
投稿者:烏賊
ヘキサーピップスフォース 【Andro】レビュー
使用ラケット:
孔令輝(5枚合板)
ファイヤーフォールAC(5枚+アラミドカーボン2枚のインナー仕様の高反発)
王道02C (7枚合板)
【最初に】
最初に孔令輝に貼って使用、球持ちのいいソフトラケットだったので無印のヘキサーピップス並に回転がかかり、しかし球を持ちすぎず、使いやすい表ラバーと言う印象。
次にVICTASのファイヤーフォールACに貼って使用、こちらはしなりの無い7枚合板と言った感触で各種技術ともに文句無しなのでこちらの評価をメインにします。王道02Cは試打ラバーの循環で行きついた先でしたが、正直合いませんでした。
【軽打】
フォアは無印よりも球を持ちすぎない、それでいて引っかかりがあるので非常に安定して打って行けます。
一球目で飛び方を把握し、二球目から安定してフォア打ちが出来る程に扱いやすいラバーでした。
バックもフラット気味に合わせるのは勿論の事、裏ソフト系と同じようにラケットヘッドを回して打っても十分安定する使いやすさです。
最低限の引っかかりがあるのでややドライブ気味に打つ事で更に安定し、軽打から攻撃的な弾道になりました。
【ドライブ】
あまり表ラバーでは決め手として使われ難いドライブですが、硬めの表ラバー+インナーとは言え特殊素材ラケットの組み合わせでもドライブで攻めて行ける程度には安定性とスピードがあり、回転量も多くはありませんが表ラバーにしてはいい方です。
ツッツキ打ちのやり易さが良く、持ち上げた後も緩い弾道と言うよりはスピードもそれなりにあり、自分のプレイに持って行く為の繋ぎでは無く攻撃として優秀です。
その上、相手が打って来た球をカウンターで叩いて点数を取りに行くのもやり易いです。
カット打ちは弾道の頂点でしっかり打つ必要があり、その場合は攻撃と言うよりは繋ぎ系の球になりましたが、ツッツキ打ちでは表ラバー特有の前でとにかく攻めていくと言う戦法がとても活きます。
意外とバックループ系が打ちやすく、早い攻撃かと思いきや手前に落とすなんてプレイも出来、普通にバックドライブを振ってもインパクトを強く出来ればそれなりのバックドライブになりました。
【台上技術】
無印のヘキサーピップスが意外と鋭くツッツキが切れましたが、それに比べれば劣るかなと言う印象です。
当てるだけのツッツキは浮きやすくはある物の、ある程度切りに行く事で抑えられ、長短の加減も付けやすいので好印象です。
フリックはフォアもバックも表ラバーらしさが出て得意分野。
チキータの弾道は直線的な物の、思ったよりも横回転がかかっているなと言う印象。
薄く擦るとある程度滑る感触があるのは表ラバー故に仕方ないとしても、擦るのと打つ加減を掴めば問題無く出来ます。
ただ、チキータと言っても殆どカーブはしないので、あくまで回転で相手のコントロールを崩す程度でしょう。
それならば弾いて行ってしまった方がいいのですが、この弾きが特にバック面ではしっかりインパクト出来ないと球威が乗り辛く、この点においては上級者向きだなと感じます。
【フラット系技術】
やはり表ラバーらしさが活き、全体的に良好です。
が、高反発ラケット故に角度打ちは打点と力加減に気を使いました。
特にスマッシュはやりやすく、無印の場合は妙に球を持って球離れのタイミングに微妙に差が有って妙なミスが出た物の、ヘキサーピップスフォースに関しては必要な球持ちと攻撃に最適な球離れを両立していて、実にやり易いと言えます。
慣れてくるとちょっと横に滑らせて曲がるスマッシュなんて言う遊び心も入れられ、とにかく叩く系の技術はインパクトが強ければ猶更光る一品。
【ブロック、カウンター】
当てるだけのブロックや伸ばすブロックが安定しやすかったです。
表ラバーは球離れの速さによってスピード感があるだけで、実際は当てただけの時の弾きだしはさほど威力が乗らないのですが、無印のように変に食い込んで威力を殺し過ぎず、素直にブロック出来る印象です。。
決して守備的では無く、とは言え攻撃的とも言えない物の、十分実用レベルでした。
逆を言えば守備的に短く止める事も出来れば、ちょっと伸ばして攻撃的にも出来るので、ブロックは得意な部類だと思います。
少し離れてもとりあえず台に入れると言う点においては優秀で、距離感を掴めば少し角度打ち気味に弾いて無理やり伸ばして相手を詰まらせるのもやり易いです。
カウンターも打点さえ気を付ければやりやすいです。
フォアは高めで叩きやすいので問題はありませんが、バックの場合は低い打点でもしっかり打てる技術、もしくはしっかり打点を意識して叩いて行く必要があります。
とは言え回転の影響はさほど受けないので、鋭く入るスウィングさえ掴めばガンガン打って行ける性能です。
それも球離れの感触がほぼ均一で安定しているからでしょう。
【サーブ】
無印が意外と良く切れましたが、それには劣ります。
その代り、硬さのお蔭でロングサービスが無印よりも良好で、それに回転を混ぜるのもいい感じです。
かと思えばネット際に短く、そこそこに回転のかかった下回転サーブも出せますので、サーブの長短で揺さぶるのにはいいです。
バッククロス、バックからフォアへのストレートでの大きな揺さぶりだけでも相手を崩しやすいですし、変にストップされるよりかは攻めやすいので、性能としては理にかなっているように感じました。
【カット】
無印程では無いにしろ回転はかかりますし安定はするのですが、どちらかと言えば繋ぎ主体なのかなと言った感じ。
拾う時に苦し紛れにやっても何とかつなぐ事は出来、意外と低く回転がかかっているので悪くは無いとは思いますが、あくまで揺さぶられた時の繋ぎの球程度で考えておいた方が無難です。
【まとめ】
上級者向けのスピン系表ソフトと言ったふれこみだった記憶がありますが、攻撃しやすい、使いやすいスピン系表ラバーです。
確かに硬くなった分、ツッツキ打ちなどのドライブには慣れが必要なのかもしれませんが、元々裏ソフトでのドライブを主戦としてる自分でも何ら問題無く打てる性能と使い勝手です。
弾く技術に関しても強いインパクトが必要に感じた物の、フォア表として使う分にはあまり問題無いように感じます。
その点バック表として使う場合は、ここぞと言う時に手首でしっかり弾ける練習は必要だと思いました。
球持ちが無印に比べて落ちた分、コントロール性能も落ちたのかなと思いきや、むしろ自分としてはフォースの方がコントロール性が高く感じてしまいました。
それは無印の球持ち感が無駄に有りすぎたと感じる自分故でしょう。
ラケットとの相性は、ハード過ぎない5枚合板や7枚合板、球持ちのいいインナー系ラケットあたりでしょうか。
感触としては日ペン単板にも良さそうです。
やたらとソフトな5枚合板である孔令輝の場合、球持ちがいい分ドライブの打ちやすさが非常に良かったです。
ファイヤーフォールACはインナー仕様で特殊素材入りな為に高反発と、正直な所扱いが難しくなるであろうと予想したのに反して、とても使いやすい組み合わせとなりました。
バックに使ってもプッシュの感触がいいです。
スピン系表ラバーなのでナックルが出にくいと言う点があったはずなのですが、ファイヤーフォールACのフラット系打法は意識してナックルにする事が出来ます。
回転がかかりやすいとは言え、インナーの弾きの良さが活きたようです。
王道02Cはラケット自体がハード、コンパクトブレードでしなりも最低限なため、ツッツキ打ちが滑って引っかかりませんでした。
弾いて行く分には悪くはないのですが、安定感が今一つで少々使いづらいです。
無印を02に張った時はドライブのみ悪くない感触だったので、恐らくしなりでの球持ちでしょう。
スピン系表として回転性能を発揮しつつも高い攻撃性を維持したいのであれば、ラケットはソフト系かつ反発力高めの5枚合板、攻撃性能を追求するのであればソフト目かつ薄めの7枚合板、薄い特殊素材の入ったインナー系や、特殊素材自体がソフト系のインナーがお勧めです。
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