投稿者：Y.A.


■モニター環境・自己紹介
年齢　　　 ２０代中盤
卓球歴　　 １３年（粒高歴　１２年）
最好成績　 東海学生男子シングルス　５位
ラケット　 特注日本式角丸ペン反転(TSP)かなりの低反発なものです。
ラバー　　 Original(HallMark)　RED
比較ラバー バンブーカールP−１(TSP)
練習相手　 某県の県大会クラスの高校生
　　
今まで使用(無駄？)した粒高はTSP・バタフライ・ヤサカ・JUICのほぼ全てと３８８D(DAWEI)です。なので腕はともかく一応経験はあります。


■最初に

　欧州や韓国で大人気のホールマーク日本初上陸!!ノイバウアー氏はここから独立したそうで商品もよく似ているそうです。ノイバウアーシリーズの粒高は３割引通販でも7000円近くしますからそれに比べるとホールマークシリーズはずいぶん安いですね。

 

　慣れない英語のＨＰを訳しながらオリジナルの赤のモニターをさせて頂くことにしました。ホールマークの中でも最も低反発で変化が大きいものです。今話題の摩擦係数が非常に低い粒高です。中国製の裏ラバーは赤黒によって性質が違うとは聞きますが、色によって性質の違う粒高ラバーというのも初めて見ました。世界ジュニア男子で３位になった選手も使用しているモデルです。回転の反転機能に優れたアンチ処理をした粒高なので、私も長年愛用したＴＳＰのバンブーカールＰ１(以下バンブー)を比較ラバーにしました。

 

 

■第一印象

　オリジナルのシートはバンブーに比べ少し薄いです。透明感があって向こう側が透けます。光沢もあります。布目はバンブーに比べかなりしっかりついています。そして粒はバンブーよりかなり硬いです。でも摩擦は指で触った感じでは意外にバンブーよりあります。粒の高さ・太さ・密度は肉眼で見る限り大きな差はありません。材質的にはちょっとプラスティックみたいな感じです。余談ですがラケット交換時にヤサカのオリジナルと勘違いしていて試合中に混乱している方もいました(笑)

 

 

 

■試打感想

守備

　これは・・・、限度を越えて飛びません！！今回弾みを抑えたラケットを使用していることを加味しても極端な低反発です。自己紹介で書いたような粒高を今まで使ってきましたがここまで飛ばない粒高は初めてです。ブロックのときオーバーすると思ったボールがネットまで届かないこともありました。ブロックのオーバーは極端に減りましたが、ネットに届かず失点するボールが増えました。慣れたら調節できるとは思いますが・・。

 

　ブロックの時の回転反転作用はバンブーより少し強いと思います。オリジナルは粒が硬いので倒れるか心配でしたが、根元が柔らかいのかきれいに倒れました。ドライブに対して力を抜き回転に逆らわないように軽くラケットを落とすと回転がきれいに反転します。しかし自分で切ってカット性のブロックを出すのは大変難しいです。摩擦がないため表面ですべり回転はかけにくいです。

 

　つっつきの切った切らないを自分の意思でやるのは大変難しいと思います。粒に対して垂直に力にかかるブロックと違い、ラケットの面を立てて擦っても粒が倒れず表面で滑るだけです。私の技術ではナックルにしかなりませんでした。

 

攻撃

　プッシュの第一印象は、・・遅すぎ・・。最初プッシュが相手コートまで飛びませんでした。かなりインパクトを強くすれば粒高特有のナックル性の初速の早いボールが出ますが、失速が激しいです。相手がスローモーションを見ているようだと言っていました。カウンターを打とうした相手が、ボールの到着前に空振りをすることもありました。角度を間違えオーバーすると思ったプッシュがフラフラと落ちコートに入ることもありました。スマッシュもかなりインパクトを強くして粒が倒れきった状態で叩けば、プッシュ同様失速の激しいボールが出ます。しかしちょっとでもインパクトが弱ければボールは真下に真下に落ちます。私の感覚ではバンブーカールと同じくらい攻撃は難しいですね。

 

 

■オススメの選手

このオリジナルはかなりクセが強いため使い手を選ぶと思います。

 

1.裏(表)ソフトでの攻撃ができる選手

　よほどインパクトに自信のある上級者は別かもしれませんが、攻撃は難しい粒高です。ペンの異質攻守であればラケットの反転速度を速め、チャンスボールを裏(表)ソフトで攻めるか裏面打法での攻撃をできるようにしたほうが良いです。また粒を使う頻度が少なく普段の練習が裏(表)ソフト主体の選手にとっては変化をつけやすい粒高として良いと思います。シェークのバックに貼る異質攻守の選手も裏(表)ソフトで攻撃ができないと苦しいと思います。フットワークを付けチャンスボールに回りこむか、反転してバックハンドを振ることをオススメします。上記のような選手であればこのオリジナルでチャンスを作り、裏(表)ソフトで攻められるのでオススメです。また裏(表)ソフトとのスピードの落差も期待できます。

 

2.裏(表)ソフトでの攻撃のために、弾むラケットを使いたい選手

　このオリジナルを他のアンチ処理した粒高と比べた時の最大の特徴はその低反発です。ノイバウアーのスーパーブロックを使用したことがある友人もオリジナルの低反発には驚いていました。これならカーボンや合板数の多い硬いラケットと組合しても問題ありません。今まで粒高のために弾まないラケットを使用し、裏(表)ソフトのスポンジを厚くしていて、重さが気になっていた選手にはお勧めです。ラケット＋裏(表)ソフトの選択の幅が広がります。

 

3.アンチ処理していない粒高を使っても攻撃のできず、裏(表)ソフトの攻撃もできず守備を極めたい選手

　私はこれです(笑)粒高での攻撃は何を使ってもあまりしませんし、裏ソフトも多用しません。粒高の守備に特化して卓球をやっております。このオリジナルは勝手に変化がつきますが、その反面自分で変化をつけるのは難しいと言えます。逆を言えば守備のスペシャリストとして、このオリジナルを自分の思い通りに操れれば大変大きな武器になります。


 

■正直あんまりオススメできない選手

　　自分で切った切らないなどをはっきりつけたいカットマンなどにはあまりオススメできません。またペンの方で攻撃や台上も含めなんでもオールラウンドにできる粒高を求める方にもお勧めできません。

■打込後
　数日打ち込んでみました。低反発にも慣れてきました。安心して早い打点で捕らえることができますし、少し打点を遅くして台の中で２バウンドするブロックも簡単にできるようになってきました。基本的には普通の粒高より打点を早くすると良いです。ネットまで届かないブロックも随分減りました。攻撃は相変わらず難しいです。そのため今まであまりやらなかった裏面打法を強化中です。ただ発見したのは短いボールに対してフリックのように軽く叩くと伸びないナックルが出て、相手は打つに打てないので攻撃につなげやすいです。チャンスメイクは非常に作りやすいのでその後の攻撃ができれば私にとって理想の展開になりそうです。また切れ端で遊んでいて気が付いたのですが、このオリジナルは全く伸びないゴムでできています。ちょっと引っ張るとぷちんと簡単に切れてしまいます。一度貼ったラバーを別のラケットに貼り替えるのはやめたほうが良いです。しかし普通にラケットに貼ったまま卓球をしていれば特に耐久性に問題があるわけではないようです。