
投稿者:かんなぎ
A+(白パッケージ) 【SANWEI】
■モニター環境
使用ラバー:A+(白パッケージ)(黒/39°/2.1mm)
普段の使用用具
R:バタフライ製柳3枚合板
F:月PRO【已打底】40° 1.8mm
B:Bombard ゴクウス
■第一印象
SANWEI社の新製品A+です。
同じ名称で白黒2つのパッケージが存在し、白パッケージは粘着性シートのラバーです。
シート
表面の感じは紅双喜のラバーっぽいなという印象。キョウヒョウ3のような質感です。
粒配列はタテ目でトップシートがやや薄く粒は低いです。
シートの薄いキョウヒョウ2、APOLLOといったところ。
硬度はしっかりとあるのですが、打球時にカチカチ音が鳴らないギリギリの硬さですね。
999LSZ、神龍ほどの硬さで粘着力もその2者が近いです。
スポンジ
とても赤の強く濃いオレンジ色のスポンジです。
ギッシリと詰まっている感じのスポンジでややツルッとした手触りは太陽によく似ています。
SANWEI社基準で39度ということなんですが、
どういうわけかA+(黒パッケージ)の40度よりもうんと硬いです。太陽の40度ほどですね。
重量
パッケージ込では104g、ラバー本体(168mm×165mm)が73gで100平方センチあたり26.33g。
中国粘着の中でも重量のあるラバーに分類されますね。
AK47 BIOTECHの50度ほどの重量です。
反発力
150mm上方からボールを落下させた際の跳ね返りは72mm。
フィルムを貼った状態では105mm。
打感がしっかりと伝わってきますね。
それでいて硬いラバーにありがちなパチパチ音はありません。
ボールの飛び出しは中国粘着の割にはやや下方向です。
攻撃技術全般
ドライブ
MEMOのような低く直線的な軌道です。
MEMOと比べると球離れが早くスピード感がありますね。
粘着力でグッとかけるというよりかは
シート表面の引っ掛かりでキュッとかけるタイプのラバーで
あまり強くない粘着力とやや早めの球離れの割にはドライブがよく沈み込む印象です。
最近の粘着テンションの中では、一昔前のスタンダードな微粘着ラバー
(キョウヒョウ3、729-2等)にもっとも近い感触です。
スマッシュ
スマッシュ時のナックル度が凄く高いですね。
バチンというミート音も含めて「これぞ中国ラバー!」といったスマッシュです。
スピードは高望みできませんが、嫌らしく取りづらいボールが出せるため
相手を調子づけない点の取り方が出来ます。
硬さでパチパチ弾く打ち方にも非常に向いているため、
下回転を「軽い」ミート打ちで跳ね返すのが容易です。
守備技術全般
ブロック
強打に対してもブロックがピタッと止まりますね。
飛んで来たボールの威力がラケットの反対面から逃げていくような不思議な感触があります。
やや低めの飛び出しもあってブロック自体が小さく収められ、
なおかつ厚く当てた際には前述のスマッシュ同様ナックル度の高いボールとなるため
鉄壁度がかなり高いです。
カット
カットは浅く入りやすい感じです。原因として考えられるのは硬質なラバー構成。
一般プレイヤーのボールをカットで処理するには硬すぎるよう。
インパクトがしっかりとしていれば食い込んで自分のボールにして返すことができるのですが
今度は飛び出しがその分だけ鋭くなってしまいコントロールに難が出てきます。
バチッと切り落とすカットをするには粘着力が少なく球持ちが悪いため球質が軽くなりがち。
あまり下がらずに高い打点での攻撃的なカットを重視する方には然程問題はなさそうですが
下がって粘り倒すタイプの方には厳しいと思われます。
サービス・レシーブ・台上技術など
サービスはショートからロングまで種類を問わず出しやすい優等生です。
そこまで特別ブチ切れるわけではありませんでしたがバウンドが低くなりやすい感触でした。
レシーブおよび台上ではソフトタッチの際の止まりやすさが印象的。
サービスに於いてもストップ同様に小さく出せるためかなり安心感を持てましたね。
フリックでは撫で気味に打ち沈ませるボールと、
軽くミートしナックルで滑らし気味に入れるボールの併用が効果的でした。
■まとめ
前での攻守プレーに重きを置いた微粘着・微テンションラバー。
小技や守備時での止まりやすさ・抑えやすさと、
攻撃時のスピーディなボールを両立した2面性のある一枚です。
威力や下がった際の自在性を強化した粘着テンションが多くリリースされる中、
「あくまでプレー領域は前」と中国粘着のキャラクターを保ったまま
攻守のパフォーマンスを強化しています。
台上の細かい技術、強打やブロック時のナックルボールといった
中国粘着の特徴を重視していて、スピードボールの強化をしたい方や、
できるだけ前に張り付いて高い打点からの直線的なカットを繰り出し、
カウンタースマッシュでの反撃を狙う方に。