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投稿者:ぬりかべ

1.ざくっとレビュー
 「粘着テンション」というよりも、スピン系テンションに回転量を加えた、攻撃選手向き「超スピン系テンション」ラバー。

2.第一印象
 重量は、パッケージ込95g→カット前73g→カット後51g。最近の回転系テンションの中でもやや重めかと思います。シートには微粘着があり「ペタペタ」とした感じです。球突きをすると粘着はあまり感じず、テンション系ラバーらしい弾み。ボールがラバーに食い込む感じもあり、メーカー公表値のスポンジ硬度よりも柔らかく感じます。

3.攻撃技術
 ドライブ  9.5点
 スマッシュ  8点
 カウンター  9.5点
 攻撃に限らずどの技術にも言えることですが、「フラット気味に打つとスピン系テンションの弾み」であり「擦ると粘着っぽさが出る」ように感じられました。
 このラバーの良いところは、何といってもドライブ。ボールの食い込みがまずまず良く、しかもシートががっちりとボールを掴んでくれるので、回転量十分なドライブが打てます。ノーマルのゴールデンタンゴ(以下「無印」)と比べると回転量の最大値はPSの方がやや劣るかと思いますが、PSの方が小さい力でもしっかりと回転をかけることができ、「かけやすさ」はPSの方に軍配が上がります。スピードはスピン系テンションとしては普通。球離れは若干遅いように思います。飛距離は、弾み+シートの引っ掛かりでスピン系テンションよりも跳ぶように思います。弾道は中国ラバーのようなえぐい弧線にはなりませんが安定して弧線を描き、バウンド後はボールが沈まないまでも伸びることが多いように思いました。簡単にまとめると「回転は粘着テンションとスピン系テンションの中間」「スピードはほぼテンション」「弾道は、粘着性テンションほどのくせ球ではないが、スピン系テンションとしては十分にくせ球」というところでしょうか。
 スマッシュは、ボールの食い込みの影響で自然に前進回転がかかり、安定感は高め。ドライブのところで述べたように、スピードがあるぶん球離れが若干遅く、粘着テンションのようなドナックルにはならずに比較的とりやすい球質になるように思いました。簡単にまとめると「安定感は高く」「飛距離は十分に出るが」「球質が素直で」「球離れが若干遅め」です。
 カウンターは、ブロックのところでも述べましたが、自分からドライブをかけに行けば食い込み+シートの引っ掛かりで安定して強い回転がかかり、安定して台に収まります。回転が強くて弾道が安定するぶん、通常のテンションよりも強く打てるように感じました。左右に曲げることも簡単であるため、サイドを切るカウンタードライブも比較的打ちやすいかと思います。カウンターに関して強いて難点を言うと、プッシュやスマッシュのようにフラットに打つと相手の回転の影響を強く受け、オーバーミスしやすくなることでしょうか。簡単にまとめると「フラットの安定感には欠けるが」「回転が自然とかかり」「回転量・スピードともにあり」「弾道の変化も十分」という感じです。

4.守備技術寸評
 ブロック 8点
 ツッツキ 8.5点
 ブロックでは、引っ掛かりの良さと弾みの良さが悪い方に影響し、普通に当てるとボールが上がりすぎるように感じました。無印と比べ、ボールの勢いに押されるようにも感じます。しかし、ボールの上を捉えたりかぶせながら打ったりして自分から回転をかけに行くと、オートマチックに前進回転が強く掛かり、スピードのあるブロックが安定して入ります。ナックルブロックや下回転ブロックは、弾みが良いぶん難しいように感じました(無印はやりやすかったのですが)。変化をつけるよりも、早いブロックで相手を振り回すプレーに適しているように思います。簡単にまとめると「当てるブロックはオーバーしやすいが」「回転をかけると早いブロックが安定して入る」というところでしょうか。
 ツッツキは、先述したように「擦ると粘着っぽい」ので、通常のスピン系テンションと比べると弾みが抑え気味になります。中国製の粘着性テンションほどではありませんが、ツッツキによる「回転の上書き」がやりやすく、45度ツッツキを使えば回転量はあまり気にせずに返球できるように思います。切れもスピン系テンションとしては上々。短く抑えることもやりやすく、長短のコントロールがやりやすいと感じました。簡単にまとめると「粘着テンションほどの切れはないが」「スピン系テンションとしてはかけやすく」「長短のコントロールもしやすい」というところでしょうか。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 台上技術 9点
 レシーブ 8.5点
 サーブ 9点
 サーブに関しては、ロングサーブでボールを食い込ませると、引っ掛かりが十分なうえに弾みもあるため、回転もスピードもある威力が高いサーブになります。生徒に話を聞いたところ「スピードがあるので横下と横上の回転がわかりづらい」とのことでした。さらに、粘着を生かしてボールを短く抑えることも簡単にできるので、「バック奥へのロングサーブを意識させて、フォア前へ短い巻き込み」といったコンビネーションが威力を発揮します。サーブに関しては粘着の良さとテンションの良さがうまく融合し、本当に穴がないと感じました。簡単にまとめると「ロングサーブの威力が高く」「ショートサーブの切れとコントロールも上々」というところでしょうか。
台上技術は、攻撃がかなり好感触でした。チキータや台上ドライブも良いのですが、特によかったのがフォアのフリック。小さいスウィングでもスピードが出て、かつ微粘着の影響で回転がかけやすく、スピードと安定感が高いレベルで両立していました。私自身は「台上技術の中ではフォアフリックが一番威力を出しにくい」と考えているので、これはかなりありがたいですね。ストップは切って短く止めることができますが、粘着テンションよりも若干浮くように感じました(慣れで修正できる範囲かと思います)。簡単にまとめると、「攻撃技術が安定し」「フォアフリックの威力を出しやすく」「ストップもまずまず」というところでしょうか。
 レシーブでは、先述したようにフリックや台上ドライブの安定感が高いかわりに、当てるレシーブではコントロールが難しいように思います(いつも書いていますが、引っ掛かりと弾みが良いラバーの宿命ですね…)。回転の上書きができればレシーブはむしろやりやすいのですが、意表を突かれてとっさに角度を合わせたときは、ほかの裏ソフトよりもコントロールが難しいように感じました。簡単にまとめると、「回転をかけにいくと安定するが」「角度を合わせるレシーブのコントロールが難しい」というところでしょうか。ただし、ダブルスであれば少なくともコースを読む難しさが半減し、自分から回転をかけにいくこともさほど難しくないので、レシーブがかなり大きな武器になるように思います。

6.お勧め構成
 回転もスピードも両立しているので、特にラケットは選ばないように思います。強いて言うなら、無印よりも小さい力で回転をかけやすいぶん、フォア面よりもバック面向きのラバーといえるかもしれませんね。
 ただし、ラバーの重さは結構あるので、腕力に自信がない選手は比較的軽めの特殊素材系のラケットと組み合わせた方が良いように思います。

7.どんな人にお勧めか
 レシーブのところやブロックのところでも述べましたが、自分から回転をかけにいく技術がないとコントロールが難しいので、基本的には中〜上級者向きかと思います。
 粘着性テンションのようなとびぬけた回転性能はありませんが、普通の回転系テンションと同様のスピードがあり、しかも微粘着の影響で回転力がアップしているので、粘着性テンションユーザーよりも、回転系テンションラバーユーザーの中で「もっと回転性能がほしい」と考えている選手にジャストフィットするかと思います。台上技術を向上させたい選手にも向くでしょう。
安定して強めの回転のボールを出せることを考えると、シェークの異質型がフォア面に使い、バック面との球質の差を大きくするのも良いでしょう。
 サーブ性能が高いことと、レシーブ時にコースを読む難しさが軽減されることを考えると、ダブルスの選手が使っても面白いですね。

8.総合評価
 ドライブ中心の回転系テンションユーザーの攻撃選手が使うのであれば、9点以上つけて良いラバーかと思います。シェークバック異質の選手が使っても同様に9点以上つけて良いかと思いますが、重さがあるぶんペン粒の選手が使うには8〜8.5点ぐらいでしょうか。もう少し薄いバージョンがあって重さを軽減できるのなら、もう少し加点できるのですが。

9.その他
 使用する前に専門店の方に評判を聞いたときには「ほぼ回転系テンションで、粘着テンションほどの回転性能はないから、正直中途半端なラバーだと思いますよ」とのことでしたが、使ってみると実に欠点が少ないラバーだと感じました。正直なところ生粋の粘着ユーザーには物足りない面もあるかもしれませんが、回転系テンションに粘着の良さが少しプラスされているわけなので、「中途半端」というよりも「高いレベルで万能」という感じでしたね。