
投稿者:烏賊
EVOLUTION EL-P 2.1mm ■THIBAR
使用ラケット:
ビスカリア
ファイヤーフォールAC
ローズウッドXO
【ざくっとレビュー】
程よい硬さでMX-Pよりも使いやすく、高いバランスで成り立っているラバー。
MX-Pは使いやすいけど威力が出にくいと感じたらEL-Pを選べば解決しそう。
【第一印象】
ビスカリアの157*150ブレードで50gなので重い部類のラバー。
シートの粒形状はMX-PやFX-Pよりも粒が細く間隔が短め。
これによって打感もMX-P以上に粒形状が感じられる。
スポンジはMX-PとFX-Pの中間の硬さだけど、粒の並びのせいかMX-Pと変わらず感じます。
【攻撃技術全般:8点】
MX-Pとの比較の為にファイヤーフォールACに貼った時の使い心地が主体になります。
良く持ち上がったMX-Pと比べれば持ち上がりは落ちた物の、それでも十分の持ち上がりがあり、それによって高めの弧線と回転量、スポンジが柔らかくなった事で直線的にも飛ばしやすく、フォアで軽くドライブを打っても良く球が走ります。
コシはしっかりあるのでどんなラケットに張っても一定以上の性能を発揮しやすいラバーです。
しかし粒配列がMX-Pよりも狭まった事でフォアでは食い込む物の、バックに使うとフラットに捉えないと食い込みが少なく、バックドライブは好みが分かれそうです。
それによってバックに使う場合は硬めの特殊素材系の方が良さそうです。
*ドライブ:8点
MX-Pでフルスウィングした時の強烈なドライブは無い物の、フォアに使う分には広い層に好まれそうな食い込み加減とカタパルト効果。
打感自体はMX-Pよりもシートが硬いかなと感じる物の、フラットに食い込ませる分には食い込みが良く、食い込ませつつ擦る打ち方はさほど強いインパクトを必要せず出来るので、攻撃面での使い勝手は更に上がったように感じます。
ただ、軽いタッチで斜めに食い込ませて振るタイプやバックに使う場合は先述したように食い込みが悪く感じ、擦り気味にするかしっかりインパクトしないと微妙でした。
フォアでのツッツキ打ちの持ち上がりは悪くない物の、これよりも柔らかいFX-Pの方がバックでのツッツキ打ちの調子は良かったです。
*スマッシュ・角度打ち:8点
弾きがいいラバーなのでスマッシュも角度打ちもやりづらさも無く好印象です。
飛び具合としてはMX-Pに近いかなと思ったのですが、飛びの素直さはこちらの方が上に感じました。
MX-Pはフォアでも振ってしまえば安定していい球が飛んで入る感触でしたが、EL-Pの場合は食い込ませて弾くとそれに似た感触です。
角度打ちも、台上でプッシュ気味にやったり思い切って払うと、食い込んで素直に飛び出しつつも軽く前進回転がかかり安定して入ってしまうと言う、使っていてどこか不思議な感触があるラバーです。
バックに使う場合、無理に擦り上げるよりかはフラットに食い込ませる方がいいように感じました。
*カウンター:7点
上で書いたように食い込ませると弾き出しがいいせいで、カウンターは直線的に飛びやすく安定性には欠けます。
但し食い込めば程よい球持ちが発生するので、ドライブをかけに行くと急に安定します。
ある程度射線があるのであればフラットに弾いてしまった方が良くはあるのですが、低い球に関しては常にドライブ気味にしたほうがいいように感じました。
【守備技術全般:7点】
全体的にやり難いと言うわけでは無い物の、ブロックでは少々難を感じました。
*ブロック:7点
カウンターでも書いたように、当てると直線的に飛び出しやすいので安定感が今一です。
伸ばしに行く分には問題無いのですが、咄嗟に手を出して当てるだけとなった場合は角度を少し開いておかないとネットに引っかかる事が。
木材合板ですと別段問題無く安定感も悪くはありません。
*カット(本職では無いので点数は無し)
ある程度ふわっと飛ぶ物の、攻撃用ラケットなので飛距離が出すぎて抑えが難しく感じました。
*ツッツキ:7点
食いこませ気味にやるとぶっ飛ぶので、キッチリバウンド直後に合わせて行った方が無難です。
グリップ力はあるので回転量はしっかりあり、コツさえ掴めば変に浮いたりと言う事も無いのであまり問題はありません。MX-Pで良かったサイドスピン系のツッツキは使いづらいわけでも無いのでこちらも問題は無いでしょう。
【台上技術・サーブ・レシーブ全般:8点】
こちらもやりづらさは無く、ただMX-Pよりは少し劣る感触でした。
*台上技術:7点
台上ドライブはフォアは振る余裕があれば問題無いのですが、バックは球持ちが少し足らなくて、出来なくはないけどある程度高さが欲しくなります。
台上ではどちらかと言うと弾き目にして食い込ませた方が素直に飛んでくれるのですが、かと言ってしっかり擦り打ち出来るのであれば持ち上がりも問題はありませんし、バランスで言えば悪くは無いように感じます。
*サーブ:8点
ラケットによって大きく違いが出たのですが、個人的にはインナーよりも5枚合板の方が全体的に調子が良かったです。
グリップ力の高さと飛びの素直さでショートサービス系もロングサービス系も使い勝手が良く、どちらも曲げようとすればかなり大きく曲がります。
回転量的にもかなり良く、ショートサービスに関してはMX-Pよりも自分好みでした。
*レシーブ:8点
台上でも書いたように擦るよりかは弾く方がやり易さと威力がありますが、別段チキータがやり難いと言うわけでも無いですし、レシーブと言う点ではバランスが良く思えます。
どの程度擦る、食い込ませる、弾くと言う感覚さえ掴めれば、かなり強気に打ちに行けるラバーだなと感じましたが、その場合は5枚や7枚合板よりも特殊素材系のラケットの方がやり易かったです。
【おすすめラケット】
MX-Pにも感じましたが全体的にどんなラケットでもさほど問題無く合うラバーです。
自分としては5枚合板のフォアなら、インナーにMX-Pを貼った感覚で使えるので5枚合板をお勧めします。
ただ、食い込ませて打てないと威力の出ない面もあるので、自分のスウィングで食い込ませて打てない人でしたら特殊素材が入った方が素直に使えそうです。
【どんな人におすすめか】
食い込ませて打てるのであれば攻撃選手全般にお勧め出来るラバーです。
擦り気味だと今一ラバーの良さが出ず、それによってある程度パワーのある人向けに感じました。
MX-Pが扱える人なら問題無いと思いますが、やはり高校生男子くらいからでないと難しいのかなと。
【総評:8点】
フォア面向けの扱いやすくなったMX-Pと言った所でしょうか。
バックに使う場合、ツッツキ打ちの感触さえ掴めばフラット系を多用する人にはいいと思います。
ラリーや台上でフラット系を武器にする人であれば大丈夫でしょう。
MX-Pはある程度調子よく、しっかり振れる時なら使い勝手や威力の面で不満は無いのですが、疲労や調子が悪い時は軽く使えるEL-Pでもいいのかなと思います。
ドライブはとにかく振ればいい球が飛ぶ、入ると言った高性能さを持ちつつもフラット系の使いやすさや威力もあり、攻撃面では特に不満を感じません。