G4S32


























投稿者:かんなぎ


■モニター環境

使用ラバー:superspin G4(RED/32°/2.0MM)

普段の使用用具

R:バタフライ製柳3枚合板

F:APOLLO2 37度 1.8mm

B:トリプル・スピードチョップスポンジ



■第一印象

612等の濃いキャラクターを持った製品が特徴的な巨龍の新製品です。
どことなく既視感を感じるネーミングではありますが…
なおラバーと一緒に青い紙がパッケージに挟まれていたのですが、
粘着性がないのにも関わらずラバー表面にペッタリと貼り付きます。
近年各メーカーが発売している吸着シートのような感じで、
ラバーフィルムとして十分に活用できますこの紙。


〜シート〜
シートはsuperspin G4シリーズで共通の物を使用しています。
見た目は若干凸凹していますが他のスピン系テンションほどザラザラした表面ではなく、
ドイツテンションのように粒がハッキリと透けて見えるタイプでもありません。
暗くはないのですがややくすんだ色合いの赤で、
マジックカーボンよりも少し弱めの引っ掛かりです。
粘着力はありません。特徴的なのがトップシートの薄さ。
国内ラバーではスレイバーやタリビットがトップシートの薄いラバーとして挙げられますが、
superspin G4はスレイバーの7〜8割の厚さです。
その昔ターミネーターやスーパーソニックなど、2.6mmの極厚スポンジと組み合わせるために
シートを薄く設計されたラバーがありましたがそのレベルです。
そういったラバー達と比べるとsuperspin G4は粒の高さが
テナジー・05程度にあるので厚くみえますが、
それで2.4mmスポンジならルール内に収まるのではというくらいの薄シートです。
そんなシート構造も相まってシート硬度は低いです。
引っ掛かりが強くないのも含め食い込ませて打つことを前提に設計されたようです。


〜スポンジ〜
今回使用したのはS32(32°)と一番軟らかいタイプです。
オレンジ色の気泡が粗いタイプのスポンジで、パッと見はテナジーのようですね。
テナジーよりも少しピンクっぽい色です。硬度はとても低く食い込みが良さそうで、
指で押すとふにふに・ぽにょぽにょしています。テナジー・05・FXよりも軟らかく感じました。
押し返す力はテナジー・05・FXよりも強くないです。JUICスクランブル21アルティマほどですね。
見た目以外はよく似ています。


〜重量〜
パッケージ込みで100g、ラバー本体(170mm×169mm)が49gで100平方センチあたり17.05g。

非常に軽量ですね。同じ厚さのイノーバ・ウルトラ・ライトやVO>102と同等の重量です。


〜反発力〜
150mm上方からボールを落下させた際の跳ね返りは98mm。フィルムを貼った状態では113mm。

※あくまで参考値(フィルム無/有):テナジー・05・FX→103mm/117mm  

ヘキサーHD→108mm/120mm  天弓→98mm/109mm  ハモンド→96mm/110mm 


■試打

テンションラバーなのですがシートが突っ張っている感じがないため体感硬度が非常に低いです。
打球感がまったく伝わってきません。打球感と食い込み、
球持ち具合は前述の極厚スポンジラバーとJUICシェンロンの間ほどの感覚です。
ボールの飛び方は想像よりも低く直線的でした。
ヘキサーデューロの弾みを抑えた感じですね。意外にも打球音は然程鳴りません。


■攻撃技術全般

ドライブ:ラバー自体は非常にソフトであるのにも関わらず弾道は低いです。
ハモンドの球離れを遅くしてホールド時間を長くしたといったイメージです。
擦るドライブではボールが全く持ち上がりません。。やはり食い込ませて打つラバーですね。
とは言え引っ掛かりが然程強くないので、回転量は高望みできずイノーバほどでした。
その反面カット打ちはとても楽です。
回転の影響を大して受けずに角度と反発力で運んでいくことが出来ます。


〜スマッシュ〜
軟らかいラバーの宿命と言いますか・・・スマッシュに限らず角度打ち、
プッシュ等ミート打法はちょっと苦しいです。球持ちが良いのでコントロール性は勿論高いのですが、
食い込んだ後の弾き返しが強くないため威力と言う点では厳しいものがあります。


■守備技術全般

〜ブロック〜
ブロックが非常に止まりますね。簡単に食い込むのでボールコントロールが容易ですし、

食い込みが良いながらも相手の回転の影響を受けづらいため角度等にシビアな調整が不要です。
コントロール系ラバーと同じ原理ですね。特に好印象だったのがカット性ブロック。
ドライブの回転に沿うようにスッと合わせると、回転を残しつつもピタッとブロックを止められます。


〜カット〜
低くゆっくりとしたナックルカットが特徴的です。
PilotAdvanceのようですがこちらの方がカットが浅く入りがちです。
切るカットに関してはシートが力負けする感があり思い切ったカットがなかなか難しいです。
高い打点で弾き気味に打つカットでは失速せずに直線的で伸びるカットが出るので、
回転量よりかは球速や弾道での変化を重視した方が効果的に思います。



■サービス・レシーブ・台上技術など

〜サービス〜
サービスは特別切れるわけではありませんが、非常に小さく出せますね。
ダブルスではとても助かります。ロングサービスは若干バウンドが高めに感じました。
球持ちが長いため入射角が大きくなってしまっているようです。


〜レシーブ〜
回転の影響を受けづらいという特徴がレシーブでは本領を発揮します。

ラバーが軟らかいためややストップが浮きがちではありますが、
どういった場面でも確実に台に収めるレシーブが可能です。
横回転に対する流しはカットブロックと同様の原理で、回転を残すようにスッと合わせると
文字通り「流れる」レシーブとなります。


■まとめ

抜群の安定性と自在性、確実に1本を繋げられる保険用ラバー。
非常に軽く、回転に対し鈍感でコントロール性が高いラバーでクセらしいクセが感じられません。
このラバーを主体として使うのは苦しい部分がありますが、
バック面・裏面でサポート役として貼っておくと心強い1枚でもあります。
また、サービス・レシーブにおける確実性が高いためダブルスの玄人にも勧められるラバーです。


ただし注意点としてシート強度の脆さが挙げられます。
私はグリップが浅いのでラバー下部の縁に指が掛かるのですが、
指との摩擦で使用1日目にして縁の部分がポロポロと欠けてしまいました。
もちろん台にぶつけたりすれば簡単に切れてしまいますのでご注意ください。