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投稿者:ぬりかべ 

1.ざくっとレビュー
 攻守のバランスがよく、オートマチックな変化はさほど大きくないものの、自在性が抜群に高い中〜上級者向き粒高ラバー。

2.第一印象
 重量は、ラケットに貼って接着シート込みで21g。粒の大きさはやや小さめでGrassDtecsあたりと同じぐらいでしょうか。粒の密度はGrassDtecs(以下Grassと記載)よりも高めです。触った感じでは粒は軟らかめです。球突きをすると、さほど弾むようには感じません。

※以下の点数は、すべて「粒高として」の点数です。
3.攻撃技術
 プッシュ 9点
 スマッシュ 7点
ドライブ  8.5点
 プッシュでは、守備技術ではほとんど見られない「テンションらしさ」が出て、スピードのあるボールを打つことができます(Grassにはやや劣りますが)。球質は「どナックル」にはならず、普通のプッシュでは弾道が素直ですが、シート表面でボールがスリップすることが少なく、ある程度回転を加えることができます。そのため、横回転を加えて曲げたり、弧線を描かせたりと自在性は高めですね。
 スマッシュは、粒が自然に「ぐにゃっ」と倒れるため、若干打ちにくさを感じました。ただし、粒を倒して少し前進回転をかけることができるので、少しかぶせるように打つと安定感は高めです。プッシュと同様にスピードも出るので、軟らかい打球感に慣れれば良い武器になるかと思います。球質は粒高としてはやや素直なように思いました。
ドライブでは、粒が自然に倒れるためボールが落ちることがなく、打点を下げても弧線を描いて入れることができます。スピードも出るため、つなぎのボールとしても決定打としても使えます。

4.守備技術
 ブロック 9点(切れ9点 変化のつけやすさ9.5点 安定感8.5点)
 ツッツキ 7.5点
 ブロックでは、当てるだけで自然と下回転がかかるわけではなく、ボールの後ろをとらえるとナックルに近いボールが出ます。ボールの斜め下をとらえると切れた下回転ブロックになりますが、MAXの回転量はGrassには劣るように思います。ただし、テンション系としては弾道が低く、短く止めることができ、フラット系の強打も抑えやすくなっています。また、横回転を入れると相手の手元で鋭く曲がり、軽く押すと揺れるブロックになるなど、球質の変化はかなりつけやすくなっています。とことん切ってネットミスを連発させるより、球質の変化で相手を惑わすプレーに向いているかと思います。
 ツッツキでは、粒が倒れやすいため下回転はかけやすいと感じました。ネットミスをとれるほどではありませんが、ツッツキのフォームから軽くプッシュして上回転、ツッツいて弱い下回転、と回転の変化でチャンスメイクするにはたいへん良いですね。
 遊びでペンカットもやってみましたが、これが思いのほか切れます。相手の強ドライブに対して切れるのはもちろんですが、弱い上回転やナックル気味のボールに対しても強めの下回転で返すことができ、自分から回転を作り出す性能が高いと感じました。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 台上技術点 8点
サーブ点 6.5点
レシーブ点 9点
台上技術では、特に良いのがフリック。ある程度自分から回転をかけられるので弾道が安定し、スピードもまずまず出るので、安定感も威力もあります。ストップは「テンションらしさ」がわずかに出て少し浮きやすくなりますが、ここは慣れで対応できるレベルかと思います。「ボールに対して斜めにラケットを入れる」感覚を持っていれば特に問題ないでしょう。思いのほかよかったのが、粒によるチキータ。相手の回転の影響を受けにくく、ある程度回転がかかって弾道が安定し、しかもまずまずスピードが出るのでなかなか使いでがあります。リフトは、ラバーがボールを持ちすぎてオーバーが多くなりました。
レシーブでは、非テンション系の粒高のように回転やスピードの影響を受けにくいように感じました。そのため、レシーブは全般的に低く短く止まります。また、Grassと比べてナックル性ロングサーブへの対処がしやすく、安定感はかなり高めです。ただし角度を合わせるレシーブでは、安定するものの変化は大きくないので、中〜上級者が相手のときは、スピードの緩急をつけたりプッシュを曲げたりして自分から変化をつけないと3球目攻撃で狙われやすくなるかと思います。
 サーブは「回転がちょっとかかる」という程度。OXなので強くスウィングするとボールが板に当たるような感覚があり、Grass0.5mmやSuperKimほどにはスピードや回転のあるサーブは出しにくいですね。ナックル性ロングサーブは球質が「ドナックル」になってそこそこスピードも出るのですが、1試合で何本も使えるほどではありません。「普通の粒高よりはちょっといいサーブが出せる」という程度でしょうか。

6.お勧め構成
 ブロックの良さが光るラバーですが、「切る・切らない」の変化のつけやすさや攻撃技術全般の良さを生かすことを考えると、弾みを押さえた完全な守備用ラケットでなく、そこそこ弾みもある和の極み-碧-や幻守もしくは幻守Lあたりの、それなりに弾みのあるラケットに貼るとよいかと思います。和の極み-蒼-に貼るのも面白そうですね。

7.どんな人にお勧めか
 自然に変化が出るタイプではないので、自分から変化をつけにいける中〜上級者向けですね。攻守ともに良い性能を持っているので、守備が中心の選手でも、積極的に攻める選手でも満足して使えるかと思います。
 Grassほどの変化は出ないものの、扱いやすさは格段に良いため「Grassを使いたいが、難易度が高く断念した」という選手には最適かもしれません。
 自分のチームにデスペラードから移行した選手がいますが、このラバーに変えてからプッシュスピードやカットブロックの切れが増しているようです。普通の粒からステップアップしたいが、硬めの粒はいまいち合わない、という選手も試す価値が十分にあると思います。

8.総合評価
 粒高の中〜上級者が使うには、9点以上をつけて良いラバーかと思います。Grassの切れやShmerzの低弾性のように突出した性能があるわけではありませんが、どの技術も平均的な粒高の性能を上回り、全体的なレベルの高さが光ります。
 粒高の初級者が使うならば「当てるだけで大きな変化が出る」わけではないので、7.5〜8点ぐらいかと思います。

9.その他
 テンション系の粒高と言えばGrassDtecsが代表格ですが、このラバーも総合力では決して負けていないように思います。言うなれば「自動的に切れるGrassDtecs」に対して「切る切らないを自在に操れるRasantChaos」と言ったところでしょうか。
 これもまた、いい粒高ラバーですね。