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投稿者:かんなぎ



0.モニター環境

使用ラバー:L.S.D.(RED/1.0mm)

普段の使用用具
R:タマス製柳3枚合板
F:オメガ5アジア 1.8mm
B:トリプル特注 1.2mm


1.ざくっとレビュー
中毒性高し!トリッキーでピーキーになったオールラウンドプレミアム。
おかえりなさい、旧カールP-1。


2.第一印象
クラクラッと来そうなパッケージです。名前といいデザインといい、パッと見で「普通のラバーじゃないよね」と誰もが思うことでしょう。

シート:粒形状はカールP-3αRより太く、フェイント・LONG2よりやや細め。布目はなく異常に粒が軟らかいです。オールラウンドプレミアムもなかなか軟らかい粒ですがL.S.D.はそれ以上。
完全な円柱形のため、根本の広がっているLONG2よりも粒が高いように錯覚してしまいます。また、粒の間隔がカールP-3αRと同じくらいに広めです。
思ったよりもトップシートは厚め。スキュラ、CK531Aより厚く、LONG2より少し薄いくらいです。他の粒高に比べるとトップシートと粒の表面が、粉を吹いたように白くくすんでおり妙にスベスベしています。

スポンジ:ピンク色でややハードなスポンジです。海王星に似た感じですね。ノイバウアーのDPスポンジのようにツルッとはしていません。

重量:パッケージ込みでは51g、ラバー本体(168mm×165mm)が34gで100平方センチあたり12.26g。
スポンジあり粒高としては平均的な重量です。デスペラード、オルプレと大差ありません。

反発力:40mmボールを150mm上方から落とした際の跳ね返りは105mm。
※あくまで参考値:オールラウンドプレミアム→83mm、フェイント・LONG2→85mm、デスペラード→98mm、スーパーウォール→102mm

軽打:とても打球感がクリアでシャープです。ブレードのどこで打球したのかが非常に分かりやすいですね。
予想通り、ボールがよく滑ります。初速があり低空飛行な軌道、かつ失速が大きいので時折あり得ない小さい山で飛んでいきます。


3.攻撃技術全般
ドライブ系技術:5点
対上回転のドライブはお察しの通りです。まともに引っ掛かりません。
対下回転、ドライブ系プッシュは威力こそありませんが非常に楽。回転を殺さぬよう優しく掬い上げれば、小さく弧を描いて勝手にコートへ収まるイメージです。
ペン粒選手がカットマンに反撃されないようなボールを送り続けるには持ってこいです。

フラット系技術:6点
自分から頑張って振っても然程スピードは出ませんが、粒を潰すようにインパクトするとイヤらしいナックルになります。
しっかり使い込んで軟らかくなったカールP-3と似たような飛び方で、スピードはより遅く、その分揺れ具合が増している感じです。
ただ、スピードに難があると書いてはいますが低く直線的な弾道のため、受ける側曰く体感速度はなかなかあるとのこと。

カウンター:6点
ブロックの止まり具合は後述の通りですが、インパクトの勢いが限界点を越えると突然ピュッと飛び出すような「暴発」を見せます。
これを利用すると、抑え切れるか微妙な強打に対し押し返してあげることでカウンターとなります。
他の粒高に比べて回転を食らいづらく、リターンの弾道が変わりにくいL.S.D.ならではの特性もあっての芸当です。
ドナックルで真っ直ぐ刺さるので決定力はあるものの、インパクトを読み違えるとネット直行のため注意が必要ですが‥


4.守備技術全般
ブロック:9点
スポンジありでもここまで止まる粒高はカールP-4以来です。P-4と違うのは吸収して止まっている感じではなく無効化してるような感触である点です。
自分から切れる事がウリのP-4は回転量あるドライブにはその分だけブロックが浮いてしまいますが、L.S.D.はスリップして「だから何?」と言わんばかりにストッと低く短く止まります。
粒が軟らかくボールを持っているようなのに、滑ってボールを持っていないような不思議な感触です。アスペクト比ルールが改正される前の旧カールP-1にも似た飛び方です。
変化幅も相当なものです。それでいてボールの飛び出し方にバラツキがないので、ブロックする側はさして労力を必要としません。
カットブロックに関しても、スイングスピードやボールタッチよりも打点・タイミングを意識した方が切りやすいですね。
まさに「自分はやり易く、相手はやり辛い」ラバーです。難点と言えば、予想外のボールに相手がトンでもないボールを放ってくる事でしょうか。

カット:7点
ブロックに比べて打球シチュエーションの多いカットは、打球面が適切に出せるかで生きるか死ぬかが決まりますね。
回転の影響を受けない分、スイング方向よりも打球角度にボールの軌道が左右されます。
カットは上向きに飛び出さず、軌道は直線的です。失速の度合いは少なく伸びるカットになります。
変化は打点が遅れるほど自分から付けづらくなります。下げられた所にループを決まった回転量でL.S.D.へ集められるとじり貧になるので反転プレーは必須ですね。

ツッツキ:5点
ツッツキは難しいですね。粒を倒しても雀の涙ほどしか切れません。
やや立て気味に、乗っけるように送り出さなければ安定しません。


5.台上技術・サービス・レシーブ
台上技術:8点
ストップの秀逸さは当然ですが、流しとフリックも強力です。
ともにスピードがあるわけではないものの、滑るようなバウンドをするため相手を崩すには充分すぎる球質です。
ダブルスのレシーブではかなりの脅威になります。


サービス:5点
使い道としては見せ玉的な感じでナックルロングを混ぜるくらいでしょうか。
うまく揺れるボールになってくれれば点稼ぎも不可能ではないです。

レシーブ:8点
回転の影響を受けないのは強みですね。
かつ回転を残して返せるおまけ付きのため、相手のサービスを限定させることができます。
こちらがサービスを持った際も思い切り切って、相手のリターンに残った回転をL.S.D.でさらに変化させるのも有効です。


6.おすすめラケット
かなり特異な個性的ラバーですがラケットは意外にも選びません。
守備力アップならば柔らかめ、変化度アップならば硬めのセオリー通りに
どちらかと言えばもう片面のラバーとのコンビネーションを重視して好きなラケットをチョイスして頂いて問題無さそうです。


7.どんな人におすすめか
とにかく止めたい、変化ブロックとトリッキープレーで試合を掻き回したい人にはピッタリの武器です。
カットマンであればあまり下がらずに反転プレーや前中陣でのアタックを織り交ぜるタイプ向けです。


8.総合評価:7点
「開発者の顔が見たい」
「出てくる球が悉く汚い」
などの誉め言葉を頂きました。皆から嫌われる勇気を持って使いましょう。


9.備考