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投稿者:ザーシー

[自己紹介]
・卓球歴 約15年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

[レビューする商品名]
林高遠 ALC-FL

[使用環境]
・使用ラバー
ディグニクス05
ディグニクス64
ラザンターR53
キョウヒョウネオ3ターボブルー
インパーシャルXB
Grass D.tecS

[はじめに]
林高遠ALCはバタフライから発売されている特殊素材ラケットです。
林高遠選手は2020年1月現在、世界ランキング4位に位置する男子中国代表の次代を担う選手です。
バタフライから中国代表モデルのラケットが発売されることは久しぶりで、2013年の張継科シリーズ以来です。
孔令輝スペシャル、張継科(後に張継科ALCにリニューアル)、そして林高遠ALCとバタフライの男子中国代表モデルのラケットはアリレートカーボン搭載モデルが多く、張継科選手、林高遠選手は一時的にビスカリアを使用していたなどの共通点も多いです。
林高遠選手も以前まではビスカリアを使用していましたが、現在は林高遠ALCを使用しているようです。
ラケットのブレードサイズは157×150mm、板厚は5.8mmで合板構成は木材5枚合板+アリレートカーボン2枚、平均重量は86gです。
ビスカリアの平均重量は85gなので僅かに差がある以外はほぼビスカリアと林高遠ALCは同じラケットのようです。
私の林高遠ALCは85gでした。
価格差はビスカリアが税抜き25000円なのに対し、林高遠ALCは税抜き18000円なので、林高遠ALCの方がコスパは高いです。
特徴的なのはグリップデザインでアリレートカーボンモデルらしい青を基調としたグリップに林高遠選手のイニシャルの「L」が大きく赤い文字で組まれています。
また柄の部分には「林高遠」の文字が描かれた金属性のプレートが搭載されており、ビスカリアのクラシカルなグリップデザインとは大きく異なります。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
アリレートカーボン搭載モデルなので弾みは十分ありますがしっかりとボールを掴む球持ちの良さもあります。
打球感は硬すぎることなく手に大きく響くこともありません。
プラボール化が進んだことにより特殊素材ラケットがスタンダードとなった現在の用具事情では基準なる打球感と言えると思います。
特殊素材ラケットで球持ちがもっと欲しい場合にはアウターからインナーに変更する手段もありますが、もしアリレートカーボンをまだ使用したことがない方ならばアウターアリレートカーボンを一度試して頂きたいです。
インナー特殊素材の打球感が苦手で球持ちの良いアウター特殊素材を好む方にぜひおすすめしたいです。
林高遠ALCやティモボルALCなどのいわゆるビスカリア系のラケットは、良いとこどりとも言えるこの打球感を求めて、トップ選手からアマチュア、ジュニアまで幅広く指示されているのだと思います。
また林高遠ALCの球持ちの良さによる回転のかけやすさは抜群でディグニクス05、64やラザンターR53などの次世代のスピン系テンションや、キョウヒョウネオ3ターボブルーなどの弾みが強化された粘着性ラバーとの組み合わせることで強烈な回転量を誇るドライブボールを放つことが可能です。
個人的にはディグニクス64でのバックドライブが安定性が抜群で飛距離も丁度良くラリーでの頼もしさがありました。
またディグニクス05やラザンターR53との組み合わせではバックでボールを食い込ませることが難しく弾道が直線的になりやや安定性に欠けるように感じました。
しかしフォアドライブでは強くインパクトすることでグッとボールを食い込ませて回転量の多いドライブを打つことができました。
また自分には林高遠ALCとディグニクス05、ラザンターR53のフォアドライブが制御できるギリギリのラインに感じました。
林高遠ALCよりも硬い特殊素材や厚みや重さのある特殊素材ラケットとディグニクス世代のラバーとの組み合わせたでは、球持ちが悪くボールの飛距離が出過ぎてしまうので制御は難しいと感じました。
個人的にはネオ3ターボブルーとの組み合わせが好印象で回転と弾みのバランスが良く威力のあるドライブボールを打つことができました。
またシュートやカーブなどの球種の出しやすさや緩急のつけやすさにおいてはディグニクスとの組み合わせよりも上で、回転の球種を変えたり緩急をつけてラリーを展開する両ハンド連打タイプのドライブマンに最適な組み合わせだと思います。
ノングルー以降あの手この手で粘着性の威力アップに悩まされプラボール化がそこに追い討ちをかけましたが、林高遠ALCとネオ3ターボブルーの組み合わせが1つの完成形として個人的にはアリだと思いました。
またインパーシャルXBとの組み合わせでは前陣での角度打ちやバックでのハーフボレーの威力が抜群でした。
飛距離が出すぎることもなく球持ちが良いので安定性が高く、凡ミスの少なさも優れたポイントだと思います。
またラケットの重量があるので相手のドライブの勢いに押されることもなく、角度を合わせるだけでカウンターを決めることができました。
普段表ソフトはあまり使用しませんが、そんな私でも安定性と威力のバランスの良さを実感できたので林高遠ALCは表速攻型にも適したラケットだと思います。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
アウター特殊素材でありながら止めたいときにきちっと止められることもアリレートカーボンの優れている点です。
林高遠ALCも特殊素材ラケットの中ではブロックでの制御がしやすく相手の強打の球威を抑えることが可能です。
特殊素材ラケットでのブロックは打球後に速くも遅くもない中途半端な打球が相手のチャンスボールになってしまうことがありますが、林高遠ALCは攻撃からブロックに転じた場面でも半端な打球にならずボールを止めることができます。
またツッツキなどの繋ぎの技術の安定性も抜群でネオ3ターボブルーでのツッツキは抜群の回転量で相手のミスを誘うことができました。
また後ろに大きく下げられたり左右に大きく振られた場合のとっさの場面でのカットは球持ちが良いのでボールに強い下回転をかけることが可能です。
しかし林高遠ALCは攻撃用ラケットなのでカットマンの方には敢えてオススメはしません(松下プロスペシャルなどのアリレートカーボン搭載のカットラケットもかつては存在しましたが)

[サーブ・レシーブ・台上技術]
特殊素材ラケットでありながらサーブの回転がかけやすい点も林高遠ALCの優れている部分です。
球持ちがよいのでサーブでの様々な球種の習得にも適しています。
また攻撃力不足によって粘着性ラバーからスピン系テンションへ移行したものの、粘着性ラバーによる回転量の多いサーブを求めている方にも林高遠ALCはおすすめです。
ネオ3ターボブルーとの組み合わせならばドライブなどの攻撃力も抜群なので、粘着性特有の強回転サーブからの3球目攻撃へ繋ぐことができます。
またレシーブはディグニクス64でのチキータが威力と安定性のバランスが良く得点率も高くておすすめです。
05やR53でのチキータは球離れが早くやや弾道が直線的になってしまいネットミスが多く感じました。
またネオ3ターボブルーでのツッツキは回転量も多くコース鋭い角度で前後左右に送球できるので相手のミスを誘うことが可能です。
またディグニクス05でのフリックが球持ちと打球の角度の調整がやりやすく感じました。
同じディグニクスと林高遠ALCとの組み合わせでも05と64で得意なレシーブが異なります。
ゆくゆくはディグニクスがスタンダードになると予想されるのでより早くラケットに合ったディグニクスのタイプを見つけられるとプレーに差をつけることができると思います。

[おすすめな方]
アウター特殊素材の威力や弾みの強さは絶対に譲れないものの、独特のハードな打球感が苦手な方や、インナーへの変更は選択肢にはない方に林高遠ALCはおすすめです。
アリレートカーボン搭載のアウターラケットなので破壊力が抜群でありながら高い安定性も兼ね備えています。
トップからジュニアまで幅広い層から指示されることからもその高い性能は保証されていると言えます。
またディグニクスやラザンターR53などの次世代のスピン系テンションを使用する上で適したラケットを見つけられていない方にもおすすめです。
  個人的にはフォアにディグニクス05やラザンターR53を使用した場合に制御できた限界が林高遠ALCでした。
それよりも硬い特殊素材ラケットや分厚いラケットではディグニクス05やラザンターR53は制御できる範囲を越えてしまっていると感じる場面がプレーに現れ、安定性に欠けていると感じました。
制御可能なギリギリの範囲でディグニクス世代のラバーの性能を引き出すことができるラケットとして林高遠ALCは有効な選択肢になると思います。

[まとめ]
ビスカリア系のラケットが男女プロアマ問わずかつてないほど浸透している中で復刻ではないアリレートカーボンのニューモデルがラインナップされることからも、この性能が1つの基準になっていることは明白だと思います。
各社テナジーへの追い付け追い越せは落ち着きを見せ、ディグニクス世代のラバーが続々と開発されていますが、今後はポストアリレートカーボンラケットへの流れがより一層激化すると思われます。
アリレートカーボンの高い性能と中国代表選手モデルへの満足感が得られた試打になりました。