投稿者：シーザー琥珀
■自己紹介
卓球歴(戦歴) 16年(個人県ベスト8、団体県2位)
戦型 右ペン粒高異質攻守型
使用ラケット 7P-2A.05中国式
比較ラバー Friction Special(HALLMARK)
過去に使用経験のあるラバー Friction Special、Super Special、Super Special Extra(以上、HALLMARK)他
■背景
2008年7月より低摩擦粒高の禁止の新ルールが施行されます。Original等の低摩擦粒高が看板商品であるHALLMARKですが、新ルールをクリアする粒高として発売されたのがSuper Novaです(Friction Specialについては再試験中とのこと)。HALLMARKやDr.Neubauerの粒高、またはバンブーカール等を使用している選手には期待せずにはいられないラバーです。
■外観等
重量ですがBlackのOXでパッケージのままだと53g。本体(はじめからラバーに接着シートがついており、そのシートの粘着保護用の紙が付いています。)のみで28gです。重量に関しては、HALLMARKの今までの粒高と比べても大差ありません。
外観ですが、まず特徴的なのはシート表面にペタペタとした感じの粘着力があります。少しならばピン球を持ち上げることができます。シート表面に粘着成分を持つ液体をスプレーしたような後があります。また、おそらくシート表面の粘着力でシートとパッケージがひっつかないようにでしょう。ツルツルの紙が一枚はさんであります。
粒の形状ですが、粒が横目であることはFriction Specialと同じですが、Super Novaは粒の表面に凹凸がありません。スプレーしたような後はありますが、Friction Specialのような凹凸はありません。粒の大きさについては極めて若干ですが、Super Novaの方が小さく低いように感じます。粒の間隔はほぼ同じ、粒の裾が円柱なのは同じです。また粒の硬さはほぼ同じで、粒高としては極めて硬く、粒を倒すのはかなり困難です。なお、同じ板にラバーを置いた状態でピン球を弾ませてみましたが、かなりの低弾性です。Friction Specialと弾みは変わりません。(実際にラケットに貼って打つと少し変わるかもしれません。)
■外観からの感想
もっとも気になるのはシート表面の粘着力です。まず、この粘着力は長くもつものなのか？（Friction Specialにも物によって表面に粘着力を持つものがありましたが、粘着力はすぐに落ちました。製造上の副産物だった？）シートとパッケージの間にツルツルの紙が挟まれていたので、意図を持つ粘着力なのだとは思いますが。この粘着力がどのような効果をもたらすのか、まったく想像がつきません。
Super NovaはFriction Specialと同様に使えるのか？
正直な気持ちとしてはかなり不安です。おそらく大抵の人がそう思うと思います。
近々に試打を行いレビューを書きたいと思います。
■試打
全国出場選手数名が在籍するベテラン社会人クラブと県ベスト１６クラスの高校で行いました。なお、数日練習した後、試験的に７試合(ダブルスを含む) を行い４勝３敗でした。
攻撃技術全般
Friction Specialに比べると相当に打ちやすくなっています（一般の粒高に比べれば相当に打ち難いですが） 。粒表面の粘着力の効果が確実にでています。粘着力の効果で若干ひっかかりがあるので、かなり攻撃技術の幅が広がります。特に対上回転の攻撃は相当にやりやすくなっています。弾みに関しては若干、Friction Specialよりも弾むように感じたこともありますが、それほど変わらないと思います。打球感は一般的な粒高よりは、だいぶアンチ加工低弾性粒高に近いです。
ただ、プッシュ等の対下回転の攻撃は少し注意が必要です。Friction Specialに比べ、角度調整がシビアで、少し落ちやすいです。
守備技術全般
まずアンチ加工粒高の特長であるスピン反転能力ですが、これは相当に性能が落ちています。確実に粘着力の影響です。Friction Specialと比べても確実にスピンの反転量は落ちています。Friction Specialはやや上向きの角度でブロックしておけば、勝手に滑ってスピンが反転する感じでしたが、SuperNovaはカット性ショート等でスピンの反転を補助してやらないと十分に切れません。ただ、相当に弾まないので、切りやすいとは思います。
正直、このスピン反転能力が落ちた点は相当に痛いです。
サーブ・レシーブ・台上技術など
レシーブ、台上技術でもっとも感じるのはFriction Specialに比べ角度調整に気を使わなくてはならなくなった点です。確実に回転の影響を受けやすくなっています。ただ、それでも一般の粒高に比べれば、だいぶ回転の影響は受け難いです。表面に粘着力があるものの、粒が非常に硬いので、粒が倒れず、ピン球との接地面積が小さいことが原因と考えます。
■おすすめなプレーヤー・まとめ
まず第一に、Friction Specialと比べてスピン反転能力が落ちたのは相当に痛いです。また回転の影響を受けやすくなって点も痛いですね。Friction Specialよりも慎重な角度調整が必要です。ただ、これらの問題は表面の摩擦係数を大きくしなくてはならない以上、仕方がないことだと思います。
しかし、打球感や、低弾性な点はかなりアンチ加工粒高に近いと思いますし、またベースとなる角度もかなりアンチ加工に近いです。また、ポジティブに捉えれば粘着力の効果で相当に上回転に対する攻撃、特にフォア攻撃の幅は広がっています。この点はSuperNovaの評価すべき点だと思います。
アンチ加工からSuperNovaに乗り換える方はかなり多いと思いますが、乗り換えるのならば、フォア攻撃の量、幅を増やすことと、スピン反転技術についてもう一度、見直す必要があると思います。
SuperNova自体、それなりにアンチ加工粒高に近いとは思いますが、やはり、違うものといえば違うものです。粘着力があるので当然ですが。
SuperNovaは粘着性硬質粒高というような新ジャンルのものであり、アンチ加工粒高とは違うものと捉えた方が良いと思います。
