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投稿者:ザーシー


[自己紹介]
  ・卓球歴 約15年
  ・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。
[レビューする商品名]
  ゴールデンタンゴPS
[使用環境]
  ・使用ラバー
  ゴールデンタンゴPS MAX 黒

  ・使用ラケット
  吉田海偉
  ダイナスティカーボンXuXinエディション中国式
  馬林エキストラオフェンシブ-中国式
  幻守-中国式
  張本智和インナーフォースALC-FL
  松下浩二-ST

[はじめに]
  ゴールデンタンゴPSはJOOLAから発売されている粘着性テンションラバーです。
  タンゴシリーズはJOOLAのテンション系ラバーの代名詞として長らく発売されてきましたが、ゴールデンタンゴシリーズはドイツ製粘着性スピン系テンションラバーとして発売されました。
  硬度54°のスポンジを搭載したゴールデンタンゴが2017年に発売され、続く形で反発力のある硬度50°のPowerSponge(パワースポンジ)を搭載したゴールデンタンゴPSが2019年に発売されました。
  今回レビューするのはゴールデンタンゴPSです。
  トップシートを触るとやや軟らかい感触で表面にボールが少しくっつく程度の微粘着の加工が施されています。
  キョウヒョウなどの中国製粘着ラバーの硬いシート+ベタベタの強粘着ではなく、ラザンターやブルーストームなどのドイツ製スピン系テンションの弾力のあるシート+微粘着という表現が適していると思います。
  またスポンジはやや気泡が多いタイプの弾力のあるスポンジです。
  ラザンターやテナジーよりも気泡は小さいですが、ブライスハイスピードと同じくらいの気泡の大きさはあります。
  またスポンジのローズカラーも色鮮やかです。
  スポンジの厚さはMAXと2,0mmがラインナップされています
  WRMさんのHPなどでは厚さ2.0mmのゴールデンタンゴPSがカットマンの方におすすめのラバーとして紹介されていますが、私はペンドラ+粒がメインなので厚さMAXを攻撃型として使用した感想を主にレビューさせて頂こうと思います。
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  ・基本打ち
  搭載されているパワースポンジは硬度50°と表記されていますが思っていたよりも軟らかくシートの食い込みも良いのでボールをしっかり掴んで打球することができます。
  中国製など粘着性ラバーはシートとスポンジが共に硬いものが多くフラットにボールを当てるとシートの粘着力で一瞬くっついたあとに硬さで弾くというような打球になるものが多いです。
  しかしゴールデンタンゴPSはドイツ製で粘着性ラバーでありながら食い込みが良くボールを掴んでくれるので球持ちが良いです。
  またディグニクスやラザンターなどのスピン系テンションよりも弾みは劣るものの、キョウヒョウネオ3などの粘着性ラバーよりはかなり弾むのでスピン系テンションからの移行でもゴールデンタンゴPSは問題なく使えると思います。
  弾道が直線的になりすぎることもないのでラリーでの安定性も抜群です。
  ドイツ製粘着テンションということである程度のクセの強さのようなものを想像していたのですが、ラリー繰り返す上では思っていたよりも使いやすく感じました。

  ・ドライブ
  スピン系テンションのシートに粘着がプラスされたことで引っ掛かりが強く非常に回転量の多いドライブを打つことができます。
  近年はテナジーやディグニクスと比較しても互角かそれ以上のグリップ力を誇るドイツ製スピン系テンションが各メーカーから続々とリリースされていますが、ゴールデンタンゴPSはそこに微粘着を加えたことで一段階上の回転量のあるドライブを打つことができると感じました。
  弾みはディグニクスやラザンターの方が上で、スピードとスピンを組み合わせた総合的なドライブの威力は正確に判断することは難しいですが、回転量という面ではゴールデンタンゴPSはトップクラスを誇るラバーだと思います。
  またキョウヒョウなどの中国製ラバーには劣るものの、粘着性ラバー特有のドライブのクセ球もある程度出すことが可能です。
  ノングルー化以降、中国製粘着ラバーにグルーを塗った際に出せる独特のクセ球を再現できず粘着性ラバーの使用を諦めた方もいらっしゃると思います。
  全く同じ感覚を再現できている訳ではありませんが、近年発売されたラバーの中ではゴールデンタンゴPSがかなり近い感覚のクセ球を再現出来ていると思います。
  強く擦り上げたドライブは非常に高く打ち上がり山なりの弧線を描きます。
  一瞬オーバーするのではと思ったところでズドンと相手コートに突き刺さり低くバウンドしながら少し伸びる独特な弾道を描きます。
  このクセのある弾道は自分でドライブを打球するよりも相手にゴールデンタンゴPSでドライブを打ってもらった方がよりわかりやすいです。
  またボールを面に厚く当てるとラザンターなどのドイツ製スピン系テンションと同じような速く鋭い弾道になります。
  極端に表現すれば上に擦りあげれば中国製粘着ラバーのようなクセのあるドライブ、面に厚く当てればスピン系テンションのような鋭いドライブを打ち分けることができます。
  またループドライブでは弧線の高低差がより大きくなるので自分の戻りの時間を稼ぎながら相手を崩すことが可能です
  またカーブドライブは厚く当てることでスピン系テンションのようなスピードを出すことができ、シュートドライブは横に大きく擦ることで粘着性ラバーのようなクセをつけることができます。
  ペンの裏面ドライブではフォアより曲がる弾道になり低いバウンドからの伸びも大きくなることでよりクセが強いボールになります。
  ドライブマンの方には多彩なクセ球とスピードのあるドライブを打ち分けることで相手を崩すことができるゴールデンタンゴPSを一度試して頂きたいです。

  ・スマッシュ
  食い込みが良いのでボールを掴んで投げるようなスマッシュを打つことが可能です。
  硬い粘着性ラバーはシート表面でバチっと弾くスマッシュになるものが多くその点がスマッシュを多用する速攻型の方に支持されていますが、ゴールデンタンゴPSはドイツ製粘着ラバーなので中国製よりも軟らかく掴む感覚があります。
  スピン系テンションでの掴む感覚のスマッシュが合っている方と、硬い粘着性ラバーの鋭く弾くスマッシュが合っている方で好みが別れる部分だと思います。
  また球持ちが良いので左右のコースへの打ち分けもしやすく安定感があります。
  速いテンポでスマッシュをバチバチ連打するよりもチャンスボールを確実に狙ったコースへ打ち込むスマッシュが適していると思います。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  ・ブロック
  当てるだけのブロックは相手の回転の影響をモロにくらってしまいます。
  ただでさえ引っ掛かりが強いスピン系テンションのシートに微粘着が加わることで、相手の僅かに残った回転の影響を想像以上食らってしまい凡ミスが多発します。
  またペンのカット性ブロックはボールを強く切ることができ低い弾道で相手のエンドライン深くまでカットを送ることができます。
  カットマンに適したと絶賛されているラバーですがペンのブロックマンの方にもおすすめできるラバーだと思います。
  サイドスピンブロックも相手ドライブの縦方向の回転をうまく書き換えることができるので非常に心強いです。
  ブロックでは粘着性寄りの良い性能を引き出すことが可能です。
  スピン系テンション寄りのボールになる技術と、粘着性ラバー寄りのボールになる技術を上手く使い分けられれば相手にとって大きな驚異となるラバーだと思います。

  ・ツッツキ
  シート表面で強く擦ることができ鋭く低いツッツキを打つことが可能です。
  スピン系テンションでは不意に浮いてしまうツッツキがゴールデンタンゴPSでは浮きにくく弾道が安定していると感じます。
  しかしキョウヒョウなどの中国製粘着ラバーを使用している方がゴールデンタンゴPSでツッツキを打つとやや角度の鋭さ、弾道の低さ、回転量にもの足りなさを感じるようです。
  やはり中国製粘着ラバーのツッツキだけで相手をミスさせるような打球は難しいですが、スピン系テンションよりも浮かないツッツキは個人としては魅力的に感じました。

  ・カット
  カットマンにおすすめとされている2.0mmではなくMAXの厚さですが一応カットも試打してみました。
  食い込みが良く球持ちも良いのでぐっとボールを掴んでからズドンと切り下ろすスイングになり、非常に回転量のあるカットボールを打つことが可能です。
  私の腕の無さが大部分の理由であることはもちろんですがやはり厚さMAXでは多少オーバーになってしまう傾向が強いですが、カットマンの方が厚さ2.0mmを試打すればより性能を引き出すことができると思います。
  またカットでのバウンド後の低い弾道は非常に返球しにくく、ループドライブを真上にぐいっと擦ることで何とか返球できるほど強い下回転がかかっていました。
  また中国製粘着ラバーよりも悪く言えばボールの飛距離が出てしまいオーバーに繋がりやすいですが、良く言えば飛距離が出しやすいので後ろに大きく下げられても相手のコートにボールを返球することが出来ます。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  ・サーブ
  シートの引っ掛かりが強く微粘着が施されているのでサーブ時はボールが非常に切りやすいです。
  粘着性ラバー特有の軽く擦るだけで多彩な回転を出すことができる点はゴールデンタンゴPSも同様です。
  ディグニクスなどのスピン系テンションでは慣れていないとボールを擦ろうとして面に厚く当ててしまい、サーブがあらぬ方向へ中途半端に浮いてしまうこともあります。
  しかしゴールデンタンゴPSはスピン系テンションよりも弾みが抑えられていることに加えてシートが微粘着性であることでショートサーブが非常に打ちやすいです。
  スピン系テンションでのショートサーブがどうしても伸びたり浮いたりしてしまう方はサーブの練習用として一時的にゴールデンタンゴPSを使うことも良いと思います。
  またロングサーブでは厚くミートさせることでスピードのあるサーブを打つことが可能です。
  上回転を加えたスピードロングや横回転ロングサーブは相手を左右に大きく振ることができるのでショートとロングでサーブに死角がないこともゴールデンタンゴPSの強みだと思います。

  ・レシーブ
  ショートサーブに対しては鋭い角度のツッツキや低く短く止まるストップ、浮いたボールに対してはシートの微粘着を活かして回転をかけたフリックやチキータ、台から出たロングサーブには強く擦りあげるドライブレシーブで対処できるので不得意なレシーブもあまりありません。
  粘着性スピン系テンションの性能が高いレベルに到達するとサーブレシーブの死角がなくなるという優れた特徴があります。
  この点は今後粘着性スピン系テンションが台頭する時代に突入すればより顕著になっていくと思いました。

  ・台上技術
  レシーブの項にも書きましたがバッグでのチキータが強く回転がかかり、スピン系テンションよりも弾みが抑えられていることでオーバーやネットもしにくく威力と安定性のバランスが高いレベルで実現されています。
  また微粘着性シートによって回転がかけやすいので、ペンのプッシュではボールの上部を擦るように打球すると上回転がかかって+αの威力を加えることが可能です。
[おすすめな方]
  かつて粘着性ラバーにグルーを塗って使用していた方に試して頂きたいです。
  グルーを塗った粘着性ラバーの独特な打球感を再現する為に様々なアプローチがされてきましたがなかなか近い感覚の再現は難しいかったと感じます。
  全く遜色なく同じという訳ではありませんが、ゴールデンタンゴPSはグルーを塗った粘着性ラバーに近い感覚があります。
  特に擦り上げたドライブのクセ球は独特の弾道を描き、テナジーやラザンターなどのスピン系テンションとは一線を画す異質なものとなります。
  また面に厚く当てて打球すればドイツ製テンション特有の弾みのあるボールになり、擦る打球では粘着性ラバー特有のクセを出すことが可能なので緩急をつけて相手を崩すことが可能です。
  アリレートカーボンなどの特殊素材ラケットと組み合わせてスピードとスピンを活かして球種の多さと死角の少なさを武器にプレーをする方におすすめです。

[まとめ]
  ノングルー以降、それまで粘着性の第一線を走っていたキョウヒョウやテンキョクを始めとする中国製粘着ラバーのスピード不足が大打撃となりテナジーなどのスピン系テンションへの移行するドライブマンが増えました。
  またタキファイアなどの粘着性ラバーを使用していたカットマンも続々とスピン系テンションに貼り替え攻撃的な戦型へとシフトした為、粘着性ラバーユーザーは激減の一途を辿りました。
  少からず粘着性ラバーの新作がラインナップされることがありましたがグルーを塗った粘着性の代替品と言えるラバーは登場せず、各メーカーからはポストテナジーを目指したスピン系テンションが数多く発売された数年間でした。
  しかしここ数年でテナジーに匹敵するスピン系テンションが各メーカーから出揃ったタイミングで粘着性スピン系テンションを各メーカーがリリースするという傾向にシフトしてきています。
  4月にはバタフライのディグニクス09CやヤサカのラクザZなど粘着性テンションの新作ラバーがリリースされます。
  粘着性スピン系テンションが台頭する新しい時代に突入するのか、ディグニクスなどの従来のスピン系テンションがこれまで同様に市場をリードしていくのか注目していこうと思います。