
投稿者:烏賊
V>01 Stiff 厚さ:MAX ■VICTAS
使用ラケット:
王道01
王道04
SK7
ビスカリア
レッドローズ
【ざくっとレビュー】
特殊素材系ラケットで強打しても弧線が出やすいラバー。
無印版V>01の安定感と使いやすさはしっかり継承しているので、初心者〜中級者のフォアやバックに。
【第一印象】
フルパッケージ重量103g、カット後50g(158*152サイズ)
触った感じ、トップシートの引っかかりは非常に強いです。
無印版に微妙にあったトップシートのプルプル感は無く、トップシートはやや硬め、スポンジはやや柔らかめになった様子。
粒はやや太目で、指で押すと大きな変形は無くスポンジに食い込みます。
【攻撃技術全般:7点】
スピード感は控えめながらも回転量はある程度のスウィングでしっかりとあり、無印版の直線的な弾道とは違い弧線が出やすくなりました。
ある程度ぶち当てても上に振り抜きさえすれば弧線が出る程で、ぶっ飛び系のラバーでも無いので台に納めやすい印象です。。
*ドライブ:7点
威力的には高価格帯テンションより控えめ、とは言えミドルクラスのテンションよりは上と言う、テンションユーザー中級者向け。
最高スピードは特筆するほどでも無く、しかし振ってさえしまえば回転量はしっかりあり、どちらかと言えば安定感主体なのかなと。
持ち上がりも結構いいので、緊張した場面でもなんとかなってしまいそう思えます。
感触としては、ミドルクラスのハイテンションラバーの性能をそのままに安定感を上げた感触。
パワーロスはそれほど感じないので、ある程度のレベルまでなら安定感とそれに釣り合う威力のドライブで攻めて行けそうです。
無印版V>01は食い込ませた時に板で弾く感触が出やすかった物の、Stiffではそう言った物を感じません。
トップシートが無印版よりも硬い、がっしりしてるな、と感じるのですが、無印版が手元に無く差を比べられないのですがトップシートの粒が太くなったように思えます。
その為か強くインパクトした時も、粒でしっかり支えて上板に当たる感触を抑えているように感じました。
これによって、擦り打ち〜食い込ませて打った時まで、トップシートで擦って打ちやすく弧線を発揮させられるのではないでしょうか。
ドライブ自体の性能は決して悪くない物の、弧線を打ち消して鋭くした時はスピード感が今一つかなと感じる事もあります。
スポンジが中硬度だけども粒形状の関係か食い込んだ時に粒が倒れにくく、スポンジの感触よりもトップシートの粒にガッツリ当たってる感触が強く出ます。
なので、特に素材入りの硬めのラケットに張って食い込ませて打とうとするとスポンジの性能をあんまり発揮させられず、擦り打ち気味にした方が球は良く走る感じでした。
柔らかいラケット、もしくは素材入りでも無く硬い木材の使われていない7枚合板くらいの方がドライブは気持ちよく威力を発揮してくれます。
どのラケットにも言える事は、ループドライブの持ち上がりと強い回転量は武器になるでしょう。
バックドライブも弧線が出やすく安定志向。
ドライブ強打で抜く、と言うのは少し難しさを感じる物の、前陣でも中陣でもそこそこの威力で返せる安心感があります。
*スマッシュ・角度打ち:8点
癖の無いラバーなのでフラット系の安定感は非常にいいです。
使い勝手がいいのでフリックや角度打ちでレシーブから攻めるのもいいですし、スマッシュも特にやり易さを感じないのである程度浮いたら引っ叩いても問題ありません。
*カウンター:8点
相手の球威でラケットにぶち当たっても、トップシートの作りのおかげか押され強さがあり、相手の球威に負けずに打ち返せます。
フラットで引っぱたいても良し、擦るとちょっと浮く感触はありますが、慣れれば特に問題無いでしょう。
特にバックでの弾くように打つカウンターは、微妙に弧線が出るようで相手が強く打てば打つ程安定するんじゃないか、と言う程でした。
【守備技術全般:8点】
守備項目ではとにかくブロックが優秀と言う事につきました。
*ブロック:9点
こちらもトップシートの変更の影響か、軽く合わせないのであれば球威に影響されて上に飛びすぎる感じも無く、非常にブロックしやすいです。
特にバックブロックは、レッドローズに合わせていた時の安定感はこれまで使った中でも上位の使い心地で、普段ならこんなドライブまともに返せないのになぁと言う物ですらも自分の技量に合わず比較的安定して返せました。
食い込めば素直に飛ぶ感触があり、そこに強い回転がかかってる事を加味してある程度被せてラケットのスウィートエリアに当てさえすれば返る、と言うブロックを文字に表せば当たり前の事を、当たり前のように出来るラバーでした。
*カット(本職では無いので点数は無し)
相手の球威に押されづらいからか、ガッツリ当てても意外と安定して返せます。
が、攻撃用ラケットなので連続して切って返せるかと言うとそうでも無く。
攻撃選手が繋ぎでやる場合、多少ぶつけてしまった時は斜め下に切り落とした方が低く抑えられます。
*ツッツキ:7点
少し押すと途端に浮きやすくなるので、切って行った方が無難です。
切った時の回転量は優秀で、それでいて相手の切れた下回転でも飛びすぎる事が少ないです。
サイドスピン系も出来なくは無いのですが、少しブチ当てるようにすると途端に浮くので注意が必要。
【台上技術・サーブ・レシーブ全般:7点】
全体的にどちらかと言えば性能はいいのですが、無印版V>01にあった軽いタッチで球を持つ感触が薄れたのが少し残念でした。
無印版だとタッチは弱めに、引っ掛けて上に振れば台上でも大体持ち上がったのですが、Stiffでは少し落ちやすく感じました。
*台上技術:7点
擦って引っ掛けた時の飛距離がそれほど出やすいと言うわけでも無く、弾いた時も飛びが強すぎると言う事も無いので、台上での攻撃技術はやり易い方でしょう。
ちょっとドライブをかければ弧線が出ますし、結構回転がかかりやすいので斜めに切って抑えれば思いの外曲がるといった、回転を掛けて制御するといい感じ。
ただ、前置きに書いたように無印版とは違って軽いタッチでは球持ちがそれほど発揮されないので、しっかりスウィングする必要があります。
それならば台上は角度打ちや弾いて攻めた方が無難かなと思う場面もありました。
評価的には可もなく不可も無くで、使い手の得手不得手が出るように感じます。
ストップは比較的短く止めやすく、こちらは単純に反発力の問題か、多少差し込み方を失敗しても2バウンド以内で収まる事が多いです。
*サーブ:7点
トップシートで薄く擦る分には比較的簡単に強めの回転がかかります。
出しやすさはそれなりに良く、シートの引っかかりも強いので短く出しやすいのもいい点でしょう。
ただ、ロング系になるとどの程度擦ってやるか、と言うバランスが一般的なテンションと微妙に違い、スピードロングサーブなら入るのに曲げようとすると変に浮くと言った事もありました。
とは言え抑え方に慣れれば別段問題は無いのですが、どちらかと言えば切れたショートサービスを武器にした方がいいと思います。
*レシーブ:8点
フリックも程々にやり易ければ、台上バックドライブの引っかかりやチキータの引っ掛けて持つ感触も良く、レシーブ系技術は好感触です。
変に飛びすぎない点が活き、多少思い切ってやっても台に収まってくれます。
むしろチキータは思い切ってしっかり掛けた方が曲がりが大きく鋭くなるので、強気に行った方がいいくらいに感じました。
【おすすめラケット】
フォアは5枚〜7枚合板、薄めの球持ちのいいインナーラケット。
スピード性能が控えめで、アウターに合わせても思ったより上がらなかったので、それなら回転重視構成のがいいと思います。
バックは7枚やインナー、アウターと言った少し硬めのラケットから硬いラケット。
安定感が非常に高く、多少勝手に食い込むくらいの硬さの方が使い勝手はいいと思います。
これで柔らかいラケットの場合、自分でしっかり振らないと威力が乗り辛く思えます。
今回合わせた中では、SK7がフォアでもバックでも一定の性能を発揮したように感じました。
フォアは木材の球持ちも相まって上に出やすい物の、それを抑えて擦り気味に振り抜けば十分合格ラインの威力でしたし、バックも弾く、擦る、いなすがやり易く、抑えたり打ち込んだり操作性が非常に高く、尚且つブロックの安定感の高さが光ります。
上板に当たる感触が出にくいラバーではあるのですが、特殊素材系のラケットである程度硬い、板厚のある物ですと、トップシートの粒が倒れない分上板の硬さは感じにくく回転はかかるけど、だからこそ粒が上板にガッツリ当たっちゃってるな中途半端な硬さを感じてしまう事があります。
この感触が出るとスピード性能が低下するので、硬めのラケットに張られるのなら食い込ませるよりも擦り打ちで調整した方がよさそうです。
【どんな人におすすめか】
初心者〜中級者のフォアで基礎をしっかり固めたい人や、弾く、擦る、食い込ませると言った打ち分けの習得に。
初心者〜上級者入口くらいまでの人のバックで安定重視型。特にブロックの安定感を重視する人に。
使いやすくイメージ通り飛びやすいV>01の良さを残しているので、初心者や中級者が基礎的な練習をするのに合うラバーだと思います。
実践的な部分で言えば、ラリー志向で安定重視向けでしょう。
バックでの使用は幅広く長い間使えそうですが、高価格帯のハイテンションを使うようになって来ると威力面でどうしても劣ってしまいます。
これはフォアにも言える事ではありますが、高価格帯のハイテンションでは飛びが強すぎたり回転の影響を受けすぎて扱えないと言う人向けと言っても差し支えないと思います。
パワープレイヤーが使っても板で弾く感触が薄く、回転性能が高い事で弧線が出やすいので、いわゆるぶんぶん丸な人のフォアにもいいと思います。
【総評:7点】
どちらかと言えばバック向けラバー。
フォアでも一定の性能は発揮されますが、バックのブロック性能の高さや弧線が出る事で打ち合いの安定感も高く、バックで使う分には威力の不満もそれほどありません。
恐らくラバーの作り自体がバックの打法に合っているのではないでしょうか。
パワープレイヤー向けと言う事でトップシートを強化してきたようでしたが、V>01にあったコシの弱さが少し残っているように感じたのが少し残念です。
一定以上の強打になって来ると、スポンジのコシが少し不足してしまい、スポンジの力で飛ばすと言うよりも、緩衝剤の役割で硬さを低減させて飛距離を殺さないような役割になっているように感じました。
上級者ともなってくれば高価格帯のテンションをバックに張るのが基本になってきますが、それまではV>01Stiffで問題無いのではと思う程に安定感と一定の威力を発揮します。
丁度レッドローズの評価で色々と合わせていた時期なのですが、バックに1QやRASANT TURBOを張って比較しても、ブロックのしやすさや安定感はV>01Stiffが群を抜いており、それでいて威力もそれなりに有り、細かな技術もやり易いと、まさにバック向けラバー。
フォアの攻撃性能も決して悪くは無いのですが、どちらかと言えばフォアの方がラケットの相性が狭く、合わせやすさとしてもバックなのかなぁと思ってしまいます。
レビューを主としてやっていると性能の高さばかりを追求してしまうのですが、V>01やV>01Stiffは高価格帯のラバー程性能は高く無いけど、ミドルクラスのラバーよりは少し上かなーと言う程度で評価の落としどころに少し困るのですが、V>01もV>01Stiffもとにかくスウィングした通りに、自分のイメージ通りに飛ぶ傾向があり、その点ではどんなラバーでも気に入っています。
仮に自分が学生で練習と試合をするんであれば使っているんじゃないかと言う安定感と使いやすさで、中級者未満の自分でも難点は威力面くらいで、使いやすい範囲でまとまってる良作ラバーだと思います。
【備考】
スポンジが少しモロいので、張り替え時の接着剤の膜取りは控えた方が無難です。