投稿者：烏賊
A+白Ver（粘着ハイテンション版）【SANWEI】レビュー
【使用用具】
R：王道02C
F&B：A+黒&白Ver
【最初に】
A+黒Verと同じく品質は中国ラバーと言うよりも日本製やドイツ製のようにいい物です。
スポンジ硬度が39度との事ですが、黒Verの40度と比べるとラ
バー自体の硬さは倍近く硬い印象です。
スポンジは黒と同じく目の細かい物ですが、どちらかと言うとゴム質っぽい頑丈な作りです。
黒Verも白Verもラバーフィルムが付属されており、
パッケージを開いた左側が袋状の作りになっているので収納できますが、
パッケージを持ち歩く事も無いと思うので微妙と言うか…
白Verには銀河のラバーのような、カット後の形に合わせたフィルムが付属されていました。
粘着は新品状態で普通程度の強さでペタペタ感はしっかりありますが、
ボールをくっつけてみるとあまりくっつきません。
パッケージ自体は黒も白も色だけの違いなので、日本語での説明文は黒Verと同じく
翻訳サイトを使ったかのような意味不明な文章となっています。
A+と言うシリーズで出てはいる物の、
はっきり言って物は別ですので購入時には間違えないようにしてください。
【軽打】
フラットに打つと中国ラバー独特のナックル系の球が出やすいようです。
困ったのが緩い球をフラットで合わせると落ちやすい事です。
中国ラバー独特の癖があり、しかし少しでも弾くとぶっ飛ぶと言うじゃじゃ馬。
軽打でもある程度ドライブをかけるつもりで打った方が安定感があります。
新品状態で粘着がある間は、粘着でしっかり持つ感覚があります。
その持つ感覚が粘着度合に合わない位持つのですが、
ある程度使って粘着が落ちてくると程よくなりました。
恐らく最初の内は、粘着で持つ感覚とぶっ飛ぶ感覚が合わずに
使いにくさすら感じるかもしれませんが、良くも悪くも中国ラバーの癖と言う奴でしょう。
少しでも弾くとバチンと言う音がします。
どちらかと言えばフォアよりもバックの方が安定させやすく感じました。
沈むドライブになり易い事からドライブの回転量は満足行ったのですが、
スピードとスピンのバランスが今一で多少の加減をしつつ
合わせて行かないとミスが目立つでしょう。
スピードドライブはある程度しっかり振らないとスピードが乗らないのですが、
かと言って振りすぎるとぶっ飛びます。
ループドライブは粘着のおかげか打ちやすく、
なのでツッツキ打ちやカット打ちは比較的持ち上げやすく感じました。
しっかり弧線を描いて飛んで行くのですが、回転量が豊富なので高くなりにくく
しっかり落ちるから使い勝手がいいです。
パワードライブは中陣から思いっきり打つ分にはスピードスピン共に良好でしたが、
前陣で力を籠めてしまうと飛距離が出すぎるので難しさがあります。
前陣で小さくドライブをかけて早いラリーをする、
中陣でパワープレイをすると言うスタイルにはいいかもしれません。
食い込ませたドライブの弾道が低め、ツッツキ打ちやカット打ちを
ループせずドライブした場合も低めなので攻撃球としては優秀だと思います。
バックドライブも実用的なのですが
手首でしっかりかけて行かないと中途半端な球になり易かったです。
【台上技術】
中国ラバーらしく全体的に良好です。
硬さ故に軽いタッチだと弾まないので止めやすく浮きづらく、
ツッツキの回転量もかなり多目です。
ストップは強い回転を相手にすると長くなりやすいですが、
軽くネット際に落とすように出来ればかなり短く止められます。
フリックは粘着力がしっかりある間は粘着で持って打てるのでやり易いのですが、
粘着が衰えてくると制御が難しく感じられました。
チキータは慣れれば可もなく不可も無く程度ですが、
食い込ませるとぶっ飛ぶので比較的擦り目の方が安定します。
【ミート打ち】
先述した通り粘着がしっかり感じられる間は粘着で持つのでやり易いのですが、
衰えてくると難しく感じます。やはり食い込ませすぎるとぶっ飛ぶので、
ミート打ちはあまり考えない方が得策かもしれません。
少しでもいいからドライブを混ぜるように打てば安定感が増します。
思ったよりも緩い球が来たのを当ててしまうだけだと落ちるか浮きます。
常にしっかりカウンターする気持ちでいた方がいいです。
カウンターはある程度被せて振るだけでもいいのですが、
ドライブをかけると物凄く伸びる物になりました。
【サーブ】
粘着ラバーなのに擦って小さく出そうとすると回転があまりかかりません。
ある程度食い込ませて手首を返して飛距離を殺すようにすると、
激ギレの短い下回転サーブが出しやすいようでした。
ある程度食い込ませれば回転がかかりやすいので、大きなスウィングを必要とせず
手首で巻き込むように打つだけでも十分すぎる回転がかかります。
それゆえに相手がスウィングで回転量を読みづらいようでした。
ショートサービスもロングサービスも全体的に問題無く出来るので、
回転のかけ方を覚えればサービスエースが増えるラバーです。
【カット】
ツッツキが浮きづらい事から良さそうだと思っていましたが良好です。
バックに来たナックル系ロングやスピードロングサーブをブギ切っても浮きづらく
回転量が半端無いので、ツッツキも面を開いて当てるだけでもネットに引っかけていました。
飛距離も結構出るのでカット向けのラバーかもしれません。
後陣から攻撃に転じる時も飛びやすさとドライブの回転量があるので問題無しです。
【まとめ】
前陣で小さくドライブをかけて行く人や中陣で
パワープレイをする人向けのラバーだと思います。
カットは主戦では無いので主戦の人に結論は任せるとしても、性能の高さは感じられました。
昨今の使いやすい中国粘着に慣れていると、このラバーの癖にかなり戸惑うと思います。
昔からの癖のある中国ラバーを使っている人であれば問題無いと思いますが、
正直な所前陣主体の人にはちょっと難しさを感じられるでしょう。
これでもうちょっとミート打ちがしやすいのならよかったのですが、
全体的に回転をかけに行かないと安定感に欠けるイメージです。
どちらかと言えば中国人選手のようにどこでも
ドライブをガンガンかけて行くタイプ向けのラバーでしょう。
変にミート打ちをすると飛びすぎてオーバーしてしまうので、
ミート打ちを多用する人にはあまり勧められません。
ラケットの相性としては、特殊素材には辛いと思います。
ラバー自体が硬めなので、ある程度しなりがあって、
反発力はある程度控えめの物の方が使いやすいでしょう。
なので攻撃で使うのであれば5枚合板がいいと思います。
やや直線的なドライブで攻めたい人にいいと思いますが、
やはり結構硬めなのでパワーのある人じゃないと辛いでしょう。
