を喰らうこともあるので、中陣で時間を作って回転で粘っていく、ゆったり引き返して的確なラリー戦を展開していくには最適です。従来の5枚合板より弾むといっても板を硬くして弾き飛ばしているわけでは無いので、合板に限らずカーボンも含めて普段から全体的に打感の硬くないラケットを使用している方なら違和感なく移行できると思います。また質の高い芯を有するからこそフォルティウス並の重量もあるので注意が必要です。

[まとめ]
  OSPの実力は確かなものでした。本当に質が高く、合板でこんなにバランスの取れたモデルに出会えたことが嬉しかったです。スイートスポットと打感に慣れなかったことで筆者はメイン使用に至りませんでしたが、購入してから半年以上経って、球持ちと回転量に魅了されて未だ定期的に使っています。持つだけで謎の安心感があり、5枚合板としての基本的な性能を残しながらプラスαが最大限に発揮されている非常に完成度の高いラケットだなと思います。癖があまりなく(手に響かないことくらいでしょうか)特筆すべきことも少なくなってしまいましたが、それくらい安定していて高級合板としての立ち位置を確立している商品なので、是非使ってみて下さい。