スキュラ












投稿者:ろっくさん

■モニター環境・自己紹介
卓球歴:14年
プレースタイル:シェークカット+攻撃型(ペンツブ歴約8ヵ月)
使用したラケット:極守・反転式(JUIC)
<F> 塞拉SCYLLA[スキュラ]・OX(SWORD[世奥得])
<B> Bombardゴクウス(BOMB)
比較対象:今回のスキュラはミート打ちのしやすいツブ高ということですので、
使用感がよく似ていると感じたTSPの「カールP‐H」(以下PH)、
そして超人気ツブ高のHALLMARKの

「FrictionSpecial2」(以下FS2)と比較していきたいと思います。


■第一印象
第一印象は「薄っ!!」に尽きます。
シートはFS2と同等の薄さで、見るからによく止まりそうな印象を受けます。
赤色のラバーだと見事に木目が透けて見えるため、
木目のはっきりしているラケットや文字の書いてある面に貼る際には黒色を推奨します。
ツブ形状、ツブ配列についてもFS2によく似ているため、
スキュラのイメージとしてはFS2の引っかかりを落とし、若干ツブを柔らかくしたという感じです。
しかし打球感はPHに近いので、
攻守を安定させて使いやすくしたPHと表現してもよいかもしれません。
あと、第一印象で気になったのはツブ表面のバリです。
ケバケバとゴミのようにツブにバリが付いている部分があり、
使用していると少しずつ増えて全体に広がってきます。劣化の早さが少し心配されます。


■試打 
※各技術について5段階で評価し、★で表しています。
カッコ内は各技術についての総合比較です。


攻撃技術全般
≪ドライブ≫評価:★★☆☆☆(スキュラ≒PH<FS2)
ツブ高ドライブの回転量は知れていますが、安定感は想像以上でした。
極守の超低弾性の影響もあって、FS2を貼ったときはツブ高ドライブを
ネットまで届かせるのに一苦労といった感じでしたが、
スキュラの場合はしっかりミートしてやれば自然と前に飛ぶ感覚があり、
表っぽいイメージでドライブを打つことができました。この辺りの感覚はPHによく似ています。
ただ、FS2のように引っかかりがよいわけではないので、擦りすぎるとネットに突き刺さります。
やはり「ドライブ」と言ってよい弾道が出るツブ高はFS2くらいではないかと思います。


≪スマッシュ≫評価:★★★★☆(FS2≒PH<スキュラ)
3球目攻撃がとても打ちやすいと感じました。PHは持ち前のツブの硬さのおかげで、
思い切り打ち抜くスマッシュは3つのラバーの中で最も優れていますが、
少し加減して打とうと思うとコントロールがいまひとつです。
一方、FS2は引っかかりのおかげでコントロールはよいのですが、
素直な弾道になりやすいのが難点です。スキュラは、
チャンスボールに対してはしっかり叩くことができるうえに、
ツブ高らしいレシーブの回転を残しながらの3目攻撃も打ちやすいので、
幅広い攻撃パターンで仕掛けることができるように思いました。


≪プッシュ≫評価:★★★★☆(FS2<スキュラ≒PH)
極守と合わせていることもあって決定力のあるプッシュは難しいですが、
相手のつなぎのボールに対してプッシュで十分にプレッシャーを与えられるように思います。
弾みのよいラケットに貼ればプッシュは間違いなく武器になるでしょう。
また、触ってみた感じではスキュラのツブは他の2つと比べても明らかに柔らかいのですが、
プッシュ時にはあまり倒れず、ツブの表面で弾くような感覚がありました。
そのおかげでPHに近いテンポでのプッシュが可能となり、
自分はやりやすいのに相手が勝手にミスをしてくれるという楽しい現象が起きました。

守備技術全般
≪ブロック≫評価:★★★★☆(PH<FS2<スキュラ)
止めるだけのブロックでは変化はいまひとつですが、
相手の強いドライブに対してはツブが素直に倒れてくれるので、回転も残り、十分に安定しました。
ツブが硬くて変化がつきにくいうえに、軽打に対してのコントロールが難しいPH、
そして引っかかりのよさの影響で球威に押されやすいFS2と比べても、
止めるだけのブロックは好印象でした。


≪カット性ショート≫評価:★★★☆☆(PH<スキュラ<FS2)
切れ味については、3つの中では圧倒的にFS2が優れていると思います。
ただ、スキュラにはFS2よりも安定感があるように思うので、
少々強引にカット性ショートで切りにいっても台上に収めることができました。
攻守の安定性に優れたスキュラは、ビギナーがカット性ショートやサイドスピンブロックといった
変化ブロックを習得するうえで能力を発揮しやすいラバーだと思います。


サービス・レシーブ・台上技術
≪サービス≫評価:★☆☆☆☆(スキュラ<PH<FS2)
サービスは考えない方がよいと思います。意外にサービスが切れるFS2、
スピードサービスが出しやすいPHと比べると、全く特徴が見えてきませんでした。
一か八かのツブ高サービスで1点はもぎ取ってみてください。


≪レシーブ≫評価:★★★☆☆(スキュラ≒PH<FS2)
レシーブについては三者三様といった感じです。打ってよし、
止めてよしの安定感を兼ね備えたスキュラ、一枚表ラバーの感覚で積極的に攻められるPH、
ロングサービスやナックルに対して切りにいけるFS2、というように、
レシーブの状況に応じてそれぞれの特徴が生きてくるように思います。
甲乙つけがたいのですが、やはりペンツブの鬼門であるロングサービスに対して
自分から切りにいけるFS2が若干勝っているかと思います。


≪ツッツキ≫評価:★★★☆☆(PH<スキュラ≒FS2)
相手のツッツキに対して自分から切りにいくことは難しいです。
むしろツッツキ打ちにこそスキュラの醍醐味があるように思います。
PHもツッツキに対しては球速の速いプッシュや角度打ちで攻めて得点するラバーですが、
やはりツブが硬いため短くコントロールすることが難しく、前後の揺さぶりに難しさがあります。
一方、スキュラは攻守にメリハリがあるので、
左右だけでなく前後への揺さぶりが容易であるといえます。
このコントロールのよさは、ツッツキが切れるツブ高FS2と
同等の価値があるのではないかと私は思います。
カット型とのツッツキ合戦に粘り勝つための自信をつけたい方にはおすすめです。


■おすすめしたいプレーヤー
言うまでもなくペンツブの方に試してもらいたいラバーです。
特にペンツブビギナーにおすすめです。攻守の安定性が根拠にあることはもちろんですが、
価格の面から考えても試してみる価値は十分にあると思います。
また、FS2が手に入らずイライラしているペンツブの方に
代替品として使用してもらうのもよいかと思います。
ツブの引っかかりと硬度こそ違うものの、ツブの形状や配列、
シートの厚さは非常に近いものがあります。
FS2へスイッチする際の打球感の違いを軽減するためにも
おすすめできるのではないかと思います。また、スキュラはスポンジ付きのものもあるので、
バックのツブ高面で積極的に攻撃したいシェークの異質型にも性能を発揮してくれると思います。


■まとめ
私が指導しているペンツブの中学生には、
まずはスキュラから試してみるようにアドバイスしています。
その理由は再三にわたって述べてきている「攻守の安定性」が大きいですが、
それだけでなく「フォア打ちのやりやすさ」という点も重要なポイントだと考えています。
初心者にペンツブをやらせる際には、ツブ高の扱いに早く慣れさせるために
基礎練習の段階から積極的にツブ高を使わせるように指導しています。
そのため、フォアでのラリーがなかなか続かなかったり、練習相手が変化を嫌がったりして、
気が付くと裏ソフトに反転して練習しているといった様子を目の当たりにしてきました。
そうしたツブ高への嫌悪感を取り払うために、
基礎打ちにストレスを感じることなく打てるツブ高をずっと探していました。
そしてめぐり合ったのがスキュラでした。先日もペンツブの1年生にスキュラを使わせてみると、
その使いやすさと安定感に驚いており、早速校内ランキング戦で結果を出していました。
FS2やGrass D.TecSといった高性能ツブ高の影に隠れてしまっているスキュラですが、
その性能には確かなものがあります。是非ともお試しください!!

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