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投稿者:ぬりかべ

1.ざくっとレビュー
 対上回転ラリーにめっぽう強く、ロングサーブの切れ味も抜群な、攻撃選手のバックおよび粒ペンの裏面向けスピン系テンションラバー。

2.第一印象
 重量は、パッケージ込99g→カット前68g→カット後48g(中国式の根元から1.5儷けて貼りました)。ラケットサイズが大きいことを割り引いて考えると、最近の回転系テンションとしては普通の重さでしょうか。球突きをすると、回転系テンションとしては「やや弾む」印象。回転をかけると「ごく普通」という印象でした。

3.攻撃技術
 ドライブ 9点(対上回転9.5 対下回転8)
 スマッシュ 9点(ハードヒッターの場合)
 カウンター 9.5点
 まずドライブですが、シートの引っ掛かりが良く、対上回転では適度にシートがボールをつかむ感覚があり、硬度の割にかけやすいように思います。また、シートの強度が十分にあり、回転量の最大値も多いように感じました。「かけやすさ」「回転量の最大値」が高いレベルで両立していますね。オートマチックに前進回転がかかり、さほど弧線弾道にはならないもののハードヒットしても台に収まるので、安定感・威力ともに上々でした。しかし、対下回転では手打ちではボールの食い込みがあまりなく、スポンジの硬さに負けてボールが落ちてしまうことが多々ありました。しっかりスウィングできればきちんと持ち上がりますが、注意が必要なところかと思います。シートが比較的軟らかく、スポンジが硬いということなのかもしれませんね。簡単にまとめると「対上回転では、かけやすさと回転量が両立し」「スピードも安定感もあるが」「対下回転ではしっかりスウィングしないとボールが落ちやすい」というところでしょうか。
 スマッシュでは、先述したように自然に前進回転がかかるため、安定感はかなり高めです。自分のスウィングスピードではスポンジの硬さを生かせずにスピードはあまり出ませんでしたが、自分のチームの選手(男子で県16レベル)が使うと「バチッ」という打球音とともに驚くようなスピードが出ました。その選手も「おー、めっちゃ弾む」「でもオーバーしないからすごい使いやすい」とかなり気に入った様子でした。簡単にまとめると「前進回転がかかって安定し」「スピードも十分に出る」「(※ただしハードヒッターの場合)」という感じになります。
 カウンターは、このラバーの一番の強みかもしれません。ブロックのところでも述べますが、ボールの威力に押されることがなく、自然に前進回転がかかるので安定感がかなり高めです。さらに、カウンターでは相手のボールの威力を借りてスポンジの食い込みを生かすことができ、回転量がかなり多くなるので強く打っても台に収まりやすいように感じます。簡単にまとめると「自然と前進回転がかかるので安定感が高く」「回転量自体も多いので」「強く打っても台に収まる」というところでしょうか。

4.守備技術寸評
 ブロック  9.5点
 ツッツキ  8点
 ブロックは、弾みの良さの割に弾道が低く、フラットに当ててもオートマチックに前進回転がかかるため、安定感は抜群です。ボールの上を軽く押すと上回転がやや強めにかかり、「低い」「速い」「伸びる」と3拍子揃ったブロックになりました。地方大会に団体戦のレギュラーとして出場した選手に相手をしてもらいましたが、ドライブにラケットを押される感じがほとんどありません。また、(先述しましたが)ボールの上を捉えると伸びるブロック、横を捉えると曲がるブロックが自然と出るため、変化も良好。ナックル性ショートは難しいように感じましたが、安定感・変化・スピードが高いレベルで満たされています。簡単にまとめると、ブロックは「球威に押されず」「自然と前進回転がかかり」「安定して低い弾道で返るうえに」「スピードがあって」「弾道の変化をつけられる」というところでしょうか。
 ツッツキでは、スポンジの「硬さ」が良い感じで出て、多少強めに切ってもほとんどボールが浮きません。ボールが低くかかっているので、ツッツキで相手を詰まらせることができます。ただし、短く抑えようとするとボールが浮いてしまうことが多くありました。簡単にまとめると「弾道が低く」「切りやすい」「短くするのはちょっと難しい」というところでしょうか。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 台上技術  8点
 レシーブ  8.5点
サーブ  9点(ロングサーブ9.5 ショートサーブ8.5)
 レシーブでは、フラットに当てると相手の回転の影響を強く受け、弾みも強くなってしまってオーバーミスが多発しました。しかし、ツッツキやフリックで自分から回転をかけに行くと簡単に回転を上書きでき、安定して台の中にボールが収まります。簡単にまとめると「ボールに当てに行くとコントロールが難しいが」「回転の上書きが簡単なので」「ある程度の技術があると安定する」というところでしょうか。
ドライブのところで「下回転の持ち上げには注意が必要」ということを書きましたが、フリックなどは面を開いて打つことが多いためボールが落ちるような感じはなく、回転の上書きが簡単なぶん安定して入りました。台上ドライブやチキータも同様です。ただし、小さなスウィングではスポンジに食い込ませるのは難しいので、スピードは「スピン系テンションとして普通」ぐらいでしょうか。ストップは、ツッツキのところでも述べたように短く抑えようとすると浮いてしまうため、ちょっと難しいように感じます。台上技術について簡単にまとめると「回転を書けるタイプの台上攻撃は安定するが」「威力は普通」「ストップがちょっと難しい」というところでしょうか。
 サーブに関しては、振り子サーブやしゃがみ込みサーブのようにボールに厚く当てるロングサーブを使うと、スピードも回転もあるかなり威力が高いサーブが出せます。弾道も低め。振り子サーブの使い手にこのラバーでサーブを出してもらいましたが、「横回転を出すよ」と予告してもらっていたにもかかわらず、粒やアンチでも細心の注意が必要なほどの威力のあるサーブがとんできました。その後中学生にも試打してもらいましたが、ロングサーブは十分な威力が出せていました。しかし、中学生(県大会団体戦出場者)が短い下回転を出そうとすると、回転・長さともに中途半端なサーブになってしまい、自分や先述した社会人の選手が使うと「スピン系テンションとしていい方かな」といえるぐらいのサーブになりました。ボールを薄くとらえる感覚がある程度ないと、ショートサーブは難しいかもしれません。簡単にまとめると「ロングサーブ系の威力は文句なく高いが」「ショートサーブはある程度の技術や感覚がないと難しい」というところでしょうか。

6.お勧め構成
 ブロックやカウンターの威力を高めるために、攻撃選手であればある程度(6mm以上)の厚みがあるラケットに貼るとよいかと思います。弾み+厚みで7枚合板のラケットはラバーの性能を引き出しやすいのではないでしょうか。個人的には、「ブロックで相手のボールに押されにくい」と感じた、和の極み-煉-あたりはジャストフィットするように思います。
 サーブの威力を生かすことを考えると粒ペンが使うのも良いと思いますが、その場合は完全な守備向きでなくある程度弾みのあるラケット、具体的には幻守かそれ以上の弾みのラケットに貼ると長所を生かしやすいかと思います。

7.どんな人にお勧めか
 まず、使いこなすにはスウィングスピードや技術がある程度必要なので、基本的には高校生以上向きかと思います。中学生であれば、できれば県大会以上の大会に出るぐらいの技量は必要でしょう。
 私が真っ先に「向いている」と思ったのが、相手をブロックで振り回す「おっさん卓球」タイプのプレーヤー。ロングサーブを出して打たせることが得意であればこのラバーのサーブ力とブロック力が生きるので、片面ペンにはものすごく向いているように思います。
対上回転のラリーで真価を発揮することを考えると、ツッツキで粘るタイプではなく、台上攻撃で自分から打ち合いに持っていける、中~上級者のドライブマン向きかと思います。対下回転のドライブに難しさはありますが、下回転打ちが得意な選手が使うと、短所をカバーし、長所が存分に生かせるのではないでしょうか。
 あとは、何といってもペン粒の選手。サーブ力の高さに加え、粒による遅いブロックと裏面あるいは反転ブロックの球質の差で、相手を幻惑しやすいように思います。

8.総合評価
 対上回転のラリーを主体とする攻撃選手が使う場合、9点以上をつけてよいかと思います。ペン粒が使う場合、ショートサーブからの展開を中心とする選手であれば8〜8.5点ぐらい、ロングサーブを中心とする選手なら9点以上をつけてよいでしょう。
 左利きの選手が使う場合、右利きのフォア側にロングサーブを出し、クロスに打たせたところをブロックorカウンター、というパターンが使いやすいので、このラバーの長所を最大限に生かしやすいですね。その点で考えると、左利きの選手が使う場合には、さらに+αをつけてよいのではないでしょうか。

9.その他
 攻守ともにできる「万能型」といっていいラバーですが、ロングサーブの異様な威力+ブロックのしやすさがさらに突き抜けていて…なんとも面白いラバーですね。自分は普段アポロ5超極薄を使っていますが、ロングサーブの威力の高さと対上回転の強さに惹かれて、スペアラケットにはしばらくこれを貼ろうかと考えています。