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投稿者:かんなぎ


■モニター環境
使用ラバー:TARGET ULTIM 50(BLACK/2.0mm)

普段の使用用具
R:バタフライ製柳3枚合板
F:月PRO【已打底】40° 1.8mm
B:Bombard ゴクウス

■第一印象
ブライス・スピードをさらに洗練したようなシンプルでクールなパッケージです。
後輩の男子部員にとても好評でした。

F1にも参戦経験がある世界的なタイヤメーカーのミシュラン社との共同開発ということで、
小さい頃から家族ぐるみでモータースポーツと付き合ってきた私としては
個人的な意味も含めて期待が持てます。


シート
やや光沢がありザラッとした表面はRASANTを始めとするスピン系テンションと共通です。

RASANTより若干ですが表面のザラつきは粗く、スレイバーやレナノスブライトなどの
一部の日本製ラバーのような吸い付く引っ掛かり方をします。

粒形状はRASANTより細くテナジー・64より少し太めに見えます。
体感硬度はRASANTよりも軟らかいのですが、やや粒が詰まり気味で低いためか
食い込んだ際のシートの変形は少なめです。


スポンジ
コッパX1のような皮膜が厚くなく気泡の粗いタイプのクリーム色スポンジです。

ヘキサーに比べると硬めでコシの強さが目立ちます。
テナジー・05と比べても弾力は少しだけ強めに感じました。


重量
パッケージ込では94g、ラバー本体(169mm×169mm)が69gで100平方センチあたり24.16g。

RASANTとヘキサーHDのちょうど中間ほどの重量です。
スピン系テンションの平均+αほどです。


反発力
150mm上方からボールを落下させた際の跳ね返りは109mm。
フィルムを貼った状態では121mm。 


■試打
球離れ早いっ!というのが第一の感想。
打球のスピードはテナジー・05よりも出るように感じました。
低い弾道でスピードも伸びもあり、ボールが走るという表現がピッタリです。

攻撃技術全般
ドライブ
ドライブの球質はテナジー・64とテナジー・05の間ほどで、
その2者よりも気持ち低く直線的な弾道です。
硬さはあるのですが食い込みやすい感じで、
厚くとらえるドライブから薄く擦るドライブまで多彩な打法に対応します。
球離れが早く強い反発力を備えているのですが、それに合わせるように引っ掛かり・引き攣れ・
硬度がしっかりとバランスよく付いてきていて反発力負けしていません。
また、他のスピン系テンションよりも格段に沈ませるドライブがやりやすく好印象でした。

スマッシュ
ドライブではパキュッという打球音であるのに、スマッシュではカチーンと硬質な打球音です。
マーク5HPSでも感じた現象ですね。
鋭い弾道とスピード性能でスマッシュ力はかなりのものです。

守備技術全般
カット
カットは思いの外飛距離が出ず抑えが効きますね。
引き攣れを使って掛け返す打ち方では飛びますが回転に沿う打ち方では飛ばないようです。
このラバーの面白いところはスイングスピードでカットの球質がガラッと変わる点で、
ゆったりとしたスインだとPilot Advanceのような深いナックルカットになりやすく
自分からは大して切れない感じですが、
一定のスイングスピードを超えると急にブチ切れるようになります。
逆に言えばスイングスピードがないと切れないラバーであるということ。
安定して切れるヘキサーHD、RASANTと対をなしますね。

サービス・レシーブ・台上技術など
サービス力はRASANTと同等だと思われます。非常に切れて変化もつけやすく、小さく収まる。
むしろロングサービスが低く滑るように出せるTargetのほうが総合力では上と言った感じです。
レシーブでも短く止めるストップから
ガツッと切るツッツキまで長短のメリハリが非常につけやすい。
サイドスピンに対する流しやすさも好印象でした。
チキータ系統の技術に関してはボールをよく持つRASANTのほうが
自在性・安定感・回転量は上回っていました。

■まとめ
テナジー・05、64と肩を並べるパフォーマンス。硬めのハイテンション好きには堪らない一枚。
とにかく鋭い弾道とスピード性能を実現した反発力、
それをしっかりと受け止める引っ掛かりと硬度が絶妙に噛み合っており
高い次元でバランスを保っています。
万人向け・・とはちょっと言い難いかもしれませんが潜在能力は折り紙つきです。
またラバー自体の耐久性の高さも評価する点だと思われます。

しっかりと硬さおよび弾性のあるテンションラバーが好みで、
他のラバーでは回転量やドライブの沈み具合に不満が残るという方や
スイングスピードの速さに自信があり、
後ろからのカウンタードライブを多用するカットマンの方に。