投稿者：烏賊
ヘキサーパワースポンジ 【Andro】レビュー
使用ラケット：
ティモボルZLC
ファイヤーフォールAC
ローズウッドXO
孔令輝
【最初に】
ファイヤーフォールACに張った時の感触をメインに書いて行きます。
スポンジ硬度が37.5度と柔らかめな為に打感も薄くなりがちかと思いきや、特殊素材のティモボルZLCに張っても板で弾く感触が無く、どんなラケットに貼っても性能をしっかり発揮してくれるラバーです。基本的にバックに使用。
【軽打】
まずフォア軽打を打った所、なんか妙に球を持つ、柔らかい、でも弾きだしはいいと、しっかりキャッチしてから投げ出すかのような感触を感じました。
フラットに弾いて行く感触がとても良く、スピードも良く出てとても使いやすいです。
バックも普通にラケットヘッドを回すより、フラットに食い込ませるのを意識した方が球威はありますが、安定感と言う点では普通にラケットヘッドを回して正常なバック打法をした方がいいです。
反発力は、軽打の時点では跳ねすぎずにコントロール性が高く、しかし最低限の攻撃力はあると言ったバランスの良さがある物です。
この妙に球を持つ、反発力の程よさでバックのコントロールは昨今使ったラバーの中でピカイチでした。
ただ、シートが少し滑るような感触があると言うか、薄く擦る打法だと落ちやすく感じるのである程度食い込ませた方がいいようです。
【ドライブ】
フォアドライブは思ったよりも回転がかからず、少々がっかりしました。
引っかかりは平均程度、最新の高性能ドイツ系ラバーに比べれば引っかかりが弱いと言ってしまえる程度ですが、弧線が出やすく、とにかく安定感は高いです。
スピードはやや控えめな物の、一に安定感、二に安定感と言った感触。
スピード、ループ、パワーのドライブ三種の中では実用的なのはスピードドライブでした。
対下回転のループドライブは弾道の頂点をしっかり狙って打たないと落としやすいかもしれません。
ローズウッドXOに張り替えてのドライブは回転量もそれなりに良かったのですが、食い込ませないと回転量が上がらず、かと言って食い込ませると飛距離も出るので高い位置で打たないと威力としては今一でした。
意外とループの持ち上がりも悪くは無いのですが、やはり飛距離が出てしまいます。
柔らかくコシのあるスポンジで威力は出る物の、食い込ませた時は反発力も出やすくなってる印象です。
バックドライブも重さは無い物の、スウィングに対する飛距離の感覚が掴めればガンガン打って行ける程度には安定感があり、スピードもさほど悪い物ではありません。
が、やはりバックドライブのスウィングでも少々飛距離が出やすく感じ、前陣よりも中陣の方が気にせず振って行けてよかったです。とは言えラケットが高反発なので、ローズウッドXOだと程よい感触。
【サーブ】
やはりシートの引っかかりがそれほどでも無いので、サーブを切ろうとする場合は技術が必要になります。
どの程度食い込ませつつ擦るか、その感触を掴めればさほど問題は無いように思えますが、軽く切りに行く程度では今一。
スピードロングも悪くは無い物の浮きやすく、早いと言うわけでも無く、後の展開を考えると横回転系のロングサービスで攻めた方がいいように感じました。
【フラット系】
このラバーの最も得意とする所がフラット系打法だと思います。
真っ直ぐ食い込ませると弾き出しがとても良く、とにかくスピードが出ます。
ラバーの性能値を見て、このスピード表記は詐欺じゃないかと思いもしたのですが、弾いた時には性能値分の反発力がしっかりとあるようです。
少し浮いたツッツキを真横に引っ叩く、少し角度を付けて角度打ち、食い込ませつつ横に流して無理やり流し打ち。
そう言った強引な打法が出来てしまうラバーです。
問題は、フラットに叩けば勿論直線的に飛びますので、射角を意識出来ないとミスは増えるでしょう。
バックに使った場合、軽打でも書いたようにフラットに食い込ませるのを意識すると強烈なバックハンドになります。
多少の下回転もほんの少しだけ角度を付けてフラットに食い込ませて弾くだけで意外と入ってしまう程です。
どちらかと言えばバックプッシュ主体と言う表ラバーのような使い方の方が攻撃性に優れ、かと言って回転を掛けようと思えばそれなりにかけられる、表と裏の良さを合わせたような使い心地ですが、逆を言えばどっちつかずで好みが分かれるかなと。
【台上技術】
ツッツキはやや浮きやすいです。
シートの引っかかりがそれほどでも無く、スポンジの力が強いからのように思えます。
なので角度をしっかり合わせて返す、それなりに押して伸ばすようにすると低く安定するようでした。
切りに行ってもいいのですが、ある程度下の方をしっかり薄く切らないと浮きやすいです。
とは言えそこら辺は合わせるラケット次第で、柔らか目のラケットでしたらある程度ガッツリ行っても問題無いありません。角度と飛び具合さえ意識出来るようになればガッツリ切りに行けるので、特に大きな問題では無いと思います。
フリックはフラットに打つ良さもあって、浮けば思い切りいけますし低くても角度打ち気味に流して打てます。
チキータはシートの引っかかりが今一な物の、持つ感覚があるので安定感はあって食い込ませれば球威も有ります。が、曲がりはそれほどでも無いです。
薄く擦った所で回転量が目に見えて上がると言う程でも無かったので、フリック気味に食い込ませてやった方が実用的に感じました。
【ブロック、カウンター】
ブロックは、当てるだけだとあまり高い反発力が生まれない事もあってかなり安定します。
インパルスパワースポンジは打感の薄さやスポンジのコシの強さもあって、当てれば食い込んで弾き出す感じでしたが、ヘキサーパワースポンジはシートの感触が強く押し負けないようです。
なので伸ばすのも止めるのも自分のやりたいようにやり易く好印象です。
フラット系でも書いたように食い込ませて弾くと直線的な球で威力が出るので、カウンターは高い打点でしっかり叩く分には物凄く安定しつつ威力もあります。
その為にフォアでのカウンターはガンガン行けますが、バックでやる場合はラケットを引いて少し待って打つといい感じでした。
【まとめ】
全体的に安定重視、でも食い込ませて弾くと威力はある、フラット系を多用する人や前陣で堅実にプレイする人に向くラバーです。
インパルスパワースポンジと違って、特殊素材ラケットに貼っても打感が分厚く板で弾く感触が無いので、どのラケットに貼ってもラバーの性能を発揮させられそうです。
ただ、インパルスと違うのは軽い力でそれなりのドライブが飛ぶと言うのではなく、ある程度しっかり食い込ませて打つ必要がある事。
一般的に柔らかいラバーはジュニアや女性向けと言うイメージがありますが、それなりに食い込ませてもスピードが出る、でも強く打てば打つだけ威力が増すので、安定を求める高校生や社会人プレイヤーの人にも合いそうです。
ラケットとの相性は先ほども書いたように何にでも合いそうですが、安定感＋威力を求める場合は特殊素材入りラケットの方がいいと思います。
ティモボルZLCや、反発力はそれ以上のファイヤーフォールACに貼っても安定性は高め、強烈なフラット系打法でベストな組み合わせに感じました。
その点5枚合板のローズウッドXOでは弾みもあるので全体的に何でも平均程度に出来、強打の時はしっかり威力が出るのでドライブ攻撃型の初心者から中級者まで使いやすいと思います。
同じく5枚合板で反発力の低い孔令輝でも、やはり高い安定性と弾いたときの威力と言った感触でした。
二つの5枚合板で言えるのは、やはりティモボルZLCやファイヤーフォールACよりもサーブの回転量が多い事。
ドライブもスピードこそ二つに劣る物の、回転量は自分の中の基準に達します。
自分としては特殊素材系のバック面、5枚合板や7枚合版でしたらフォアもバックも使いやすいと思います。
柔らかい同系統のラバーで言うとジーニアス＋OSに近くはありますが、ヘキサーパワースポンジの場合は少し食いこませ気味にしないと落ちやすい面も感じたので、特殊素材系に張って食い込みやすさを出した方がいいのかもしれません。
お勧めしたい人は、初心者から中級者のシェーク攻撃型のバック、とにかくフラット系打法でぶち抜くスマッシュマンのフォアです。
