投稿者：ザーシー
テナジー・25（Butterfly）レビュー
◆忙しい方のためのざっくり省略レビュー（一番上に配置しました）
・打球感はかなり違和感があり慣れが必要です。
・擦るドライブはしっかり擦れば粘着ラバー並みの猛烈な回転がかかります。
・表ソフトのように弾きを活かしたスマッシュでガンガン打っていけます。
・強く上回転のかかったボールでもカウンターを狙っていけます。
・台上はブチ切れツッツキと下回転に対するフリック、強い回転でも打ち負けないチキータが好感触です。
・回転をかけるのが苦手な人でもサーブをブチ切ることができます。
・下げられると一気に武器が減り厳しい展開になります。
・他のスピン系テンションのようなオートマチックに回転がかかるような感覚はあまりありません。
◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 基本的にペンドラ＋粒高ですが、時々シェークも使います。
・この度初めてレビュー投稿させていただきます。読み難い個所が多々見受けられると思いますが最後まで読んでいだだければ幸いです。
◆試打環境
・ラケット� ．┘�ストラウイング（Butterfly）
・フォアラバー テナジー・25 中 赤
・バックラバー テナジ−・64 中 黒
・ラケット�◆．僖薀疋奪�ス（Butterfly）
・フォアラバー テナジー・25 中 赤
・バックラバー フェイント・ＯＸ 黒
・重量
パッケージ込み 88ｇ
カット前 66ｇ
カット後 45ｇ（エクストラウイング161×150mmのグリップから15mm離した146×150mmでカットしました）
◆第一印象
もはや説明不要の怪物ラバー「テナジー」シリーズの中で、一際異彩を放つのがこのテナジー・２５です。
カタログには前陣攻守においての性能に優れた『テナジー』とありますがそもそも前陣攻守型にスポットを当てた裏ソフトラバー自体が珍しいので、「テナジー」シリーズのバリエーションの中の一枚というよりも全く新しい発想のラバーという印象を受けました。
まず最初に驚くのが粒の大きさです。今まで見たことのないデカさです。大きい粒の為かシートはかなりの弾力があり硬いです。
そして重いです。今回は厚さが「中」なのですがそれにしても他のラバーに比べ重いです。スピン系テンションは重いものが多いですが25は最重量の部類に入ると思います。
それ以外は他のテナジー同様、やや澄んだ色のシートにオイリーな感じの湿り気のある気泡の大きなスポンジとなります。
◆攻撃系技術
・基本打ち
打球感はかなり独特で何とも言葉に表現しにくいです。
バタフライラバーの場合、スレイバー、ブライス、テナジーと時代に合わせた進化をしてきた中でスピードとスピンの違いはあるものの、打球感はそこまで大きな違和感を感じるほどではありませんでした。
この打球感を正統派とするなら25は全く異質のものです。表ソフトに近い打球感で、他の裏ソフトに比べ粒で打球しているような感覚があります。
球離れが速く弾くような返球になります。しかし球持ちが悪いかといえばそうではなく、しっかり食い込ませれば安定した球筋となります。打ち方で球質に違いが出るラバーです。
・ドライブ
擦るドライブが好感触でした。中国ラバーのように硬さを活かして思いっきり擦ると、猛烈に回転がかかります。
回転量だけなら05を凌ぐほどです。しかし05と大きく違うのが回転のかけやすさです。05は多少体勢が崩れてスイングがブレたり遅くなっても回転がかかります。25はしっかり擦らないとスピード不足の棒球になります。
またミートするドライブは食い込みが弱いと予想外に弾いてしまいネットに引っかかってしまいます。擦るドライブにもミートするドライブにも共通するのがしっかりしたスイングでないと良い球が出ない点です。
他のスピン系テンションのようなオートマチックに回転がかかる感覚が25は他に比べあまりありません。この点が他のテナジーと比べユーザーに使いにくい印象を与えているのだと思います。
ですがしっかりしたスイングを心がければ、回転の強弱にメリハリをつけられるのでオートマチックな回転が苦手なユーザーには相性が良いと思います。
また下がれば下がるほどドライブが入らなくなります。ドライブは前陣をメインに考え、下がっても中陣までに留めることを心がけたいです。中陣よりも下げられた場合は素直にロビングで粘るのが得策かと思います。
・スマッシュ
他のテナジーに比べ25の最大の利点がこのスマッシュです。粒が大きいので弾く感覚が強く相手のボールにパワー負けしません。
ある程度浮いたボールならば多少回転がかかっていても打ちにいけます。弾きが良いので表ソフト並みのスマッシュが決まります。相手のボールの回転に対して他の裏ソフトほど神経質にならずにすむのは優れた点ですね。
◆守備系技術
・ブロック
回転の影響を他のスピン系テンションに比べ受けにくいのでブロック時の回転についてはあまり神経質にならなくでも良いです。また、パワー負けの心配もありません。
ただ粒が大きい為か、通常の裏ソフトでのブロックに比べナックル性のボールが出やすいです。
これは良く言えば武器になりますが、一般的な裏ソフトの感覚に慣れてしまっているドライブマンには多少違和感があります。また山なりではなく直線的な少し低めの弾道なので慣れが必要です。
しかしブロックの弾道が低い点は攻守型には利点だと思います。
・カウンター
スマッシュとともに25のウリであるのがカウンターです。相手の上回転が強くても前陣からガンガン返せます。相手に先手を打たれても逆転を狙えるのはとても評価できます。
今まで打てなかった相手のワンランク上のボールにも強気な姿勢で臨めます。
ロビング
下げられた場合の技術は全般的にあまり良くないです。食い込みが弱いと玉が落ちるので下げられた場合には苦しい展開になります。
ですがどうしても下げられた場合はロビングで粘ることを勧めます。
ロビングでなんとか前に詰めて、カウンターに繋げるのが得策かと思われます。
◆台上系、サーブ、レシーブ
・ストップ
硬めのシートのため不用意に食い込むこともなくしっかり止めることができます。ダブルストップもやりやすいと思います。
・ツッツキ
かなり低くブツ切りできます。ツッツキのみでの得点もコースによれば可能です。またサイドスピンなどの変化をつけたツッツキもやりやすいです。
・プッシュ
やや落ちる感覚があるのでバックスイングをしっかりとって、ボールを食い込ませる必要があります。弾道はかなり鋭く直線的なのでコースを狙って有効に使いたいです。
・フリック
粒で弾く感覚によってかなりやりやすいと思います。強く下回転がかかっていても先手を狙えます。ツッツキやストップと上手く併用すれば4球目攻撃に繋げられます。
・チキータ
かなり安定感があります。相手のボールに影響されにくく、強く回転をかけられるので自分のボールとして主導権を握ることが可能です。レシーブ時にも相手のサーブが自分の懐に入れば強気に攻めていけます。
・サーブ
擦る感覚があまり得意ではない人でもサーブをブチ切ることができます。シートが硬く粘着ラバーのような猛烈な回転をかけることが可能です。インパクトでボールが不用意にふっとぶことがないので思いっきり擦ることができます。
・レシーブ
全般的に台上系に強いです。チキータやフリックを積極的に攻め、4球目に繋げていきたいです。ロングサーブに対しては後ろに下げられないようにコースを狙った返球が良いと思います。
◆その他
・裏面系全般
まずラケット�，離┘�ストラウイングの方ですが、25を裏面として使うと重さが原因でスイングが遅くなりしっかり擦ることができず、ドライブではなかなか良いボールは出ませんでした。
またミートするドライブでは球が落ちてしまいネットが多かったです。
裏面ツッツキとカウンターは好感触でしたが、ドライブがイマイチなのは致命的なので両面裏ソフトの場合は25はフォアに貼り裏面には軽くて柔らかめのラバーがよいと思います。
次にラケット�△離僖薀疋奪�スですがラケット自体が軽く片面が粒高なので総重量が軽くなり、重めの25を裏面に使ってもしっかりスイングを振ることができました。
裏面ドライブは割とやりやすく（柔らかめのラバー程ではありませんが）しっかり擦れば決定打になります。
前陣での攻めを意識すれば裏面カウンターやチキータで得点を狙うことが可能です。また裏面サーブをブチ切ることもできます。
◆おすすめプレーヤー・ラケット構成
Ａ、全く同じとは言えませんが感覚が中国製粘着ラバーに近いものがあるので、ノングルー以降の粘着ラバーにスピード不足を感じていた方に試していただきたいです。
木材5枚合板のラケットのフォア側に貼り前陣ドライブ速攻として戦うプレーヤーにお勧めします。
Ｂ、バックに表ソフトや粒高を貼っている異質型のプレーヤーの、フォア側の裏ソフトとしても良いと思います。
表ソフトと組み合わせれば台上技術の良さを活かした前陣速攻に、粒高と組み合わせればワンランク上のブロックやカウンターとブチ切れツッツキ・サーブを活かした前陣攻守に最適だと思います。
Ｃ、サーブが切れないなど表ソフトがどうしても合わないペン速攻のプレーヤー、シェークバックの表ソフトが合わない前陣速攻型のプレーヤーにも試していただきたいです。
裏ソフトとしてではなく、異質ラバーとして25を使うのであれば表ソフトより回転もかかるので使いやすいと思います。25を経由して表ソフトに繋ぐのも良いと思います。
Ｄ、弾きが良く球離れが速いので特殊素材との組み合わせには注意が必要です。
打球感が特殊素材の中ではソフトな部類のラケットに組み合わせることをお勧めします
◆まとめ
前陣攻守にスポットを当てた裏ソフトラバーということで全く想像がつかなかったのですが、その名の通りの性能だと思います。
前〜中陣では性能を120%発揮出来ますが、中〜後陣に下がった途端に武器が減ります。下がらない事を前提とすることによって前陣のみにターゲットを絞った性能に仕上げたラバーといった印象を受けました。
また初めてテナジーを使うユーザーには25をお勧めします。オートマチックに回転がかかる他のテナジーと違い、しっかり回転をかける感覚を習得できます。
テナジーに限らず他のスピン系テンションは相手のボールの回転に影響されすぎることがありますが、25はある程度セーブできるので安定感があります。
サーブの回転をかけやすい点も良いです。また初心者は前陣でのプレーが主体なので25はよりポテンシャルを引き出しやすいと言えます。
