5












投稿者:無業遊民


Target Sound

カット前57.5g
Tibhar−パワーフォーティ で試打しました。

0.ラバーの外観
シートはピーンと張った感じで光沢があります。
スポンジは肉眼でギリギリ見えるくらいの気泡の大きさで、軟らかすぎない軟らかめです。
「サウンド」と名前がついていますが、グニャグニャのスポンジではなくコシのある押し返してくるようなスポンジです。

1.ざくっとレビュー
軟らかめのラバーの扱いやすさをそのままに、硬めのラバーの良さも追求したかのようなラバー。ラリーやブロックの安定性はもちろんのこと、相手の強いドライブにも押し負けないパワーとコシを兼ね備えたラバーです。

2.第一印象
はじめて打った時には軟らかくもなく硬くもない中途半端なラバーという印象を受けたのですが、馴染んでくると、硬いラバーと軟らかいラバーの両方の良さが見えてきました。
食い込みがあるためコントロールしやすい、さらに自然と威力が乗るという感じでした。
特筆すべきは軟らかめのラバーの弱点、台上技術の難しさを克服できているということです。

3.攻撃技術全般
ドライブ 8点
スマッシュ・角度打ち 8点

ループドライブの威力がかなりのものでした。食い込ませて持ち上げるように打つと、軟らかめのシート自体の引き連れ+シート表面の引っ掛かりの良さによりドライブの回転量を十分に確保し、さらにコシの強いスポンジがボールを下から押し返すような、回転量とスピードをバランスよく両立させた理想の弧線を描くドライブを打つことができます。
一発で抜けるようなスピードドライブはやや厳しいですが、うねるように放物線を描くので、曲げたり、深いループドライブなどを織り交ぜながらプレーすることができます。
角度打ちはスピードはそこまで乗りませんが、安定性とやりやすさ、自在性が素晴らしいです。

4.守備技術全般
ブロック 9点
カウンター 9点

ボールをしっかり待って捉えることが出来ればいくらでも止めれるのではないか?というくらいの安定性があります。強いボールに対しても押し負けてふっ飛ばされるということがほとんどなかったので非常に安定します。この押し負けないコシがカウンターのしやすさにつながるのですが、相手の強いボールも自分のボールにして返球するということに長けていると思いました。ダメもとでとりあえず弾いたら予想外に入ってしまった。ということも多々有りました。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
台上技術 9点
サーブ 8点
レシーブ 8点

軟らかいラバーの宿命とも言える台上技術の難しさですが、このラバーはひと味違います。
軟らか過ぎない適度な硬さが、ボールの勝手な飛び出しを防いでいるためストップがビタ止まりします。またシートの引っ掛かりによって回転を掛けることも可能で、切ってもしっかり2バウンドするので、むしろ各社が出している回転系テンションよりも台上技術に関しては性能が高い気さえします。
フリックやチキータといった攻撃は少し押し気味に当てつつ(でないと落ちる)、回転を合わせさえすればラバーの食い込みと反発で安定して入れることができます。
サーブやツッツキの回転量も十分満足できるほど掛かるので問題ありません。

6.おすすめラケット
7枚合板でしか試していないのですが、相性はかなりいいと思います。
内側カーボン系や木材に合わせてバランス重視の使い方がいいかもしれません。

7.どんな人におすすめか
軟らかめのラバーを使用していて、ラリーの威力や回転量、台上技術に不満がある選手。硬めのラバーを使用していて、打ちきれず棒球になってしまうことが多い選手。このラバーを使うとしっかり自分のボールにして返球することができます。
ループドライブが得意でループからの展開を好む選手。
ラリー戦を好む選手。

8.総評
総評8点
Target Soundは今までの「○○サウンド」とは一味違うラバーで、軟らかいけどコシがあり強いボールも打てる。というラバーになっています。
「サウンド」と名前に入っているのですが、音はそこそこ…という感じでした。
このラバーの台上技術のやりやすさはダブルスで大活躍するかもしれません。
バランスを求めている選手は一度使ってみてはいかがでしょうか。