馬林エキストラオフェンシブ
















投稿者:ザーシー
◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
・使用ラバー
翔龍
テンキョク3-60
キョウヒョウ8
テナジー05
テナジー64
ラザントパワーグリップ
ラザントグリップ
プラクソン450

・比較ラケット
キョウヒョウ皓-中国式
王皓(ニッタク)
チャイニーズEX
吉田海偉
柳承敏MAX
エクストラウィング
ハッドロウVR-CS
チャイニーズAL
ガレイディアリボルバーR

◆第一印象
2008年北京オリンピック男子シングルス金メダリスト馬琳選手使用モデルのラケットが馬林エキストラオフェンシブです。
馬琳選手は1990年代後半から2010年代前半までの長い間、中国トップの代表選手として活躍しました。
馬琳選手は両面に裏ソフトラバーを貼った中国式ペンホルダーを使います。
フォアドライブ主戦のスタイルと両ハンドスタイルを組み合わせて戦うドライブ速攻型で、バックは裏面打法に加え従来のバックショートやバックプッシュも駆使していました。
中国代表のチームメイトの王皓選手が両ハンドスタイルで特にバックサイドでのプレーのほとんどを裏面打法でカバーする戦型だったのとはやや異なります。
馬琳選手の方がよりオールラウンドな戦術を駆使してプレーしていました。

馬琳ラケットシリーズは5枚合板でオリンピック優勝モデルの馬林エキストラオフェンシブ。
7枚合板でエキストラオフェンシブの使いやすさを残しつつスピードを高めた馬林エキストラスペシャル。
弾みの強い特殊素材のカーボンを搭載したモデルで馬琳選手が以前使用していたことがある馬林カーボン。
安定性重視でカーボン+軟らかめの木材を組み合わせた、馬林カーボンよりも以前に馬琳選手が使用していたことがある馬林ソフトカーボン。
シリーズ最速でカーボン+ウエンジ材を組み合わせた馬林ハードカーボン。
以上5種類が現在国内では販売されています。

今回レビューするエキストラオフェンシブは上板にやや硬めの木材を使用することにより5枚合板ながら弾みが強くややハードな打球感が特徴的です。
発売当初はそのようなラケットがまだ珍しかったのですが、硬めの木材を使用した純木ラケットの増加、スピン系テンション裏ソフトの増加、ノングルー化、プラボール化など様々な用具の変化により、馬林エキストラオフェンシブは今では使いやすい部類のラケットという位置付けになっています。
 
◆攻撃系技術
打球感は普段7枚合板の吉田海偉を使用している私にはハードとソフトの中間のように感じられました。
しかし王皓(ニッタク)やチャイニーズEXなどの軟らかめの上板の5枚合板と比べるとややハードに感じます。
またボコッという打球音が特徴的で5枚合板の中では反発力がやや強く球離れが速い部類のラケットだと思います。
しかしプラボールが顕著に用具の性能バランスに影響した昨今では硬めの木材を使用した5枚合板といえども使いやすいラケットとなり、馬林エキストラオフェンシブはより使いやすさが際立ったと思います。
またやや平たい楕円形のグリップ形状により極端に裏面打法の角度を出そうとすると指に当たって握りづらいです。
フォアとバックの切り返しはやりやすいですが、裏面打法に適したグリップにはやはり王皓モデルのラケットの方が向いていると思いました。
選手モデルのラケットはその選手のプレースタイルが大きく反映されて作られていますが、グリップにもその特徴がよく出ていると思いました。

食い込ませるミートドライブはテナジー05やラザントパワーグリップなどの硬めのスピン系テンションを組み合わせてもしっかりとボールを掴むことができ最適なタイミングで弾くことが可能な為、非常に球持ちと弾みのバランスが良いラケットだと思いました。
また両面にラバーを貼ることを想定して設計されていますがペンホルダーの最大の武器である一発フォアドライブの威力も十分に発揮できるほどの反発力も兼ね備えているため、フォアドライブ主戦のプレーにも対応していると思いました。
フットワークを活かしたフォアドライブ主戦のプレーと裏面打法を使用した両ハンドプレーのどちらか片方に特化するのではなく、両方に対応し戦術を使い分ける為のバランスを最重要視したラケットだと思います。

擦るドライブでは球持ちの良さが活かされ抜群の回転のかけやすさを誇り、ラバーの回転性能を十分に引き出し回転量の多いドライブを打つことが可能です。
裏面ドライブでもやや山なりのループやカーブなどの多彩な回転のドライブを打つことができます。
フォアドライブや食い込ませるドライブなどの威力が欲しい時は反発力を、ループやカーブドライブなど回転を重視する際は球持ちの良さを場面ごとに発揮するバランスの良さはさすが金メダリストモデルのラケットだと思いました。
フォアドライブの威力に特化するならサイプレスシリーズなどの日本式ペンホルダー、裏面打法を駆使し両ハンドプレーに特化するならキョウヒョウ皓などの操作性の良い中国式がそれぞれ適していると思います。
しかし両方の戦術を使い分けるオールラウンドプレーのバランスを重視するなら馬林エキストラオフェンシブは最適なラケットの1つだと思いました。
 
◆守備系技術
程よい反発力と球持ちの良さでブロックでは相手の強打を上手く捉え落ち着いて返球することが可能です。
また回転のかけやすさを活かしてスピン系のブロックで相手を惑わすこともやりやすいです。
粘着性ラバーでのブロックは相手の回転の影響を強く受けて思わぬ方向にボールが飛び出したり、ノングルー以降は弾みが弱すぎて相手ボールをボトッと落としてしまうことがありましたが、馬林エキストラオフェンシブは球持ちと反発力のバランスが良いためそこまで神経質にならなくても上手く返球できました。
またカウンターは相手の強打をしっかりと捉え回転をかけ返すことができるのでやりやすいです。
特に裏面でのカウンターは自信を持てるほど上手くない私でもやりやすい感じるほど好印象でした。

◆台上
ツッツキやストップは従来の5枚合板同様に自在性が高くやりやすいです。
ペン表面ラバーでのバックショートやバックプッシュは球持ちと反発力のバランスに切り返しの良さが合わさって弾道、威力、操作性のどれを挙げても文句なしの性能を誇ります。
またフリックや裏面でのチキータも弾みと回転のかけやすさのバランスによって非常に好印象です。
台上の自在性はバックを攻められやすいペンにとっては最も心強いポイントだと思います。
また直接3・4球目にも直結するので台上に苦手意識がある方にも馬林エキストラオフェンシブはおすすめです。

◆サーブ、レシーブ
回転がかけやすくまた回転量の調節もしやすいのでサーブの自在性が高く操作性も良いです。
馬林エキストラオフェンシブはサーブに威力を発揮するラケットの1つだと言えるでしょう。
レシーブは相手のショートサーブに対する台上系レシーブが好印象でした。
サーブ、レシーブを重視する方にも馬林エキストラオフェンシブはおすすめだと思います。

◆おすすめプレーヤー、ラケット構成
オールラウンドプレーを重視するペンドライブ型におすすめです。
オールフォア主戦のペンドラ、バックは裏面のみの両ハンドスタイルなどの極端な戦術に特化せず場面ごとに適した戦術を使い分けるプレースタイルの方に適したラケットだと思います。
フォアドライブの威力、裏面打法、バックショート・プッシュなどの台上技術、フェイクモーションサービスなどペン特有の様々な打法に必要な反発力や球持ち、操作性などのバランスが馬林エキストラオフェンシブは優れています。
馬琳選手のようなオールラウンドドライブ速攻プレーを実現するのは難しいですが、1つ1つの技術に不得意のない万能なラケットを探している方におすすめです。

◆まとめ
柳承敏選手のような日本式ペンホルダーでのフォア主戦ペンドラはバックをカバーする驚異的なフットワークと一発ドライブの爆発的な威力の実現が難しく、王皓選手のような中国式や反転式での両ハンドスタイルは裏面打法でバックサイドを完全にカバーすることが非常にハイレベルなことだと改めて痛感しました。
オールラウンドプレーも馬琳選手のレベルまで高めることは一筋縄ではいかないです。
しかし1つ1つの技術を地道に練習し、使える戦術の多さで勝負するという点ではペンドライブ型の目指すべき形としては一番現実味があるのではないかと個人的に感じました。
1つの技術を極限にまで特化させるのは幅広い技術をある程度のレベルまで高めてからやることなのだと改めて痛感しました。