キョウヒョウ3-50


















投稿者:ザーシー


キョウヒョウ3-50(紅双喜)レビュー 

◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 基本的にペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
レビューラバー
キョウヒョウ3-50 黒 2.1mm 35度(紅双喜)

使用ラケット
馬琳エキストラオフェンシブ-中国式(ヤサカ)
ブロックマン-中国式(TSP)
張継科-FL(Butterfly)
キョウヒョウ王(紅双喜)
ディフェンス2-ST(Butterfly)
極守2-ST(WRM)

◆第一印象
中国製粘着ラバーの代名詞、キョウヒョウシリーズの待望の新作がこのキョウヒョウ3-50です。
前作のNEOシリーズでは従来品に比べ性能が大きく飛躍したとの表記があったもののノングルーの影響は想像以上に大きく、今一つ性能に満足出来ずにいた方も多かったのではと思います。
特にスピード不足が最大の課題となり、スポンジを厚くしたり、硬度を上げたり、接着剤の膜を厚くしたりと色々試した方もいらっしゃったことと思います。
入手困難かつ高級なブルースポンジを試した方もいるのではないでしょうか。
今回レビューするキョウヒョウ3-50はスポンジがこれまでのものとは大きく異なります。
スピン系テンションのように気泡が大きいタイプで
色はまるでテ○ジーを意識したようなレッドスポンジです。
スポンジ硬度は35度で指で押すとやや弾力を感じる程度に軟らかいです。
シートはしっかりと粘着性があり、光沢もあって高品質です。
中国製粘着ラバーのシートは以前まで個体差が大きくバラつきがあり性能に当たり外れがありましたが、最近は品質がかなり安定してきました。
その中でもこのキョウヒョウ3-50はかなり高品質なシートを搭載しています。
パッケージも豪華な造りで、独特の中国ラバーっぽさはなく、ドイツラバーのようなオシャレなデザインです。

◆基本打ち
ノングルーの粘着性ラバーとは思えないほどボールが伸びます。
硬いスピン系テンションとまではいかないものの、軟らかめのスピン系テンションや、VS>402 DOUBLE EXTRAやスピンアートなどの粘着性テンションと同等のスピードが出ます。
35度という軟らかさのおかげでラバーがボールをしっかり掴むので前後左右のコントロールがしやすいです。
硬すぎずほどよい打球感のおかげで長くラリーを続けることも容易です。
ノングルーの粘着性ラバーは重くて硬い、弾まないというイメージを打破してくれるラバーがついに登場したなと感じました。

◆ドライブ
スポンジが軟らかくボールを掴むので、食い込ませるドライブは非常に安定します。
中国製粘着性ラバーとは思えないほどボールが食い込んで打ちやすいので、力がそれほど強くなくてもドライブの連打が可能てす。
擦るドライブはさすが粘着性ラバーといった非常に回転量の多いボールが打てます。
またこれまでの粘着性とは段違いにスピードが出ます。
スピン系テンションのドライブに比べても十分に対抗できる強力なボールを打つことが可能です。
これまでのノングルーの粘着性ラバーは回転性能だけならスピン系テンションをやや上回るもののスピード性能では遙かに劣ってしまい、トータルの性能ではスピン系テンションよりも使い手を選ぶ傾向がありました。
スピン系テンションはスピンとスピードの両方が両立されていてバランスが良いですが、粘着性ラバーは圧倒的なスピンに対してノングルーによりスピード不足が深刻となりバランスを崩してしまいました。
元々粘着性ラバーを使っていたプレーヤーがスピード不足に耐えられずスピン系テンションに乗り換えるというケースも当時は多く見受けられました。
しかしキョウヒョウ3-50はスピード性能が格段にアップしているのでスピンとスピードのバランスが両立されており、スピン系テンションと比較してもトータルの性能で劣ることはありません。
その点はスピンとスピードの両方が欠かせないドライブにおいてとても重要なポイントだと思います。
スピンとスピードが両立されているのが前提で、ドライブによりスピードを求めるならスピン系テンション、よりスピンを求めるならキョウヒョウ3-50という二極化が実現するのではと思わされるほど高性能でした。

◆スマッシュ
非常に速いスマッシュが打てます。
粘着性ラバーのスマッシュではトップクラスの弾みです。
ここまで弾みに自信を持ってスマッシュを打てる粘着性ラバーは現時点では他に見当たらないのではと思えるほど高性能です。
またボールをしっかり掴むので安定感もあります。
ただ粘着性シートにより相手の回転の影響を受けやすいのでそこは注意が必要です。
しかし普段から粘着性ラバーを使用している方はもちろん、慣れてしまえばそこまで気にならないと思います。 

◆ブロック
粘着性シートにより相手の回転の影響を受けやすいです。
しかし弾みがほどよくあり、ボールをしっかり掴むので、前後左右のコントロールがしやすく従来品に比べコースを狙った返球がやりやすいと感じました。
ブロックしたボールをエンドライン寄りに深く返球することも可能なので、思ったより手前で浅く返球してしまい打ち込まれるといったミスも少なくなりました。
この点は防戦一方を打破できる良いポイントだと思います。

◆カウンター
回転性能が高く、またボールを掴むことにより、相手の勢いのある強打も容易にカウンターすることが可能です。
回転をかけ返すことが容易な点は他の技術にも当てはまる優れた性能だと思いました。

◆ロビング
従来のノングルーでの粘着性ラバーは飛距離を伸ばすことが困難で、後陣に下げられれば粘ることは難しく非常にしんどい展開に陥りやすかったです。
しかしキョウヒョウ3-50は弾みが強いので、後陣で粘ることもそこまでシビアにならずにすみます。
しかし粘着性シートが相手の回転に影響されやすい点は従来の粘着性ラバーと同じなので注意が必要です。

◆カット
相手のボールを抑えやすく、非常に安定感があります。
粘着性ラバーでのカットの最大の武器であるブチ切れカットは、相手コートに深く入り低いバウンドで落ちて行きます。
また相手の球威に押されずに自分のペースでカットの強弱の調節がしやすいです。
さらにほどよい弾みにより飛距離を出しやすいので、大きく下げられても粘りきることが可能です。
従来の粘着性ラバーでは回転性能が高くボールを切りやすいものの、飛距離が出せずに辛い展開に追い込まれやすくなることもありました。
ドライブなどの反撃も後陣からではどうしてもスピードが出せず悩ましい限りでした。
そのためスピン系テンションを裏ソフト面に貼るカットマンも増えましたが、やはり粘着性ラバーでのカットの良さを諦めきれない方も多くいらっしゃったと思います。
キョウヒョウ3-50は後陣でのカットの粘りと反撃のやりやすさが、カットマンとして使用する場合の最大の魅力です。
粘着性ラバーを使用しているカットマンの方にはぜひ1度試してほしいですね。

◆ストップ、ツッツキ
粘着性ラバーの中では弾みが強いので、粘着性ラバーでのストップ、ツッツキにしてはややコントロールに注意が必要です。
弾みの弱い粘着性ラバーを使用している方は慣れるまで違和感があると思いますので注意が必要です。
しかし普段からスピン系テンションを使用し短く返球することに慣れている方にとっては弾みが許容範囲の域を出ないので十分コントロールしやすいでしょう。
また掴む性能によりコースを狙うことはやりやすくなっているので深くて切れたツッツキで相手のミスを誘うこともやりやすいです。

◆ショート、プッシュ
スピード性能が格段に良くなっています。
特にペンホルダーでのプッシュは弾みの良さが十分に発揮され、それだけで得点することも可能です。
ここは地味かもしれませんがペンホルダーのプレーヤーにとっては非常に嬉しいポイントです。

◆フリック、チキータ
これまでの粘着性ラバーでのフリックやチキータは回転性能が高いのに対してスピード性能にはやや難がありました。
しかしキョウヒョウ3-50はスピン系テンションと同等かそれ以上の威力をフリックやチキータで発揮します。
回転と弾みの両方が高レベルで活かされており安定感もあるので強気な姿勢でフリックとチキータに臨むことができます。 

◆サーブ
従来の粘着性ラバーよりは弾みが強いため、回転をかける際には慣れが必要です。
しかし粘着性ラバーとしては弾みが強いというだけでスピン系テンションよりは格段に回転がかけやすいです。
またロングサーブでスピードを出すことも容易なのでサーブの種類にとらわれず様々な球種を扱うことが可能です。

◆レシーブ
相手の回転の影響を受けやすいですが同時に回転をかけ返すこともやりやすいので、ロングサーブに対するドライブレシーブや、ショートサーブに対するチキータなどは非常に好印象でした。
攻めのレシーブがやりやすいという点は進化したキョウヒョウの強い武器の1つだと思います

◆おすすめプレーヤー・ラケット構成
A、粘着性ラバーの圧倒的なスピン性能を好みながらも、ノングルーによるスピード不足に悩んでいた方におすすめです。
気泡が大きい新しいタイプのスポンジによりスピード性能が格段にアップしているので、グルー時代に粘着性ラバーを使用していながらノングルーではスピン系テンションに移行せざるを得なかった方には是非一度、このキョウヒョウ3-50を試してほしいです。
近年は張継科選手のような弾みの強いアウター特殊素材に粘着性ラバーを合わせる方が多く見受けられます。
もちろん特殊素材ラケットにもキョウヒョウ3-50は相性抜群です。
しかしこのラバーは木材ラケットと組み合わせても
抜群のスピード性能を発揮します。
グルー時代に粘着性ラバーと木材ラケットを組み合わせてプレーしていた方には、ぜひ当時のラケットにキョウヒョウ3-50を組み合わせてみてほしいですね。

B、粘着性ラバーを裏ソフト面に使用するカットマンの方にもおすすめです。
スピード性能が高くドライブやスマッシュなどの反撃がやりやすいのでカット+攻撃スタイルのカットマンに相性がよいです。
また粘着性ラバーながら弾みがよいため後陣からでも飛距離が出しやすく、守備重視で粘るカットマンにも相性が良いです。
かつて粘着性ラバーを使用されていたが後にスピン系テンションに移行されたカットマンの方にも、飛距離不足を感じながらも粘着性ラバーでプレーされているカットマンの方にも、このスピンとスピードが高レベルで両立された進化した粘着性ラバーでのカットをぜひ体験して頂きたいです。

◆まとめ
粘着性ラバーは圧倒的な回転性能が魅力的ながらノングルーによりスピード不足が最大の課題となりました。
そのため多くのユーザーが回転と弾みの両立を求めてスピン系テンションに流れてしまいました。
しかしこのキョウヒョウ3-50は近年の粘着性ユーザー減少に待ったをかけるラバーになること間違いないと思います。
スピン系テンションの進化の影に隠れながら、粘着性ラバーの進化は確実に進んでいました。
ここまで回転と弾みを高レベルで実現した粘着性ラバーは他にはないと思います。
キョウヒョウ3-50の登場は裏ソフトラバー市場に必ず大きな影響を与えることでしょう。
進化した粘着性ラバーの性能をぜひ1度試して頂きたいと思います。