
投稿者:かんなぎ
GOLDEN STAR【KTL】
■モニター環境
使用ラバー:GOLDEN STAR 孤圏型(黒/2.2mm)& GOLDEN STAR 快攻型(紅/2.2mm)
普段の使用用具 R:バタフライ製柳3枚合板 F:APOLLO2 37度 1.8mm
B:トリプル・スピードチョップスポンジ
■第一印象
隠れヒット商品でもあるBLACK POWERを販売しているKTLの新製品です。
パッケージはやや厚手で、文字の部分と星印の部分が浮き彫りになっており凝った感じです。
付属している粘着フィルムは硬く厚くかなりベタベタ。
バタフライの旧タイプの粘着フィルムのようです。
今回は弧圏型の黒色と、快攻型の赤色とを使用しました。
シート
圏型、快攻型ともに共通のシートです。
表面には光沢がかなりありテカテカとしていますが粘着は全くありません。
BLACK POWERと比べると肉厚なトップシート+低い粒で、
LKTのBLACK POWERとほぼ同じようなシート構造です。
硬度はKTL BLACK POWERとLKT BLACK POWERの間ほど。
ただでさえ硬いマンボCを更にハードに仕上げたかのような感じです。
スポンジ
このラバーの最大の特徴はスポンジです。前代未聞の2層構造スポンジを採用しています。
気泡の細かいスポンジと、粗いGolden Cake Sponge風スポンジとが重ねて接着してあります。
GCS風スポンジはKTL BLACK POWERとほぼ同じ硬度で、もう片側は藍鯨2の39°ほど。
全体の硬度はコシを弱めたGrip-S euroといったところ。
弧圏型はGCS風スポンジがラケット側に、
快攻型はGCS風スポンジがシート側に来るように貼られています。
赤シートのピンクスポンジは色を薄くしたSuperSpinG4そっくりです。
重量
両者パッケージ込では105g、弧圏型はラバー本体(167mm×165mm)が64gで
100平方センチあたり23.22g。
快攻型はラバー本体(169mm×167mm)が66gで100平方センチあたり23.38g。
個体差の範囲内だと言えるでしょう。中国ラバーとしては軽めで、
LKT BLACK POWER GCSより僅かに軽量です。
反発力
150mm上方からボールを落下させた際の跳ね返りは弧圏型が99mmで快攻型が101mm。
フィルムを貼った状態では両者111mm。
※あくまで参考値(フィルム無/有):マンボC→92mm/112mm 39
■試打
球離れが極端に早くパシーンとかなり直線的な飛び出しと弾道です。
特に快攻型は弧圏型に比べて半テンポ早く撥ね返しているかのような感覚です。
802-40よりも球離れは早いのではないでしょうか? 逆に弧圏型は若干球を包み込む感じ。
2種類の2層スポンジの独特な打球感と飛び方は、
皮付きスポンジの外皮と内皮といった印象を受けました。
攻撃技術全般
ドライブ
スピード感が物凄いですね。
テンションでブッ飛ばすブライス・スピードとは飛び方がまた違っています。
非粘着にすることで純粋にラバーの硬さで弾き飛ばしている感が強いです。
シートの引っ掛かりは悪くはなくマンボCと比較しても寧ろ良いくらいなのですが、
シートが強固すぎて引き攣れが起きない為あまり回転力には活かせていない感じです。
一般プレイヤーが食い込ませて打つには硬すぎますし、
かといってボールを薄く捕らえるとどうしても滑ってしまい‥と非常にシビアです。
前・中陣の早い打点でのドライブは失速せずカカッとボールがよく走り、
早いピッチでも連打が効き好印象でした。
スマッシュ
カチカチの非粘着ということで球離れが非常に良く、
大して回転の影響を受けない為ミート系技術はピカイチです。
快攻型は時折651かのような打球音と弾道でボールが飛んでいきます。
もちろん表ソフトほどボールが滑ることはないので安定性も高いです。
守備技術全般
ブロック
ブロックの感覚は粘着の落ちたAPOLLO Proに似ています。
強固で食い込みづらい構造のため球威に押されづらくブロックは鉄壁。
表面で撫でるようにして変化させるブロックも、細かな振りでしっかりと変化が付けられ良好です。
カウンター気味のプッシュ性ブロックのスピードは言うまでもなく。
カット
簡単に予想はつきましたが球足が速く鋭いカットになりやすいですね。
弾道も低く、感覚としては飛距離の出る新Tensaといったところ。
回転量は然程高望みはできません。
弧圏型はスポンジ構成も相まってボールがめり込む感が快攻型に比べ強いです。
快攻型はその反面シートでボールに薄くタッチする感覚があります。
ボールをホールドして安定性の高い弧圏型と、ボールのタッチ具合で切れ味の調節がしやすい快攻型といった違いがあります。
サービス・レシーブ・台上技術など サービスやストップ、ツッツキ等の小技は
高弾性ラバーのような扱いやすさが十分に感じられます。
ドライブやカットでは回転量に不満が残りましたがシートの引っ掛かり自体は非常に良いので、
薄く捕らえても滑りづらいこれらの小技におけるキレはなかなかのものです。
個人的に好印象だったのはロングサービスと弾くフリック。
ロングサービスは低い弾道で伸びのあるサービスが出しやすかったですね。
快攻型ではほぼ同じような球筋でナックル気味のロングサービスも出せるためエース率が高かったです。
弾くフリックは裏ソフト版388C-1のような感覚でパチパチと小気味よく打てます。
やはりミート系技術が強いですね。
■まとめ
回転系オモテに対抗するミート系裏ソフト?どことなく皮付きラバーの気配を感じる2層スポンジラバー。
カチカチで直線的な飛び出しでとにかくミート系技術に強いラバーです。
非粘着の弾き出しの強いラバーから繰り出されるボールは表ソフトのようにスピード感抜群。
ラリー戦では回転の影響を受けづらく自分のボールを押し込んで行けるのに、
サービスレシーブでの軽いタッチでは強い引っ掛かりを活かしてしっかりと切りに行けます。
また新発想の2層スポンジは硬度の違うスポンジを重ねる順序によって、
まるで皮付きスポンジの外皮と内皮のようなキャラクターの違いを表しています。
小技で相手の攻めを封じ込めて、僅かなチャンスに付け込んでゴリゴリ押し攻める理不尽卓球を極めたい方、 カチカチの高弾性ラバーを愛用していて、ミート打ちとドライブにおけるメリハリとボールそのものの嫌らしさを追求したい方へ。