1Q


























投稿者:ろっくさん


【1】ざくっとレビュー

上級者向けスピン系テンションラバー。ボールの速さと飛距離に優れ、
台から距離をとってのドライブの引き合いに強い。
台上での細かい技術もやりやすく、まさにTIBHAR“1Q(一球)入魂”のハイスペックラバー。


【2】第一印象

パッケージから漂う高級感、開封後に驚く斬新なシートのデザイン、
そしてユーザーにとっては衝撃的(?)な価格設定。
このラバーにかけるTIBHARの熱い思いがひしひしと伝わってくるハイクオリティな一品です。
恐る恐るラバーをカットし、重量を量ってみると約50グラム。
カットマン用サイズのラケットに貼り合わせたこともあり、ずっしりと重量感のある仕上がりです。
今回は赤色のものを使用しましたが、シートには透明感がなく、
若干ピンクがかった色をしているのが特徴です。
androの「HEXER HD」のシートに質感がよく似ています。
スポンジは気泡の荒いオレンジ色のスポンジで、
コシの強い弾力性に富んだものが採用されています。
球突きの印象としては、とにかく“飛ぶ!!”に尽きます。
使用感としてはバタフライの「テナジー64」を少し硬くした感じです。
価格設定的にもテナジーシリーズをライバル視しているような気がするので、
今回はテナジーシリーズと比較しながら「1Q」の特徴をまとめていこうと思います。
一応、間隔を置いてではありますが、
FXもふくめて全てのテナジーシリーズを使用した経験があります。


【3】攻撃技術全般

<ドライブ>9点

中・後陣からのドライブに関してはバツグンです。
回転量ではテナジーシリーズに若干劣る印象を受けましたが、ボールの速と飛距離では
「1Q」に軍配が上がります。
そのため、台から距離をとってのドライブの引き合いがビックリするほどやりやすく、
あまり力を入れなくても良いボールが連続で入ってくれました。
前陣でのドライブも悪くはありませんが、少し飛びすぎる感覚があり、
回転をかけきる前にボールが飛び出してしまうためオーバーミスが多くなってしまいました。
下回転に対するドライブも問題なく、ツッツキやカットが楽に持ち上がりますし、
鋭く振れば一発でぶち抜ける破壊力がありました。
ドライブ技術に関しては、私が最近使ってきたものの中ではダントツに優れているように思います。


<スマッシュ>8点

かなり打ちやすいです。スピン系テンションラバー特有の肉厚シートがしっかりボールを捉え、
気泡の荒いスポンジが勢いよく弾き出してくれるという感じです。
感覚としては「テナジー64」でのスマッシュに近いように思います。
ただ、ちょっと弾きが良すぎてしまうところがあるので、バチッとフラットで当てるよりは、
若干前進回転を加えるイメージで打ってやるとコントロールしやすいです。


<カウンター>8点

カウンターブロックについては、相手のドライブに合わせて止めているだけで
ボールが伸びるので非常に感触が良いです。
特にバックハンドでのカウンターブロックが好印象で、打球時にちょっと押すだけで
ボールがグッと伸びてくれました。この感覚は「テナジー05」に近い感じがします。
一方で、カウンタードライブについては、先述のように少し飛びすぎる感があるため、
私の打ち方ではあまり安定して入りませんでした。
ただ、中陣くらいに下がってカウンタードライブをしてみると比較的安定したので、
台から少し距離をとってプレーする方に相性が良いように思います。


【4】守備技術全般

<ブロック>8点

弾みが良く、止めているだけで回転がかかってくれるので、とてもリズミカルなブロックができます。
また、ラケットにもよるのかもしれませんが、
打球音がしっかり鳴ってくれるのでブロックでも攻めているような気分になれる点が好きです。
また、後陣からのカーブロングやフィッシュ、ロビングといった凌ぎもやりやすく、曲げたり、
伸ばしたりと小細工も入れやすかったです。
前での守備はテナジーシリーズと五分といったところですが、
後ろからでも得点できる可能性は「1Q」の方があるように思います。


<カット>6点

カットもブチっと切れます。
テナジーシリーズでカットが引ける方なら、スポンジ厚の調節をすれば十分に使えると思います。
ただ、カットを切るだけなら申し分ないのですが、
ラバーの弾みの影響でナックルカットが少し難しいように思いました。
出せないこともないのですが、反発力によるオーバーミスが怖いので、
どうしても切ったときと切らなかったときのフォームに違いが生まれてしまうように思います。
また、カットの球速も速くなってしまうので、
次球に対してすぐに体勢を整えるボディーバランスが必要です。
その点でテナジーシリーズは、攻守のメリハリにおいて「1Q」よりも優れているように思います。
個人的には最もメリハリのある「テナジー25・FX」がカットマンにお勧めですね。
ナックルカットと攻撃を多用するのであれば「テナジー64」が良いのではないでしょうか。


<ツッツキ>7点

従来のドイツ系テンションラバーとの大きな違い、
つまり「1Q」のスピン系テンションラバーらしさというのはツッツキが安定するという点です。
ドイツ系テンションラバーは、ツッツキのような繋ぎのボールに対してもスポンジが変形してしまい、
ボヨ〜ンとボールを弾き出してしまうことから、台上技術が難しいと言われています。
再三にわたって述べてきているように「1Q」も反発力は強いのですが、
ツッツキのような細かい技術においては、ボールがスポンジまで食い込まずに、
ほぼシートの部分だけでボールを捉えているような感覚で打つことができます。
そのため、ガツンとツッツくには勇気がいるものの、
表面で薄く捉えるように意識すれば非常に安定したツッツキが可能です。
そして切れます。この辺りはテナジーシリーズと同等かと思います。


【5】台上技術・サービス・レシーブ全般

<台上技術>7点

弱い回転のボールなら問答無用で持っていけてしまう力強さがあります。
特に台上でのフリックは好感触でした。また、厚いラバーでのチキータに慣れていないこともあって、
個人的には怖くて使えませんでしたが、攻撃型の方であれば難なくこなせるかと思います。
ストップについても、ラバーの弾みとシートの引っかかりを意識する必要がありますが、
難しい技術ではないように思います。台上での攻撃技術でも“弾くイメージ”で打つ技術に関しては
「1Q」の方が、“擦るイメージ”で打つ技術は
テナジーシリーズの方が優れているのではないでしょうか。


<サービス>8点

少し球足が長くなってしまうこともありましたが、回転量については文句ありません。
特にハイトスサービスは鋭く切ることができました。
サービスが得意な方、3球目攻撃が得意な方にお勧めできると思います。
しかし、逆にサービスが苦手な方にはお勧めしません。なぜなら「1Q」は“重い”からです。
当たり前のことかもしれませんが、ラケットは自分の振り抜ける重さのものを使うことが基本です。
自分の経験上、ラケットの重量が原因でサービスが切れずに悩んでいる方が時々います。
そういう方には「1Q」よりも軽くて柔らかいテナジーシリーズのFX、
特に「テナジー05・FX」をお勧めします。


<レシーブ>8点

非常に好感触だったのが、長いサービスに対して2球目で打ち抜く技術です。
グリップ力のあるシートが自分のスイングをしっかりボールに伝えてくれるので、
イメージ通りの弾道で打てることが多かったです。レシーブから積極的に仕掛けていく方には
良いのではないでしょうか。また、台上バックハンドドライブでのレシーブもやりやすかったです。
こうしたレシーブの感覚も「テナジー64」に似ている感じでした。


【6】おすすめラケット

今回はカーボンラケットに貼ってみて少し飛びすぎる感じがしたので、
個人的には7枚合板くらいがちょうどいいように思います。
おそらく5枚合板でも十分に反発力は維持できるのではないでしょうか。
合わせるラケットの硬度の好みは分かれると思いますが、ダイナミックなラリーを引きたい方は
硬めのラケットと合わせて、スポンジにボールをしっかり食い込ませながら打つようにすると、
よりパワフルなボールが打てるのではないでしょうか。
ただ、気をつけて欲しい点はやはり“重さ”です。
何と言ってもベラルーシのサムソノフ選手を始めとしたプロ使用の作りになっているので、
腕力に自信がない方はラケットと反対側の面のラバーで重量調整をすることが不可欠です。
私は今回、バック面に極薄ラバーを貼っていますので総重量は175グラム程度です。
両面に「1Q」を使用したら絶対私は触れません…。


【7】どんな人におすすめか

やはり裏裏のドライブマンにお勧めです。腕力に自信があってテナジーシリーズの打球感が
“柔らかい”と感じるくらいのパワーヒッターの方に是非使ってもらいたいです。
フォア面でもバック面でも両方使えると思いますが、やはりこの価格のラバーを使うのであれば
フォア面に貼りたいところですよね。
このラバーを両面に貼れる裕福な方とは是非お友達になりたいものです。 


【8】総評8点

TIBHARからは、テンションラバーの中でも回転量を重視したものとして
「ジーニアス」や「アウラス」がこれまでに発売されてきました。
「ジーニアス」については、どちらかと言えば昔ながらのドイツ系テンションラバーに近く、
「アウラス」はドイツ系テンションラバーとスピン系テンションラバーの中間くらいに位置する
印象を受けましたが、今回の「1Q」は正真正銘のスピン系テンションラバーです。
そして、価格設定や性能面からも、爆発的ヒット商品であるバタフライの
テナジーシリーズを超えようとするTIBHARの執念のようなものを感じてなりません。
きっと「1Q」のソフトスポンジやサウンドスポンジといった使いやすいバージョンも
今後発売されると思うので、それを期待して総評では8点としております。
「1Q」のポテンシャルはこんなものではないはずです。その性能、是非体感してみてください。


【9】備考

今回の使用ラケット

<ブレード>  特注アリレートカーボンシェーク(バタフライ)

<フォア>    1Q・2.1mm(TIBHAR)

<バック>   BACKSIDE 2.0 C・1.1mm(andro)